◎つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク  島原半島ジオパーク協議会(65-5540) 長崎県を代表する大地の恵み ジャガイモとジオ  長崎県は、全国2位のジャガイモの生産量を誇ります。そのうちの約75%が島原半島産ですので、長崎県のジャガイモの生産量は島原半島が支えている、と言ってもよいでしょう。  ジャガイモは、南米・ペルーにあるアンデス山脈の高地が原産で、15世紀の遺跡「マチュ・ピチュ」を築いた、インカ帝国の住民が主食にしていたと言われています。寒い地域でもよく育つため、特にヨーロッパで人々の生活を支える重要な作物として広まりました。このような、もともと寒い地域に適しているジャガイモが、なぜ温暖な島原半島でたくさん採れるのでしょうか。  ジャガイモは、葉の光合成でできたデンプンを地下の茎に蓄えたものです。そのため、良いジャガイモをつくるには日当たりの良い場所が必要です。また、土壌の水はけが悪いと、ジャガイモは生育不良を起こしてしまうため、水はけの良い土壌も必要となります。島原半島の北部および南部の扇状地の上には、主に火山噴火と土石流でもたらされた岩石や地層に由来する、水はけの良い土壌が拡がっています。  この土壌に加え、九州のような温暖な地でも育つジャガイモの品種の開発や、ジャガイモが苦手とする真夏を避け、晴天が比較的長続きする温暖な春と秋にジャガイモを栽培する、といった、自然環境を活かした農家の工夫が島原半島をジャガイモの一大産地にしています。  カレーや肉じゃがなど、私たちの食卓を彩るジャガイモは、温暖な気候と、島原半島を創り出した数百万年に及ぶ大地の営みを利用した人々がつくった恵みです。 (写真)口之津町早崎のジャガイモ畑     暖かい陽の光が土の中でおいしいジャガイモを育みます ○第26回「ジオ空(ぞら)教室」  島原半島の歴史・文化・自然、そしてそれらをつくりだしたジオの魅力を、専門家が毎回たのしく紹介します。ふるってご参加ください! ▼と き 12月15日(土)15:30〜17:00 ▼ところ しまばら湧水館(新町2-122) ▼講 師 黒田 誠(くろだ まこと)氏(しまばら湧水館スタッフ) ▼題 目 日本ジオパーク認定10周年記念ジオ空教室  〜家族で楽しもう!島原半島の大地のめぐみとなかまたち〜 ▼定 員 18人(先着順) ▼参加料 300円(当日徴収) ▼問い合わせ先 島原半島ジオパーク協議会事務局 65-5540 / info@unzen-geopark.jp (写真)しまばら湧水館の庭園風景