◎つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク89 島原半島ジオパーク協議会(65-5540)  谷水(たにみず)棚田と岳(たけ)地区の棚田〜先人たちがつくりあげた景観〜  南島原市南有馬町にある谷水棚田と、雲仙市千々石町にある岳地区の棚田は、島原半島を代表する棚田です。火山噴火がもたらした溶岩を積み上げた石垣が特徴的なこれらの棚田は、狭い場所に小さい水田が密集し、また、その高低差も大きいため、通常の水田に比べて農作業に手間がかかります。にもかかわらず、人々は、江戸時代からこれらの棚田を守り続けています。  通常、山間部には、水田が作れるような平らな土地はほとんどありません。しかし、そこに地すべりが起こると、土砂が谷を埋め立てるために、山間部に平らな土地ができます。 また、山間部は気温差が大きいことに加えて、冷たい水が豊富に湧き出る場所でもあります。そこで人々は、地すべりがつくった平らな土地と冷 たい湧水、そして大きな気温差を利用して、良質な米が採れる棚田をつくり上げたのです。  地すべりと火山噴火、そして自然環境を利用した先人達の工夫と苦労が、棚田という景観の中に隠れています。 (写真)谷水棚田(南島原市南有馬町) (写真)岳地区の棚田(雲仙市千々石町) ※6月、7月の「島原半島ユネスコ世界ジオパークセミナー」はお休みします