島原市
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平成28年度 施政方針

総務部 総務課 行政班 TEL:0957-63-1111(内線151,154) FAX:0957-64-5525 メールsomu@city.shimabara.lg.jp

平成28年度 施政方針             

 


 平成28年3月島原市議会定例会の開会に当たり、今後の市政運営についての所信並びに平成28年度当初予算の大綱など、施政方針を申し述べ、議員各位並びに市民皆様のご協力をお願い申し上げる次第であります。

 

 昨年10月に発足した第3次安倍内閣では、『1億総活躍社会』を旗印に掲げ『戦後最大のGDP600兆円』、『出生率1.8』、そして『介護離職ゼロ』の目標に向かって「新3本の矢」が放たれ、引き続き「アベノミクス」を推進し、地方創生に取り組む決意が国民に示されています。
 『地方創生』は、国全体の人口減少、東京一極集中、地域経済の停滞を踏まえ、国と地方自治体それぞれが策定した「人口ビジョン」と「総合戦略」を連携させ、縦割りと横の重複を排しながら人口減少を食い止め、地方の可能性を引き出しその活力を回復させる試みであり、まちづくり当事者の自覚と自助努力の覚悟を改めて促すものであります。
 一方、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口減少に歯止めをかけるとともに、大都市圏への過度の人口集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持することを目的とした「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、本市が抱える、人口減少の克服、地域経済の発展、活力ある地域社会の形成などの課題に一体的に取り組むため、昨年10月に「島原市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定しました。
総合戦略では、人口減少により「島原市が消滅してしまうかもしれない」、その危機感を市民全体で共有し、市民一人ひとりが自らの問題として取り組みを進めるため、島原市が誇る貴重な資源である「湧水」をブランドイメージとして位置付け、島原市の基本目標や基本的な施策の方向、具体的な施策をまとめ、「平成47年に人口4万人を維持」する目標の達成に向けて、取り組みを開始しております。
 また、人口が減少する中、活気あふれる元気な島原を取り戻すため、昨年、漫画「妖怪ウォッチ」の作者、小西紀行先生のご協力のもと、島原創生の救世主として「島原守護神しまばらん」が舞い降りました。島原市の公式キャラクターとして、積極的なPR活動を行い、地域の活性化のため、市民の皆様にも幅広く活用いただけるよう取り組んでまいります。
 私が就任以来、市民の皆様とお約束した重点分野の7つの施策を掲げ、取り組みを進めてまいります。
1つ目に、市民皆様の意見を取り入れた施策など「市民目線に立った行財政改革の推進」
2つ目に、農林水産業の支援や、ふるさと納税の取り組みと連動した地場産品の魅力発信をはじめとする「産業の振興と島原地域ブランドの確立」
3つ目に、歴史的に繋がりの深い友好都市との交流促進など「歴史と文化を活かした観光都市づくりと交流人口の拡大」
4つ目に、安心して子どもを産み育てられる「子育てにやさしいまちづくり」
5つ目に、高齢者や障害者などを思いやる「福祉の充実」
6つ目に、島原の将来を担う子どもを育てる「教育の充実」
7つ目に、船津地区の高潮対策の推進など「安全で安心して暮らせる快適なまちづくり」の実現を目指します。
 次に、地方財政についてでありますが、国の平成28年度地方財政計画の一般財源総額については、前年度を約1千億円上回る、61兆7千億円程度が確保されました。
 歳出面では、地方の重点課題への対応分として2千500億円が新規計上されるとともに、「まち・ひと・しごと創生事業費」として、前年度同額の1兆円が計上されるなど、地方が自由に使える一般財源総額を確保しつつ、地方財政の健全化を同時に進める内容とされております。
 本市の財政については、公債費の割合や将来にわたる負債の割合を表す「実質公債費比率」や「将来負担比率」など財政の健全化を示す健全化判断比率は、年々改善している一方、ここ数年「経常収支比率」の高い状況が続いており、財政構造の硬直化が進んでいるものと認識しております。
 また、将来の財政見通しといたしましては、歳入面では、一般財源で本市の基幹的収入であります市税及び地方交付税が人口減少や合併算定替特例措置の終了に伴い減少していくと予想される一方、歳出面では、扶助費と公債費の増が避けては通れない状況であり、財政状況は、今後、更に厳しさを増していくものと予想されます。
 こうした状況を踏まえ、平成28年度の予算編成の基本姿勢といたしましては、限られた一般財源の中で喫緊の課題である人口減少対策に対応するため「島原市まち・ひと・しごと創生総合戦略」に掲げた政策4分野の施策実行と市庁舎建設に向けた準備、船津地区高潮対策事業の具現化などを念頭に取り組みました。
 この結果、一般会計の当初予算総額は、継続事業で取り組んでいる汚泥再生処理センター建設事業、県営事業として取り組まれている港湾整備事業や土地区画整理事業の地元負担金、年金生活者等支援臨時福祉給付金などの増額に伴い、対前年度比1.9%増の238億600万円となり、3年連続して合併後最大規模となりました。
 歳入面では、国庫支出金や市債などの増により依存財源総額が前年度を大きく上回ったため、自主財源比率は前年度を下回りました。
 歳出面では、人件費や繰出金などは減少したものの、扶助費や投資及び出資金、普通建設事業費などが増加しました。
 また、特別会計は、国民健康保険事業が保険給付費の減などにより予算総額は、対前年度比3.2%減の83億9千33万円。温泉給湯事業は、給湯管整備事業の完了や燃料費の削減効果などにより予算総額は9千313万8千円と、前年度よりも72.1%減少しました。後期高齢者医療事業の予算総額は、対前年度比1.3%減の5億6千824万円となりすべての特別会計で減額予算となりました。
 また、現在、全国的に各種施設や道路、橋りょうなど公共施設等の老朽化対策が大きな課題となっております。本市におきましても、厳しい財政状況が続く中、今後、人口減少等により公共施設等の利用需要の変化が予想されており、早急に公共施設等全体の状況を把握し、長期的な視点をもって、更新・統廃合・長寿命化など計画的に行い、施設等の最適な配置を実現することが急務となっております。このため本市におきましても、「公共施設等総合管理計画」を平成28年度中に策定し、財政負担の軽減と平準化を図ることとしております。
今後とも、持続可能な財政運営を目指して、国、県の補助制度や合併特例債、過疎対策事業債など有利な地方債の活用を図りつつ、行政の効率化とスリム化に向けて職員一丸となって取り組んでまいりたいと存じます。

 

1 総務部門
 本年は、本市にとって決して忘れることのできないあの未曾有の大災害「雲仙・普賢岳噴火災害」から四半世紀となる25年を迎えます。6月3日には追悼式を開催するとともに、復興した島原の姿を全国にPRするため本市が誘致したNHK「のど自慢」を開催するなど、災害の伝承と今次災害で得た教訓を生かした災害に強いまちづくりを進めてまいります。
 島原市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、観光客誘致等を一元的に担う組織の設立に向け、「新観光組織体制構築・戦略策定事業」に取り組むとともに、人口減少対策として、「若者住まい支援補助金」や「子育て世帯住まい支援補助金」、「三世代ファミリー応援補助金」、「定住促進通勤支援補助金」、「若者チャレンジ事業」などを継続して実施し、若者支援・子育て支援に努めてまいります。
 行政改革については、第四次行政改革大綱に基づき平成25年度からの5年間を計画期間とする実施計画に基づいて取り組みを進めておりますが、今後も、更なる行政サービスの質の向上を目指し、引き続き適正な定員管理に努めるとともに、職員の意識改革や人材育成などに取り組みます。
 また、行政評価についても、外部の識者で構成する「行政評価委員会」などを活用しながら、民間の目線で行政の施策や運営などを評価し、事務事業評価と合わせて効率的な予算編成に反映させてまいります。
 社会保障・税番号制度、いわゆる「マイナンバー制度」については、個人番号をお知らせする「通知カード」の発送が昨年10月から、本年1月からは「個人番号カード」の発行が始まり、個人番号の利用が始まっております。平成29年7月に予定されている本格実施まで、国と連携しながら、番号制度及び手続の周知・広報に努めてまいります。
 ふるさと納税については、ポイント制の導入以降、多くの皆様にご寄付をいただいており、平成27年度は3億円を超える寄付をいただいております。平成28年度は、「楽天市場」のふるさと納税ポータルサイトへの出店や「お礼の品」のリニューアル等を行いながら、更なるふるさと納税の推進に努めてまいります。
 職員研修については、自治大学校や市町村アカデミーなど外部機関への職員の派遣を継続して実施するほか、外部講師の活用による政策法務やコンプライアンス研修をはじめ、行政実務研修等により行政や社会経済全般に関する幅広い知識を習得するための研修をより充実させ、職員の能力向上を図ってまいります。
 また、本年は、若手職員の能力養成として、民間企業へ職員を派遣し、企業職員と共に活動することで企業の「スピード感」、「時勢を掴む力」、「自ら稼ぐ力」を体感し、本市の地方創生事業等へ活かす研修にも取り組みます。
 公の施設への指定管理者制度の活用については、施設の運営に利用者の声を活かすため、「島原市施設の魅力アップ懇話会」を開催しており、今後も利用者の声をお聞きするとともに、民間のノウハウを活用しながら、サービス水準の向上を図ってまいります。
 情報セキュリティ対策については、昨年の日本年金機構における個人情報流出事案を受け、国からも情報セキュリティ対策に積極的に努めるよう要請されていることから、本市においても個人情報の流出を徹底して防止するなど、情報セキュリティ対策の徹底・強化に努めてまいります。
 地域情報化については、昨年11月、ホームページを写真や画像を活かしたページ構成にリニューアルし、情報発信に努めておりますが、フェイスブック、ツイッターなども活用し様々な手段を用いて幅広い情報発信を行ってまいります。
更に、市民の皆さまと一体となって島原の魅力を発信するため、引き続き「島原情報マイスター」の認定を行い、フェイスブック等を活用しリアルタイムな島原の情報発信に努めてまいります。
 住民自ら行う新しい地域コミュニティ組織づくりに向けた取り組みとして、昨年から先進的に取り組んでいる自治体の例を紹介するとともに、先進地への視察を実施しました。本年も、市民皆様と一緒に考えて行く機会を設けてまいります。
 総務省の「地域おこし協力隊」については、都市部の人材を新たな担い手として島原市へ受け入れ、地元に暮らす人では気づかない視点で地域資源を活用し地域を活性化しようという目的で、現在、隊員を6名採用しており、隊員がこれまでに培った技術やノウハウ等を活かし、デザインに重きを置いた各種情報発信や市の強みである農業や和ろうそくを活かした地域づくりを推進します。また、観光振興や移住・定住者の増加に向け、関係団体等と連携しながら、隊員の目線で観光客や移住・定住希望者のニーズに合った施策展開を図るなど、地域おこし協力隊の活動により、地域力の更なる向上を目指します。
 地域活性化については、昨年お披露目しました島原ふるさと創生キャラクター島原守護神「しまばらん」を活用して、地元企業や団体の皆様により、平成27年度は、バッジやキーホルダー、クッキー、名刺の台紙などを考案され、販売・使用されたほか、各種大会のプログラムや観光情報誌「アナイ」への掲載など広くPRしていただいたところであります。平成28年度も「島原ふるさと創生小西プロジェクト」を継続して実施し、新聞、雑誌、テレビ等メディアへの露出をはじめ、島原市限定として付加価値を付けた商品の開発や市内外の企業等へ更に活用していただけるよう情報発信に努めます。
 UIターンについては、古民家等特色のある建物を活用するとともに、趣味や生きがいを活かし、長年の夢を叶えられるような島原暮らしの良さを紹介しながら、インターネットなど様々な方法で全国に本市の魅力をアピールするとともに、移住者の負担を支援することにより定住人口の増加を図ります。
 「空き家バンク」については、UIターン事業と連携させながら、市内に存する空き家や宅地の情報を発信し、所有者と移住希望者のニーズのマッチングを行い、市外居住者の移住促進及び地域の活性化を図ります。
 婚活支援については、地元で頑張る若者が「ふるさと島原」に夢と希望を託せる「めぐり逢いの場」の提供や結婚・妊娠・出産・育児までの切れ目のない支援を行うための相談窓口「ハッピーカフェ」の継続などにより、少しでも少子化に歯止めをかけるための対策として様々な形で支援を行います。
 男女共同参画への取り組みについては、女性と男性が共に支え合い、意欲と能力を発揮できる社会となるよう、「第2次島原市男女共同参画計画」に基づき、国、県等の施策と連携した施策の推進や研修会の実施等により、「男女共同参画」の意識の浸透やワーク・ライフ・バランスの推進を図ってまいります。
 半島地域の振興については、昨年4月、半島振興法の法期限の10年間延長に加え、半島地域に特化した補助制度の創設や地方債制度の優遇など支援策の充実がなされたところです。引き続き、島原市、諫早市、雲仙市及び南島原市で構成する「島原半島振興対策協議会」や県及び県内半島市町で構成する「半島地域魅力発見委員会」等と連携しながら半島地域の振興に努めます。
 島原半島地域としましても関係団体との連携を強化し、地域高規格道路「島原道路」の全線早期整備や「島原・天草・長島架橋構想」の具体化に向けた取り組みなどをはじめとする地域活性化策を推進してまいります。
 地域公共交通については、日常生活の移動手段として確保・維持を図るとともに、地域活性化のために不可欠な社会基盤であることから、広域的な視点も含め、まちづくりや福祉、観光振興など地域戦略と一体的な検討を行い、利便性の向上やサービスの充実に取り組みます。
 また、基幹的な公共交通機関である島原鉄道については、最大限の自助努力の実践を前提に、鉄道事業の存続と安全性の確保に向け、関係自治体と一体となって支援を行います。
 友好都市との交流については、昨年実施した愛知県幸田町への友好親善訪問を受け、本年は、幸田町から本市へ訪問団が来島されますので、多くの市民皆様と一緒にお迎えするとともに、姉妹都市の締結を視野に入れ更なる交流促進に取り組みます。また、兄弟都市・大分県豊後高田市や姉妹都市・京都府福知山市との更なる交流促進の取り組みを図るとともに、国内や国外のジオパークとの交流促進につきましても、積極的に進めてまいります。
 市庁舎建設については、本年3月までに庁舎の基本設計を完了させ、引き続き実施設計に取り組む予定であります。市庁舎建設を進めるにあたっては、市民の皆様にとりましてより利用しやすい庁舎とするため、市議会はもとより、市民懇談会を実施するなど市民と一緒になって推進したいと考えております。
 市税などの収納については、平成26年度における現年度分収納率は市税99.0%、国保税95.5%を維持しており、ここ数年高い水準で推移しております。今後も徹底した収納対策により収納率の維持・向上に努めます。
分譲地の売却促進事業・定住促進事業については、仁田住宅団地及び安中地区分譲地を対象とし、「土地を購入した人」、「家を新築した人」、「定住した人」に助成を行い市内経済の活性化及び定住促進を図ります。
 地籍調査事業については、引き続き安中地区・白山地区を実施します。
 窓口業務におきましては、平日の早朝窓口や土日開庁により、各種証明書を交付する時間帯を拡大し、市民サービスの向上を図るとともに、「さわやかな挨拶」、「きめ細かな接客対応」に今後も取り組んでまいります。
 消費生活相談については、近年、消費者トラブルも複雑・多様化しており、公的機関を名乗った還付金詐欺や送りつけ商法といった悪質商法による被害などに巻き込まれるケースも増えています。
 今後も、消費トラブルの未然防止に向けた啓発活動の推進など、市民皆様の消費生活の安全と安心を守るための消費者行政に取り組んでまいります。

 

2 福祉保健部門 
 福祉保健分野については、健康に暮らし、安心して子育てができる環境づくりを図るため、関係団体などと連携し、必要な取り組みを推進します。
 障害者福祉対策については、障害者総合支援法による福祉サービスを総合的に実施するとともに、障害者等の自己決定を尊重し、障害者等が可能な限り身近な場所において、必要な日常生活又は社会生活を営むことができるように、関係機関と協力・連携して支援します。
 更に、4月1日のいわゆる障害者差別解消法の施行に伴い、障害者等への不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮など、法の趣旨を理解していただくよう周知に努めます。
 高齢者福祉対策については、「高齢者がいきいきと輝く街」づくりを目指し、高齢者が地域の中で健康で自立し、安心して暮らすことができるよう、健康づくり、生きがいづくりを進めるとともに、一人暮らし高齢者などの見守り体制の充実や、認知症カフェの増設など、今後増加が予想される認知症高齢者対策を推進します。
 また、在宅高齢者の介護予防や生活支援を推進するため、高齢者福祉交通機関利用助成事業、ねたきり老人等介護見舞金支給事業、ねたきり高齢者等おむつ費助成事業などを引き続き実施します。
 高齢者虐待防止対策については、人権意識の啓発や相談体制を充実し、早期発見、早期対応に取り組みます。
 10月に開催される第29回全国健康福祉祭ながさき大会「ねんりんピック長崎2016」では、本市において弓道、サッカーの2競技を実施いたします。市民皆様のご協力をいただきながら、おもてなしの心で全国からお越しの皆様をお迎えし、島原の魅力を発信します。
 低所得者対策については、引き続き「臨時福祉給付金」の支給と、更に新たに「年金生活者等支援臨時福祉給付金」の支給を行います。
 また、生活保護制度を適正に運用するとともに、受給者の就労支援を行い、自立を促進します。併せて、国の制度を活用して生活困窮者の把握、支援に取り組みます。
 児童福祉対策については、総合戦略政策4分野の1つである「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」の実現に向けて、安心して子どもを産み、育てることができるよう、子育て施策の充実を図ります。
 具体的には、保育料の国の基準からの軽減に加え、島原市独自の保育料軽減制度である「すこやか子育て支援事業」の対象となる子どもについては、小学生以下2人目以降とするとともに、子どもの医療費を助成する「福祉医療制度」についても、対象を中学生までとしており、引き続き子育て世代への支援を行ってまいります。
 また、乳幼児の育児用品代の一部を助成する「すこやか赤ちゃん支援事業」等にも取り組みながら、子育て家庭における経済的負担の軽減を図ります。
 更に、出産前後の育児・家事を支援するサポーター派遣については、これまで利用期間を出産後6か月までに限っていたものを、平成28年度から出産前2か月から出産後1年までに拡充することにより、「産前産後のママサポート事業」として実施するなど、出産から子育て期における育児に対して切れ目のない支援と、子どもたちが健やかに育つ環境づくりを支援します。
 ひとり親家庭等対策については、自立を支援するため平成28年度から児童扶養手当を増額するなど、自立の支援と生活水準の安定・向上に努めます。
医療対策については、長崎県島原病院の医師確保や診療科目の充実を、長崎大学や長崎県病院企業団などに対し、あらゆる機会を通して要望するとともに、看護師確保のため、島原市医師会看護学校の就学金基金に引き続き出資を行い、更に地元定着を図るため新たな制度の導入に向けた検討を行います。
 なお、救急医療対策については、日曜、休日の在宅当番医制や「歯科休日診療当番医制」、島原半島地域を圏域とする「病院群輪番制」を地元医師会や歯科医師会の協力をいただきながら引き続き実施します。
 小児の診療体制の確保については、島原病院の小児科勤務医の確保のため、引き続き長崎県と半島三市が協調して島原地域小児医療研究室に対し寄付を行うとともに、半島三市と医師会などとの共同による休日診療事業を実施します。
 国民健康保険事業については、高齢化の進展や医療技術の高度化等に伴い医療費が増加傾向にあります。
 国民皆保険制度を支える国民健康保険の財政安定化のため、効率的で適正な事業運営に努め、収納率向上へ向けた収納対策にも積極的に取り組みます。
 また、平成28年度から新たに20歳から39歳までの全年齢を対象とした「若年者健診」を実施し、早い段階から生活習慣病予防に取り組むことで特定健康診査の受診率向上につなげ、医療費の適正化を図ってまいります。
 しかしながら、国保税の増収が見込めない状況にあり、大変厳しい財政運営が続いていることから、平成28年度予算編成においても、一般会計からの繰り入れを行い、国保財政調整基金に積み立て、財源不足に備える予定としております。
 市民皆様の健康づくりについては、健康増進計画及び食育推進計画に基づき、健康づくり推進員、食生活改善推進員協議会をはじめ、関係団体と連携して、市民との協働により推進するとともに、市民の自発的な取り組みを支援するため、「いきいき健康ポイント事業」を実施します。
 また、各種がん検診や人間ドック、高齢者の介護予防事業などの健康増進事業にも引き続き取り組んでまいります。
 母子保健事業については、妊婦から乳幼児の健康診査や相談・指導の他、むし歯予防のための「フッ素塗布事業」・「フッ化物洗口事業」に取り組んでまいります。
 予防接種事業については、定期予防接種をはじめ、乳幼児・児童に対するインフルエンザ予防接種の助成を実施します。
 更に人口減少対策と「とことん子育てにやさしい街」づくりを目指し、子どもに恵まれないご夫婦が子どもを授かり、子育ての幸せを実感していただくため、特定不妊治療費及び不育治療費の助成事業を引き続き実施します。

 

3 環境部門
 環境分野については、環境問題への関心が高まる中、環境保全に対する市民の意識は向上していますが、環境改善活動を促進するためには、官民協働による取り組みが求められます。
 環境保全については、市民や事業所等とも連携しながら地球温暖化対策に取り組むとともに、夏季及び冬季の節電対策を実施して省エネの推進を図ってまいります。
 また、河川等の水質浄化対策を行うほか、出前講座等を通じて小・中学生を対象とした環境教育の推進にも取り組むとともに、「島原半島窒素負荷低減計画」に係る飲用井戸水の水質検査及び地下水の湧水量調査を実施するほか、野犬捕獲や不法投棄防止の周知等を通じて生活環境の向上を図ります。
 「しまばら斎場」については、供用開始後11年を経過し、施設の長寿命化を図るため設備の改修工事等を計画的に実施してまいります。
 廃棄物処理については、可燃ごみの排出量は、緩やかに減少しておりますが、更なるごみ減量化を推進するため、生ごみ堆肥化講習会を引き続き実施するほか、保育園や小学校などで実施している生ごみ堆肥化による野菜づくりを更に拡充し、生ごみの減量化、意識改革に取り組みたいと考えています。
 不燃ごみ・資源ごみについては、リサイクルできるものは資源化しており、更なる周知に努め、再資源化の向上を図ります。
 し尿処理については、浄化苑の老朽化に伴い、平成26年度から3か年の計画で、市全域のし尿を処理する「汚泥再生処理センター」の建設を、平成29年3月完成に向け、進めているところであります。 

 

4 農林水産部門
 農林水産業については、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の大筋合意を受け、大きな転換期を迎えております。
 農業については、県下随一の農業地帯である強みを活かし、日本一豊かな産地を目指すため、経営基盤の強化を重点施策として捉え、国・県の制度や補助事業などを積極的に活用し、近代的な農業用施設や農業用機械の導入、園芸施設の長寿命化により、農作業の省力化や経営規模の拡大、生産コストの削減を進めるとともに、農地のほ場整備を行い、生産基盤の整備を推進し、「儲かる農業」を目指します。
 担い手対策については、青年の新規就農者の増大や地域の担い手への農地集積などの土台となる「人・農地プラン」の充実を図り、農地の中間的受け皿となる農地中間管理機構の活用により、担い手への農地集積・集約化を進めてまいります。
 また、青年の新規就農者に対する給付金などの助成により、就農意欲の喚起を図るとともに、県と連携して就農希望者の市内での農業研修に対し支援を行うことにより、UIターン等の若者の就農定着に努めてまいります。
 併せて、担い手農家の規模拡大に必要な労働力を安定的に確保するため、労力支援システムの強化と円滑な運営に向けた支援を行い、強い経営力を持った担い手の育成と産地の維持・拡大に取り組みます。
更に、市内高等学校の生徒による地元の農産物等を用いた商品開発について支援を行い、その取り組みを全国にPRするとともに商品化を促進し、雇用の創出へと繋げます。
 有害鳥獣であるイノシシによる農作物被害については、進入防止柵を設置するとともに捕獲のための箱ワナを設置するなど、被害の減少を図ります。
 畜産関係については、「第10回全国和牛能力共進会」で日本一の栄誉に輝いた「長崎和牛」の規模拡大や品質向上に努め、ブランド力の向上と経営の安定を図ります。また、家畜伝染病である口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザ、豚流行性下痢(PED)等の発生防止に取り組みます。
耕地関係については、県営事業による三会原第3地区や宇土山地区の基盤整備事業の円滑な推進を支援するとともに、新規事業である三会原第4地区の事業着手と、大三東地区の新規採択に向け取り組みます。
 農地等の地域資源の維持・継承については、農業用用排水路や農道の改修、ため池の維持管理に努めるとともに「多面的機能支払交付金制度」を活用し、環境保全活動や農用地内の水路や農道の長寿命化のための補修・改修工事を実施してまいります。
林業関係については、防災機能や自然景観保全などの公益的機能を有する松林を守るため、湊島や有明町水之出口地区などの松くい虫防除及び被害対策を引き続き実施します。
 水産関係については、水産資源の減少や販売単価の低迷、更には漁業者の減少や高齢化が進んでおりますので、引き続き漁業を支援する取り組みが必要であります。
まずは有明海において魚介類の産卵場や生育の場となる藻場の再生や水産資源生態系にとって重要な役割を担う干潟についても、水産多面的機能発揮事業を活用した干潟耕耘やアサリの放流などを実施し、漁場環境の保全に努めます。
更に、有明海栽培漁業推進協議会などと連携を図り、地域特性にあったヒラメやカサゴ、ガザミ、クルマエビなどの種苗放流を継続してまいります。
 養殖漁業については、トラフグや放流稚魚の中間育成、ノリ、ワカメ、コンブなどの品質や生産性の向上を目指し、種苗生産技術の研修会や新たな加工品の研究開発、ジオアワビの養殖についても、生産量の増大に向け引き続き関係団体とともに取り組みます。
 また、担い手、後継者の育成・確保を図るため、県の事業を活用し新規漁業就業者の増大を図ります。
  漁港海岸の高潮対策として平成28年度も三会漁港において消波ブロックの製作や設置に取り組みます。
 また、漁業基地である湯江漁港、大三東漁港、猛島漁港の水域調査など、漁港の施設機能保全診断を行います。

 

5 商工観光部門
 商工・物産及び観光の振興については、「しまばら」が有する「人・もの・歴史」といった素晴らしい地域固有の資源をより一層磨き上げ、若者の定住化と交流を推進する「しまばらまるごとブランド化」を念頭に、各施策に取り組みます。
 商工業については、地域経済と市民の雇用を支えてきた産業であり、商工会議所、商工会などの関係機関と連携のもと、経営基盤の強化に努めてまいります。
 本市経済の発展は、新たな企業の立地や既存地場企業の活力増大が大きな原動力になることから、企業立地促進・雇用創出事業を更に推進し、とりわけ地元農林水産物を加工する食品製造業を中心とする地場産業への新たな設備投資と新規雇用に対して支援を行い、産業の振興と雇用の創出を図ります。
 企業活力の活発化のためには、地域の開業数を増加し、雇用を生み出し、産業の新陳代謝を進めていくことが重要です。そのため、創業を志す人たちのためのワンストップ相談窓口である「しまばら創業サポートセンター」を活用し、創業支援を行ってまいります。また、廃業を余儀なくされようとしている事業所と事業基盤の無い創業希望者をマッチングし、中小企業の事業承継を支援し、産業の健全な持続を図ります。
 雇用の維持と安定、促進については、市内に居住する新規学卒者を雇用した市内事業所を支援する「雇用拡大支援事業」を実施するとともに、新たに、正規雇用を促進し、安定的な雇用の確保を目的とする、トライアル雇用応援事業を設け、新規雇用の拡大と処遇改善に努めてまいります。
 また、高年齢者の生きがいと積極的な社会参加のため、「島原市シルバー人材センター」の円滑な事業運営や新規会員の増加に向けた支援を行います。
 中心市街地商店街の活性化対策については、空き店舗の提供や開業に至るまでの経営指導を行うチャレンジショップの支援などの、「商店街再生事業」を実施し、街の元気と賑わいを創出します。
 金融面については、島原市中小企業振興資金や国・県の融資制度の利用促進を図るとともに、事業資金調達の支援のための「島原市中小企業振興利子補給事業」を実施します。
 本市特有の地域資源を活用した産業化については、国の「地域経済循環創造事業」を活用し、ひとつに製薬メーカーを誘致し、地域の気候や栽培に適した島原ならではの薬草に加え、薬効があるといわれている野菜などを用いて新たなサプリメント等を製造販売する、島原薬草「産学金官」連携プロジェクト事業を実施します。
 また、雲仙市と南島原市の協力を得て運営する、イノシシ食肉加工処理施設については、稼働率や新たな商材であるジビエ(狩猟肉)の大手商社等への流通拡大も順調に推移しており、今後、市内食品製造加工事業者と連携した新たな商品化にもチャレンジしてまいります。
 しまばらの物産流通については、これまで取り組んできた本市産品の知名度の向上、新商品の開発、販路の拡大の3本柱を基本に、加えて事業者及び生産者の営業力の強化を図ることで、更なる事業の展開を推進します。
 本市産品の知名度の向上については、島原市特産品認定制度において認定した商品を中心に、観光交流センター「清流亭」での展示・販売をはじめ、大手百貨店などにおいて物産展を開催し、産品の魅力を積極的に発信し知名度の向上を図るとともに、店舗における継続的な島原コーナーの設置・商品の常備化に向け取り組みます。
 新商品の開発については、「島原市特産品創出事業」を推進し、優れた商品を大手百貨店との取引までプロデュースするとともに、商品のPRを行ってまいります。
 販路の拡大については、更なる営業力の強化を図るため、大手百貨店バイヤーによる物産流通セミナーの開催により市内事業者や生産者のスキルアップを図るとともに、各地で開催されるバイヤー商談会などに事業者や生産者の方とともに積極的に参加し、流通事業者との信頼関係構築を目指します。
更に、海外販路開拓支援事業に取り組み、地域経済を支える生産者・中小企業等の海外エキシビションへの出展支援を行い、関係機関と協働した販路開拓に取り組んでまいります。
 観光については、本市特有の財産である湧水や温泉など豊かな自然の恵みと島原城や武家屋敷、松平七万石の歴史を活用した観光の推進を図ります。
また、本市の観光事業を一元的に運営する組織の設立に向け、観光関係団体等との協議を進めており、観光施設の運営をはじめ観光PRや誘致活動、イベントの開催等を効果的・効率的に実施できる体制づくりに努めます。
 鯉の泳ぐまち周辺は、観光交流センター「清流亭」や湧水庭園「四明荘」、しまばら湧水館など湧水スポットの散策を楽しむ観光客が増加傾向にあります。本年3月には、地域住民皆様のご理解のもと周辺の交通規制を見直したところであり、今後も、更に鯉の泳ぐまちを中心とした湧水めぐりを充実させ、本市における滞在時間の延長、交流人口の増加を図ります。
 また、島原城は西暦1618年の築城開始から、間もなく400周年を迎えます。島原城や武家屋敷周辺などの貴重な歴史的資源の適切な維持保全に努めるとともに、築城400周年記念事業の実施に向け、市民皆様のご意見を賜りながら具体的な事業計画を策定してまいります。
 ジオパークについては、全国55地域で日本ジオパークネットワークを構成しており、このうち本地域を含む8地域がユネスコ世界ジオパークに認定されております。
 昨年11月には、世界ジオパークネットワークの活動がユネスコの正式事業として位置付けられたことから、更なる知名度の向上が期待されます。また、本年は日本ジオパークの再認定を迎える節目の年であり、平成29年度の世界ジオパークの再認定に向け、島原半島三市が協働するとともに、国や県との連携、国内外ジオパークとの協力や研鑽を重ねながら、島原半島ジオパークを観光・教育資源として活用し、持続的な地域経済の発展に結び付けていきます。
 加えて、健康志向で楽しく歩き回ることができるジオパークの実現に向け、外国からの誘客も注目されている「九州オルレコース」の認定を目指して取り組みを進めます。
 観光誘致対策については、島原を象徴する湧水や歴史、古民家等を活かした体験型観光の推進に取り組むとともに、観光誘致プランナーを中心として、観光関係団体と連携しながら修学旅行や外国人旅行客の増加へ向けて積極的な誘致活動に努めます。
 観光客の受け入れ態勢については、観光客に満足していただけるような「おもてなし」の機運醸成を図るとともに、島原城七万石武将隊によるお出迎えをはじめ島原観光ボランティアガイドの活動促進、熊本港ターミナルビルや観光ガイド大手門番など観光案内所の充実を図ります。
 また平成28年度は、JRグループの国内最大級の観光キャンペーンであります「長崎デスティネーションキャンペーン」や「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界遺産登録を目指した取り組みなど、県を挙げた事業が行われる中、本市においても新たな観光素材の発掘とともに市ホームページやSNSなど多様な手法で島原の魅力発信に努めます。
 広域的な観光連携については、島原半島観光連盟をはじめ雲仙天草観光圏協議会、有明・島原地域観光連携会議などにおいて、各々の魅力・資源を活用した観光ルートづくりなどにより、誘致促進と交流人口の拡大に努めます。
 スポーツ・キャンプやコンベンションの誘致については、市のスポーツ施設などを活用した各種スポーツのキャンプ、大会の開催に向け、引き続き誘致活動を行うとともに、2020年開催の東京オリンピックにおける海外からのキャンプ誘致に向けて、積極的に取り組みます。
 各種イベントについては、これから100年もの長きにわたり続いていくような、参加する人も見る人も楽しめ、活力を与え、観光客の誘致に繋がる本市独自のまつりを目指して、本市の歴史や文化、伝統を継承しつつ新たな企画にも挑戦してまいります。
 温泉給湯事業については、平成26年度から2か年で実施したヒートポンプ導入による加温設備の更新と給湯管の布設替えの完了に伴い、今後は事業の実証を行いつつ温泉の安定供給と温泉事業の効率的な運営に努めます。

 

6 建設部門
 活力ある地域づくりと安全で快適なまちづくりのためには、生活環境の整備促進や産業基盤としての幹線道路の整備は必要不可欠であります。
その中でも、地域高規格道路「島原道路」の出平町から有明町間の延長約3キロメートルについては、国土交通省や長崎県と連携を図り、早期完成に向け積極的に推進してまいります。
 また、未着手区間の有明町から雲仙市吾妻町間についても、長崎県や関係自治体と連携しながら早期事業化に努めます。
 国道、県道については、都市へのアクセス道路であると同時に児童・生徒の通学路としても利用されることから、歩道等の交通安全施設の整備を今後も国、県へ要望してまいります。
 市道については、道路の改良や舗装などを実施するとともに、老朽化した橋りょうの調査や道路照明等の修繕工事などを進めます。
 船津地区の恒久的な高潮対策については、県営事業である高潮堤防の早期着手に向けて密接な連携を図るとともに、排水ポンプ場の整備に係わる業務を鋭意進めてまいります。
 また、地元から要望の強かった緊急車輌が通れる防災道路の整備については、早期の事業着手に向けて取り組んでまいります。広馬場下内海の埋め立てについても、利活用検討委員会を立ち上げ、地域の振興に寄与するよう関係団体等と協議しながら進めてまいります。
 公営住宅については、良好な住環境の整備を図るため、計画的な改修を行い、適切な維持管理に努めます。
 建築物の安全性の確保については、建築基準法の適正な運用の実施とともに、CO2削減に配慮された低炭素建築物及び長期優良住宅の新築・増築・改築の認定業務などを推進します。
 また、住宅・建築物の耐震性向上を図るため、民間の戸建て木造住宅の耐震診断、耐震改修計画の作成及び耐震改修工事に要する費用の助成を行うとともに、不特定多数の方などが利用する建築物の耐震化を促進します。
 更に、住宅の省エネルギー化、バリアフリー化、防災化及び長寿命化への改修や修繕などのリフォーム工事に要する費用の助成を引き続き行います。
 空き家対策については、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、適切な管理を図ってまいります。
 なお、老朽危険空き家については、除却費の補助を行い、住環境の保全に努めます。
 都市計画については、市民の皆様のご意見をお聴きしながら、都市計画区域及び用途地域、風致地区などの見直し作業を行います。
 都市計画道路については、地域からの要望が強い「霊南山ノ神線」の整備を計画的に進めるとともに、「親和町湊広場線」と「安徳新山線」についても地元説明や測量、設計を行い、事業化に向け取り組みます。また、県営事業であります「都市計画道路新山本町線」についても県と一体となり事業促進に努めます。
 景観については、島原城を中心とした城下町の景観や湊町の情景、豊かな湧水などは島原市特有の財産であり、大切に保全していく必要があります。そのため、武家屋敷地区における景観計画区域において、美しく歴史ある街なみの形成・保全に努めるとともに、街なみ環境整備事業によるまちづくりに住民と協働で取り組みます。
 また、島原城築城400周年に向け、お堀周辺の魅力をアップするための電線地中化や歩道の改修など、事業化の可能性についても併せて検討してまいります。
 水無川、中尾川などの砂防指定地内の利活用については、市民の皆様との協働による推進を図り、ジオを体感できる「ウォーキング・ランニングコース」などを整備するとともに、花や木などを活かして多くの人が訪れる場所となるよう取り組んでまいります。
 生活排水対策については、「島原市生活排水処理基本計画」による浄化槽整備を推進するとともに、効率的な汚水処理対策を念頭に、国の制度や財政措置の状況を見極めながら、下水道計画の見直しについても引き続き取り組んでまいります。

 

7 消防防災部門
 防災対策については、防災関係機関と市民が一体となり、「災害に強い人づくり・まちづくり」を推進し、自助・共助・公助の連携をはかり、地域防災力の向上に必要な子どもから高齢者までお互いに顔が見え、声を掛け合え、支えあうしっかりとした絆の強い街づくりを引き続き進めてまいります。
 今年は、雲仙普賢岳噴火災害から25年を迎える節目の年であり、火山噴火災害はもとより、風水害・地震、津波など各種災害に対する防災意識の高揚や防災力向上に努め、災害に強い島原市の実現を目指します。
 特に、雲仙普賢岳の山頂には、今もなお大量の堆積物が溶岩ドームとして不安定な状態で存在し、崩壊による被害が懸念されることから、国土交通省雲仙復興事務所による砂防堰堤の嵩上げ工事が実施されており、今後もハード面の対策と併せ、雲仙復興事務所や九州大学地震火山観測研究センターなど防災関係機関と連携を図り、監視・観測体制を強化し避難対策などソフト面の対策に努めます。
 また、本市の防災対策をより効果的に推進するため、島原市地域防災計画に基づき防災意識の高揚を図るとともに、市民皆様や観光客など来島されている皆様の安全確保を図るため、全国でもいち速く地域FMを活用した防災ラジオや、戸別受信機、屋外スピーカーと文字戸別受信機やメール、ケーブルテレビなど、音声と文字を同時に放送可能とした防災行政無線からの情報伝達の活用や、災害ごとの避難場所、避難所等の周知徹底に努めます。
 平成28年度の防災避難訓練については、三会・杉谷地区を対象に実施し、防災関係機関との連携・役割の確認を行い、万一災害が発生した場合に備えます。
 地域防災において重要課題である自主防災組織の育成については、継続して自主防災ごとの地域防災マップを作成することで防災意識の高揚に努めるとともに、安中地区で開催された自主防災会主導の避難訓練・初期消火訓練など自発的防災活動の更なる拡大・促進を図り、自主防災会リーダー育成を目的とした研修会などを開催して、積極的に取り組みます。
 消防の体制については、常備消防との連携を図りながら、各種訓練を通して、消防団員の資質と機動力の向上に努めるとともに、消防団第2分団格納庫の建設や消火栓の増設など、消防施設の整備拡充を図ります。
 また、消防団員の確保に向けては、消防団後援会との連携・協力を図るとともに、事業所等の理解を得ながら積極的に取り組みます。

 

8 教育部門
 教育は、郷土や国の将来を左右する最優先の政策課題の一つであり、郷土の発展を担う誇りと責任を自覚し、国際社会でも活躍できる心豊かでたくましく生き抜く力を身につけた人材を育成していくことが大事であると考えています。
 今後とも、噴火災害復興の体験から学んだ「生命(いのち)・きずな・感謝の心」の精神を引き継ぎ、学校・家庭・地域の教育力を結集して、心豊かで活力ある生涯学習社会の構築と広い視野に立った施策の推進に努めます。
 学校教育については、確かな学力、豊かな心、健やかな体の育成及び、グローバル化や情報化などへの対応が求められる現代社会において、保護者や地域との連携を一層深めながら、たくましく生き抜くための知・徳・体の調和のとれた児童生徒の育成を目指した教育活動に積極的に取り組む必要があります。
 具体的には、児童生徒に確かな学力を身につけさせる教育活動を推進するために、学習規律の徹底、「話すこと」「書くこと」を意識して取り入れた日々の授業づくり、習熟度別学習を積極的に取り入れた少人数授業など、きめ細かな指導を充実させます。更に、平成26年度から児童生徒の学力把握の検証軸として市独自の学力調査を導入し、平成27年度は、国・県の学力調査と併せ、小学校1年生を除く全ての学年で学力調査を実施し、学力向上対策の充実を図ってきました。
 平成28年度は、この3年間取り組んできた、学力向上対策事業の成果と課題を検証する節目の年となります。
 また、学校教育以外の分野においても児童生徒の学力向上の一環として、小学生を対象に地域の人材を活用して家庭学習の習慣を身につけさせるため、「スクールキッズ」事業を市内の4地区から全ての地区に拡大するとともに、放課後の自主的な学習習慣を身につけさせるため、「放課後子ども学習室」を小中学校10校から全ての小中学校に拡大して実施します。
 児童生徒の豊かな心を育てるために、道徳教育の一層の推進を図ります。また、全ての小中学校に配置している学校司書と連携して、読書環境づくりや本の紹介などの図書館運営を更に充実させ、児童生徒の読書量の増加につなげ感性を育む読書活動を推進します。
 いじめ・不登校問題については、年3回のいじめアンケート調査の実施をはじめ、小学校2校と全中学校へのスクールカウンセラーの配置や全中学校への心の教室相談員の配置に加え、スクールソーシャルワーカーの有効活用を図ることで、関係機関と連携し、相談業務の充実を図りながら、早期発見、早期対応、未然防止に努めます。
 国際化への対応については、平成28年度も外国語指導助手4名を中学校に配置し英語科の授業の充実を図り、外国語を通じたコミュニケーション能力の基礎を養います。併せて、定期的に小学校へ派遣し、外国語を通じて言語や文化について体験的に理解を深めるとともに、コミュニケーション能力の素地を養います。
 特別支援教育については、引き続き子どもと保護者の気持ちに寄り添った就学相談の実施と校内支援体制の充実を図ります。
 児童生徒の健やかな体を育成するために、学校体育においては学習指導要領に則り、学校の教育活動全体を通して体力の向上及び心身の健康の保持増進に取り組むとともに、特別活動などにおいても、それぞれの特性に応じて適切に行います。更に、日常生活においても健康で安全な活力ある生活を営むための基礎を培わせるよう努めます。
 学校給食については、食に関する正しい知識や望ましい食習慣を身につけることができるよう食育を推進し、学校給食の充実に努めます。
 小中学校の施設整備については、年次計画により整備を図っており、校舎・体育館などの建物の耐震補強工事及び体育館の非構造部材の耐震化工事は、平成27年度までに、長崎県下の市としては最も早く全ての小中学校において完了しております。平成28年度は、危険性、緊急性、必要性等を考慮し、  小中学校消防設備の機器更新、第一小学校旧校舎普通教室床張替工事及び第二小学校プール濾過機取替工事等を実施いたします。
 小学校校庭の芝生化については、第四小学校及び三会小学校において実施しており、地域における多世代交流の場としての活用を図り、絆づくりと活力あるコミュニティづくりを目指します。
 社会教育については、生涯学習の拠点としての公民館活動の推進、社会教育関係団体の育成を通して、強い絆と豊かな心で結ばれた地域づくりに努めます。
 また、学校、家庭、地域が一体となって、「地域ぐるみの子育て」を目的とした「島原市ココロねっこ運動」の更なる展開を図ります。
 社会教育施設については、大規模な災害が発生した場合に地域住民の主要避難所となる公民館において、県の再生可能エネルギー等導入推進基金事業を活用し、太陽光発電設備及び蓄電池を平成27年度は安中公民館に設置しており、平成28年度は白山公民館に設置します。
文化財については、旧島原藩主松平家の貴重な古文書を多数所蔵する松平文庫の整理保存・活用に取り組むとともに、旧島原藩薬園跡整備事業、伝統的建 造物群保存対策事業などを通して、本市の歴史を伝える文化財の保護と活用に努めます。
 また、島原城が県の史跡指定を受けたことに伴い、文化財保護に関する整備計画の策定に向け取り組みます。
 更に、旧島原藩主松平家墓所がある愛知県幸田町の深溝(ふこうず)本光寺が、平成26年度に国の史跡指定を受けられており、同じ菩提寺である島原本光寺についても松平家墓所に関する調査を引き続き行い、文化財としての価値を高めます。
 また、幸田町とは、平成26年度に「歴史と文化の友好交流の推進に関する協定」を締結しており、今後は姉妹都市の締結を視野に入れながら更に交流を深めるとともに、民間団体における歴史・文化交流の一層の推進に努めます。
 文化振興については、自主文化事業、美術展、音楽祭、文化講座などを開催するとともに、各種文化団体との連携を図りながら地域文化の活性化に努めます。
 生涯スポーツについては、平成28年度にスポーツ振興計画を策定するとともに、子どもから高齢者までのスポーツを通じた人づくり・地域づくりを推進するため、総合型スポーツクラブの充実に努めます。また、いつでも、どこでも、気軽にスポーツに親しむことができるように市民体育祭をはじめ、各種スポーツ大会を開催することで、ライフステージに応じたスポーツ活動の場の提供に努めます。
 なお、平成28年度は、日本体育大学と締結した「体育・スポーツ振興に関する協定書」に基づき、同大学に依頼して創作する健康体操を「しまばら健康体操(仮称)」として普及することで、市民皆様の健康づくりに努めます。
 ジュニアスポーツについては、「夢の教室公演事業」や小中学生を日本体育大学に派遣する「ジュニアスポーツ振興事業」を通して、将来に向かって「夢・憧れ・志」を持つことの大切さを学ぶ機会を提供することで情操教育の充実と競技力向上に努めます。
 スポーツを活用した地域活性化については、交流人口の拡大が欠かせないものであるため、冬の風物詩として定着した「平成新山島原学生駅伝」を開催することにより、島原を県内外へアピールすることに努めます。また、本市のスポーツ施設は県内でも有数の充実した施設であり、国体という全国規模の大会を開催した実績を生かし、全国・九州大会、スポーツ合宿等の誘致活動に努めます。

 

9 水道部門
 水道事業の使命は、市民生活に不可欠なライフラインの担い手として、安全な水を安定して供給することにあります。本市の特徴である100%天然地下水の水道水を安定供給するため、「島原市水道事業基本計画」に基づき老朽化や耐震化対策として施設更新などの事業を推進します。
 平成28年度では、引き続き「油堀・長貫簡易水道事業」の上水道への統合と民営水道への給水区域拡張事業並びに三会水系の取水から配水システムの再構築のための事業を進めます。
 経営面については、平成28年5月の水道検針から毎月検針を2か月に1回の隔月検針へ移行し、検針に係る経費の削減に努めてまいります。今後、更に増加していく老朽化施設等の更新に的確に対応するため、事業の効率性と合理性を一層確保できるよう健全な事業経営に鋭意取り組んでまいります。

 以上、平成28年度における各部門の主要な施策について、申し述べてまいりました。
 「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の冒頭文で、島原の若者達が、こう言っています。
 「これからの世代にも島原を生きてもらうために自分たちに何ができるのか。」
 「残された時間は多くありません。島原のことを皆で考える機会は、今しかありません。」
 私もそう思います。
 厳しい財政状況ではありますが、それらを成し遂げるために、総合戦略に掲げる4つの政策に取り組みます。
 「しごとをつくり、安心して働けるようにする」
 「新しいひとの流れをつくる」
 「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」
 「時代に合った地域をつくり、安心なくらしを守る」
 私は、市長として、これらに全身全霊を傾注し、人口減少の克服をはじめ、地方創生に全力で取り組んでまいります。
 議員各位並びに市民皆様におかれましては、地方創生をはじめ、市政の推進に一層のご支援とご協力をお願い申し上げます。

 

 

    平成28年3月2日
                   島原市長 古川 隆三郎

 


 


 

 

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