◎つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク  島原半島ジオパーク協議会(65-5540) 山の上の冷気がもたらした地域の暮らし 普賢岳登山道@  2012(平成24)年5月、普賢岳周辺域の警戒区域の再設定に伴い、登山道が再整備されました。平成噴火が始まった1990(平成2)年以降、人の立ち入りが制限された普賢岳周辺は、20年以上も人の手が入らなかったため、この登山道沿いでは、噴火から復活した雲仙岳周辺の本来の自然が楽しめます。  この登山道沿いにはいくつかの「風かざあな穴」があります。「西の風穴」「北の風穴」と呼ばれるこれらの風穴群は、溶岩が冷える際に、溶岩自体が縮んで出来た規則正しい亀裂(柱状節理)に沿ってできたものです。春から晩秋には、真冬の寒さで蓄積した内部の氷によって冷やされた空気が、この風穴から吹き出してきます。この冷気を、人々はあることに利用していました。  明治中期から昭和初期にかけて、島原半島では養ようさん蚕が盛んに行われていました。農家では、農作業が一段落する秋から冬にかけてカイコを育て、絹糸を採っていました。しかし、農作業が終わる前にカイコの卵がかえってしまうと、カイコの世話ができなくなります。そこで風穴の冷気でカイコの卵を眠らせ、養蚕を始める時期を調整していました。温暖な九州では、カイコの卵を眠らせるのに適した風穴が少なかったせいか、雲仙岳の風穴で眠らせたカイコの卵には、九州各地から買い手が付いたそうです。  今は養蚕業も製糸業もほとんど見られなくなりましたが、風穴からは、昔と変わらず、冷たい風が吹き出し続けています。 (写真)登山道沿いにみられる「西の風穴」。真夏は冷気と外気の温度差で、風穴の出口が白く煙ることがあります。 ○第22回「ジオ空(ぞら)教室」〜防災ママカフェ@島原半島+トークセッション〜  自然災害はいつ、どこで起こるか分かりません。今こそ、災害時に何ができるか、みんなで考えてみませんか?  小さな子どもをもつママたちを中心に、災害から子どもたちを守るにはどうすればいいのかをみんなで考えます。  ぜひ足をお運びください。 ▼と き 7月29日(日) 10時 〜 12時 ▼ところ がまだすドーム(雲仙岳災害記念館)セミナー室 ▼参加料 無料  ◎1部 防災ママカフェ@島原半島  ◎2部 かもん氏と大野氏によるトークセッション (写真)【講師】かもん まゆ 氏 (写真)大野 希一(おおの まれかず) 氏