◎輝く島原人 THE SCENE Vol.08 島原に生きる   広報しまばらでは、生き生きと活動し、楽しみながら社会に貢献する人生の達人たちを「輝く島原人」として紹介しています。 第8回目は「地域のきずなが健康づくりに」と語る佐原トキヱ(さはらときえ)さん(78)を紹介します。 (写真1)笑顔で料理を作る佐原トキヱさん  昭和14年、7人兄弟の4番目として北上木場町で生まれる。雲仙・普賢岳噴火災害以前から、地域の集まりの際に料理を振る舞っていたことから地域のリーダー的存在に。市食生活改善推進員協議会の立ち上げから参加し、平成14年度から平成29年度まで同会会長を務める。仁田町在住。 ▼「始まり」は地域の集まりから  町内会公民館の調理場で元気に料理を作り地域の皆さんに振る舞い、健康づくりに取り組んでいるのは、市食生活改善推進員の佐原トキヱさんです。  料理を作るのが大好きなトキヱさんは、「私の料理をおしゃべりしながら味わい、おいしそうに食べるみんなの笑顔を見るのがうれしいです」と笑顔で話してくれました。 「昔は地域のみんなで自家製の野菜やみそ、しょうゆなどを持ち寄っては、先輩方に教わりながら料理を作り、おしゃべりしながら食べていた自給自足のような生活でした。地域のつながりが強く、みんなで協力していろいろなことをやりました。その時の楽しい経験から、今でもみんなで集まるのが大好きで生きがいを感じます」と元気に話してくれました。 ▼大災害から生まれた地域の「きずな」  「雲仙・普賢岳噴火災害が大きな転機」と語るトキヱさん。住んでいた地域が避難区域に指定されると、家族と一緒に避難所や仮設住宅での生活を余儀なくされたそうです。  「当時は、地域のみんながバラバラになり、不安な日々でした。そんな中、離れ離れになった仲間が私の家に集まり、みんなで料理を作るようになりました。そして、当時施設を巡回していた保健師から、私の周りに元気が無い人がいないか尋ねられた際、周囲の人たちの健康にも気をかけるようになりました」と話してくれました。  その後、さまざまな健康づくりの教室などにも参加するようになり、食生活改善推進員協議会の創立当初から積極的に活動されたそうです。 ▼「減塩」が基本  「私たちの健康は、私たちの手で」をモットーに活動している食生活改善推進員協議会。この活動を通して、「健康には減塩が基本」を意識するようになったトキヱさんは、当初は「うす味」に慣れなかったそうです。そこで、みんなで「減塩」でもおいしく食べられる調理方法を試行錯誤しながら考えました。  「私も家族も健康に過ごせるのは、この活動のおかげです。そして、食の大切さをますます感じるようになりました。この活動を通して、地域の皆さんが健やかに過ごすための力になりたいです」と話してくれました。 (写真2)料理教室で食育を指導する佐原さん ▼「仲間」は財産  今後の目標を伺うと「いろいろな活動を通じて出会った仲間は私の財産です。特に、食生活改善推進員の皆さんとの出会いが、健康で楽しく過ごせることの大切さを教えてくれました。今後もこの活動を広め、地域の皆さんで健康を支えることができる社会にしていきたいです」と力強く話してくれました。 (写真3)防災訓練で炊き出し訓練を行う佐原さんと食改の皆さん