◎ふるさと再発見 〇縄文時代の島原 前編(約7000年前〜5000年前)  島原半島で人の営みが確認されるのは、旧石器時代(約3万年前)のことです。雲仙市にある百花台遺跡やその周辺からは、この時代の人々の生活の痕跡が見つかっています。この時代の人々は、石を割って刃物などの道具(石器)を作り、狩猟を行いながら、移動して生活をしていたと考えられます。  人々が土器を作りはじめたのは縄文時代のことです。縄文時代は、今から1万3000年前〜2300年前まで、約1万年にも及ぶ長い時代を指します。  人々は縄文時代を通じて、徐々に洞穴や竪穴式住居などに定住し、シカやイノシシを狩猟したり、木の実などを採集したりする生活を送るようになっていきました。また、住居が数軒集まった集落も出現していきました。  この時代の特徴とも言える縄文土器は、木の実を煮るなどの調理に用いられたと考えられています。  島原市内の遺跡でも、縄文時代早期(約7000年前)から生活の痕跡が確認できます。  一野遺跡(有明町大三東甲)からは、貝殻を使って文様をつけた円筒形の土器が出土しています。下油堀遺跡(油堀町)からは南九州にルーツを持つ土器が出土しており、遠方との交流があったことをうかがわせます。  また、土器の表面にイボイボ模様や山形文様をつけた押型文土器も多く用いられており、長貫A遺跡(長貫町・油堀町)などで出土しています。  平成28年度に行った下油堀遺跡や令和元年度に行った長貫A遺跡の発掘調査では、動物を捕らえるための落とし穴も見つかりました。  有明総合文化会館内の大野原遺跡展示館では、このような特徴ある土器を間近に見ることができます。遥か昔の人々の営みに触れてみてはいかがでしょうか? ▼問い合わせ先 社会教育課(内線654) (写真)大野原遺跡展示館の土器(有明総合文化会館内) ◎地域おこし協力隊コラム 協力隊 なんしよっと? 地域おこし協力隊 中尾 祐成  島原市の文化財の情報発信を行っていますが、この度、文化財のガイドパンフレット第一弾が完成しました。タイトルは「かるちゃー食(しょっく)!」です!島原の文化財とその周辺の飲食店を紹介しています。  私も島原市に来る前は、文化財と聞くと「島原城」や「四明荘」などの有名なものしか思い浮かびませんでした。しかし、探してみると山のようにある文化財!なんと国・県・市に指定・登録されている文化財は100件近くあります。  「かるちゃー食!」には、文化財を楽しみ、島原の歴史・文化を再発見していただけたらという思いを込めています。また、文化財の近くには隠れたおいしいカフェ、ランチスポットがたくさんあります。このようなスポットに寄り道しながら散策してみると、一味違った魅力に出会えるかもしれません。  今回の第一弾では、国指定史跡の旧島原藩薬園跡にスポットを当てて紹介しました。この薬園は当初、島原城内の「済衆館」の薬園が起源で、その後、現在の場所へと移りました。水の確保に利用された溜池などの遺構が現在も残っている貴重な史跡です。  旧島原藩薬園跡の魅力を詰め込んだ「かるちゃー食!」を多くの方に見ていただいて、行ってみたい!見てみたい!と興味をもっていただけたら嬉しいです。  今後も第2弾、第3弾と作っていくので、ぜひ楽しみにお待ちください。 ▼問い合わせ先 社会教育課(内線654) (写真)旧島原藩薬園跡を紹介する中尾隊員 (写真)「かるちゃー食!」第1弾