◎島原温泉給湯50周年 特別コラム2  昭和42年に島原市温泉給湯事業の温泉供給が開始されてから今年で50周年を迎えます。  この節目の年に、市民皆さんに「島原温泉」の魅力について、さらに知ってもらうとともに、親しみを感じていただけるような情報をお届けします。第2回目は「島原市の温泉給湯事業」について紹介します。 (写真1)温泉給湯所内の新温泉加温設備(ヒートポンプ方式) (写真2)旧温泉配湯管断面のスケール付着状況(スケール:20mm厚、管:内径75mm) (写真3)温泉給湯所内の旧温泉加温設備(ボイラー方式) ○旧ボイラー方式による温泉加温 島原温泉は昭和38年と42年に掘削した約30℃の2カ所の源泉を活用し、昭和42年10月にボイラー加温(55℃に加温)による温泉給湯事業として、ホテルや旅館、個人宅に給湯を開始しました。  温泉給湯事業の経営状況は厳しく、事業費コストの削減、特にボイラーの燃料費の削減は長年の検討事項であり、燃料の変更(重油→廃タイヤ→重油→灯油)を繰り返しながら、燃料費のコスト削減に努めました。  また、平成17年に温度の高い温泉を求めて掘削した約40℃の温泉である元池第二源泉を使用していましたが、それ以前に使用していた元池源泉や観音島源泉と比べると温度は高いものの、温泉スケール(温泉成分による固形物)の付着が多く、温泉配湯管のつまりが問題となっていました。 ○新ヒートポンプ方式による温泉加温  コスト削減などの問題解決のために、温泉の加温方式を平成26年度から国の補助事業を活用して、ボイラー方式から宝酒造島原工場の排湯(熱源)を活用したヒートポンプ方式に変更しました。  また、温泉スケールによる温泉配湯管のつまり問題解決のために、温泉配湯管(総延長7・5km)の布設替えと源泉の変更を実施しました。  なお、加温方式や源泉の変更によるエネルギーコストなどの削減効果を検証するため、実証試験を実施しており、現時点でエネルギーコストは約 70%の削減効果となっています。  今後は削減効果の検証結果を踏まえながら、維持管理上の課題などを整理し、効率的な施設運営や安定的な経営に努めていくこととしています。  温泉給湯事業では、温泉の供給条件として大口契約である普通供給(一日9トン以上)と一般家庭でも利用可能な特別供給があります。  昭和50年のピーク時では、普通供給19件、特別供給80件で利用されていました。  今年5月現在、普通供給7件(ホテル・旅館4件、養護老人ホーム1件、公衆浴場1件、市の無料施設1件として足湯2カ所・飲泉所7カ所)、特別供給35件で利用されています。  一般家庭でも利用できる「島原温泉」を、検討してみてはいかがでしょうか。次回は「島原温泉の特徴」について紹介します。 (図面1)新温泉加温概略図(ヒートポンプ方式) (図面2)島原市温泉給湯事業 温泉施設配置図(平成29年5月現在) ▼問い合わせ先 しまばら観光おもてなし課温泉・観光施設班(63-1111内線213)