◎島原温泉給湯50周年 特別コラム3  1967(昭和42)年に島原市温泉給湯事業の温泉供給が開始されてから今年で50周年を迎えます。  この節目の年に、市民皆さんに「島原温泉」の魅力について、さらに知ってもらうとともに、親しみを感じていただけるような情報をお届けし ます。 第3回目は「島原温泉の特徴」について紹介します。 ○島原温泉の特徴  島原温泉は泉温が約20℃から40℃と低く、弱酸性から弱アルカリ性を呈しています。  現在、温泉給湯事業で利用している混合泉は加温することにより弱酸性から弱アルカリ性に変化し、混合泉水中の陽イオンは、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムの順に多く、陰イオンは、そのほとんどを炭酸水素で占められており、高濃度の炭酸水素塩泉が島原温泉の特徴です。  高濃度の炭酸水素塩泉は九州内でも珍しく、長湯温泉(大分県竹田市)をはじめとする九重周辺、妙見温泉(鹿児島県霧島市)や高原温泉郷(宮崎県高原町)を抱える霧島周辺は昔から有名ですが、島原温泉はあまり知られていないのが現状です。  島原温泉の泉質でもある炭酸水素塩泉は、「美肌の湯」や「清涼の湯」と呼ばれます。炭酸水素は泉水中にナトリウムがあれば、炭酸水素ナトリウム(重曹=天然のクレンジング剤)を形成して洗浄効果を発揮します。  炭酸水素塩泉に特有のヌルヌルした浴感は、角質表面を溶かして落とす作用から生じます。ただし、入浴後は肌から水分が抜けやすいため、保湿を行う必要があります。 ○島原温泉の泉質 源泉/元池源泉3割と観音島源泉7割の混合泉 泉温/60℃以上に加温(加温前30・1℃) pH値/加温後 7・3(加温前 弱酸性) 泉質/マグネシウム・ナトリウム炭酸水素塩泉 炭酸水素イオン/1551mg/kg ○島原温泉の適応症 ・浴 用 泉質別/きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症 一般的/筋肉もしくは関節の慢性的な痛みまたはこわばり、胃腸機能の低下、軽症高血圧、糖尿病、軽い高コレステロール血症、軽い喘息または肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、病後回復期、疲労回復、健康増進 ・飲 用 胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、耐糖能異常(糖尿病)、高尿酸血症(痛風) ○火山の恵み  島原半島にある島原、小浜、雲仙の3つの温泉は、火山の活動と深く関係している火山性温泉です。  雲仙火山のマグマは橘湾の地下にあると考えられており、東に向かって斜めに上昇し、マグマから出たガスが地下水に溶けることによって温泉ができています。  島原半島の火山性温泉の泉温や泉質は、「島原温泉」は低温約30℃の炭酸水素塩泉、「小浜温泉」は高温約100℃の塩化物泉、「雲仙温泉」は高温約80℃の硫酸塩泉や硫黄泉と、マグマだまりからの距離などで異なり、それぞれ違った泉質の温泉を楽しむことができます。 ○島原半島の湯めぐり  島原半島の湯をめぐり、火山がもたらした泉質の違う3つの「美肌の湯」を体験してみてはいかがでしょうか。 ★おすすめ順路★  「島原温泉(クレンジング効果)」→「雲仙温泉(肌の蘇生効果やシミ予防効果)」→「小浜温泉(保湿効果)」 ▼問い合わせ先 しまばら観光おもてなし課温泉・観光施設班(63-1111内線213) (写真)観音島泉源公園足湯(外港ターミナル横) (写真)島原温泉(炭酸水素塩泉) (写真)小浜温泉(塩化物泉) (写真)雲仙温泉(硫酸塩泉) (イラスト)島原半島の温泉生成モデル