◎つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク98 島原半島ジオパーク協議会(65-5540) ○ボラ供養塔〜有明海の恵みを伝える塚〜  雲仙火山をつくる火砕流、溶岩流、土石流、火山灰などの地層、そして土壌層の中にしみこんだ雨は、溶岩や地層から溶け出たミネラルを含む地下 水となります。やがて地表に湧き出た地下水は川となって海に流れ込み、山のミネラルを海に運びます。このミネラルがプランクトンを生み、多くの生物の命を支えます。特に干満差の大きな有明海は海流が速く、海底にたまったミネラルが巻き上げられるため、多くのプランクトンが生まれ、国内有数の漁業資源を有する豊かな海となっています。  1879 (明治12)年1月2日の早朝、有明町大三東の海岸に設置されたスクイに、大量のボラが迷い込みました。その量およそ140トン。スクイを埋め尽くした大量のボラを次の満ち潮までに運び出そうと、地域の人が総出でボラを運び出しましたが、全く追い付かず、結局ボラを運び出すのに4日を要しました。しかし、このボラの大群により、地域の人の暮らしは大いに潤いました。この時のボラを供養し、ボラに感謝するために建て られたのがボラ供養塔です。すでにボラを捕らえたスクイは失われてしまいましたが、そのスクイの土台に使われた丸石の上に建てられた供養塔は、有明海が昔から多くの魚を育む豊かな海であることを、私たちに伝えています。 (写真@)ボラ供養塔(有明町大三東) (写真A)市内に唯一残る大手浜のスクイ(石干見)※スクイ(石干見)…大きな潮の干満差を利用して魚を捕る漁法 ○第19回島原半島ユネスコ世界ジオパークセミナー 島原半島の歴史・文化・自然、そしてそれらを支えるジオの魅力を、毎月やさしく紹介します。 ▼と き 3月21日(水) 10時〜12時 ▼ところ 南島原市深江ふるさと伝承館(南島原市深江町) ▼参加料 無料 ▼講 師 楊燕(よう えん)(島原半島ジオパーク協議会 専門員) ▼題 目 島原半島ジオパークの楽しみ方 ▼内 容 海外のジオパークの特徴などを紹介しながら、中国・上海出身である楊専門員の視点で、島原半島ジオパークの魅力に迫ります