◎輝く島原人 THE SCENE Vol.12 島原に生きる 広報しまばらでは、生き生きと活動し、楽しみながら社会に貢献する人生の達人たちを「輝く島原人」として紹介しています。 第12回目は「音楽の素晴らしさを伝えたい」という思いで、さまざまな活動を通して音楽の素晴らしさを広く発信している山口和江(やまぐち かずえ)(79)さんを紹介します。 (写真1)有明少年少女合唱団に発声を指導する山口和江さん 「人生の達人」山口和江さん(79)   昭和14年、7人兄弟の四女として南島原市加津佐町で生まれ、育つ。長崎大学卒業後、中学校の音楽教師として約20年間勤める。音楽家としてソロコンサートの開催や海外でのコンサートに出演したほか、退職後は主に女性合唱団「コール島原」や有明少年少女合唱団などの指導者として精力的に活動し、音楽文化の向上に尽力している。上新丁三丁目在住。  音楽をこよなく愛し、さまざまな活動を通して音楽の素晴らしさを広く発信しているのは山口和江さんです。  「音楽は生活の中に当然のようにある身近な存在です。生きる道は音楽しかありません」と語る山口さんは、幼少のころから歌と音楽が大好きで、小学生からピアノを習い始め、音楽の魅力や素晴らしさを実感しました。それから音楽をずっと続けていきたいという強い思いを胸に、これまで自分を信じて進みたい道を歩んできたそうです。 ▼声楽の魅力  中学時代から本格的に発声練習を始めて声楽を学び、高校時代からソプラノを専門にしている山口さんにその魅力を聞くと「声楽は奥が深いものがあります。体を使った発声が基本となるので、まずはしっかりとした体づくりをすることが大切です。みんなと一緒に声を出してハーモニーを感じたり、育てることができるところに歌う人にしか味わえない喜びや楽しみがあります。また、正しい発声を身に付けて広い音域を目指し、曲の表現を豊かにすることに難しさや喜びを感じることもできます」と話してくれました。 ▼「夢をもう一度」を合言葉に  昭和52年に発足したおかあさんコーラスグループ「コール島原」。設立当初から音楽指導に携わり今年で41年目を迎えました。会員の皆さんは音楽好きで熱心な人が多く、年齢層が幅広いので曲選びが一番気を遣うそうです。  指導するうえで心がけていることを聞くと「声の出し方や末永く歌える声づくり、体を使った発声がとても大切です。興味を持ってもらえるような曲を選び、その曲にあった声になっているかなど、作曲者の意図に沿うような曲に仕上げていくことが私たちの仕事です。指導する中で皆さんが上達していく姿を見ると、今までの苦労が報われ、作り上げていく喜びを感じます」と笑顔で語る山口さん。「合唱では、みんなが同じ方向を向いて思いを一つにして曲を作り上げていくことが大切です。コール島原は毎年開催されるおかあさんコーラス九州大会をメーンに日ごろの練習に励んでいますが、過去一度経験した全国大会への出場を目標に「夢をもう一度」を合 言葉にして会員皆さんと一緒になって、頑張っています」と力強く話してくれました。 (写真)コール島原の皆さんに音楽指導する山口さん ▼未来を担う少年少女  平成12年に結成され、有明地区の小学生から高校生が所属している「有明少年少女合唱団」。設立当初から子どもたちに音楽の指導をしている山口さんは、「子どもたちからいつも元気をもらっています。熱心に協力してくれる保護者が多いので助かっています。小学2年生から団員だった若い人が成長して一緒に指導してくれるようになったことがうれしいです」と感謝の言葉を語ります。  「子どもたちは覚えが早く、動きもすごいものがあり、その能力にはいつも驚かされ、将来の可能性を感じます。音楽の楽しさや素晴らしさをいっぱい感じて、お互い影響し合って成長し、音楽を続けて行ってほしいです。そして、みんなで一緒に頑張ることでチームワークやあいさつなどの礼儀を身に付けてほしいです」と未来を担う少年少女に向けた思いを話してくれました。 (写真)有明少年少女合唱団の発表会で指揮をする山口さん ▼音楽を通して 20年前から定着し毎年4月に開催されるスプリングコンサート。「開催のキッカケは自宅でお互いの歌を聴き合ったことから始まりました」と語る山口さん。このコンサートには、歌がもっとうまくなりたいという人たちが出演しているほか、毎年、音楽を楽しみに観に来てくれるお客さんの姿も多いそうです。「スプリングコンサートには教え子やその子どもたちも参加していますので次の世代につながっていけばうれしいです。また、音楽を生きがいにして、楽しみに観に来てくれるお客さんもたくさんいて、人と人とのつながりを感じることができます。このような活動を通して、これからも音楽の魅力を発信していきたいです」と笑顔で話してくれました。