◎ふるさと再発見 〇縄文時代の島原 後編(約4000年前〜約3000年前)  歴史の教科書に掲載される縄文後期〜晩期の遺跡の一つとして、東京都の国史跡大森貝塚があげられます。大森貝塚は、明治時代のお雇い外国人のモースらによって発掘調査されました。  縄文後期の九州では九州最大級の貝塚である熊本市の国史跡御領貝塚から出土したものとよく似た黒褐色の磨き上げられた土器が使用されるようになりました。この土器が九州各地で使用される以前は、縄文を一部磨り消した土器が九州各地で使用されていました。それらの土器は有明町大三東戊の土器製作跡を確認している大野原遺跡や有明町大三東乙の竪穴住居群や土偶を確認している小原下遺跡などからも出土します。  このように同じ特徴を持つ土器がよく出土する九州の広い地域では、共通の文化を持っていたと考えられています。  島原市の縄文晩期の代表的な遺跡は、礫石原町の礫石原遺跡があげられます。この遺跡からは、扁平打製石斧という農耕具や雑穀等の圧痕のある土器を確認しています。縄文晩期後半〜縄文晩期終末(弥生早期)には、唐津市の国史跡菜畑遺跡等でみられる水稲耕作の前段階となるような畑作があった可能性が考えられます。 ▼問い合わせ先 社会教育課 【参考文献】『島原市の文化財〜今伝えたい島原の文化財』 (写真)縄文人の土器製作風景(想像図)【大野原遺跡展示館】 ◎地域おこし協力隊コラム 協力隊 なんしよっと? 地域おこし協力隊 綾部 美奈子(あやべ みなこ)  島原の夜は星がきれいに見えますね。満月もくっきりまん丸に。そういえば満月は、なんだか島原名物かんざらしに似ていませんか。白くて、ころんと丸くて。お月見しながらかんざらしを食べるのが島原の風習の一つになればいいなぁと、昨年11月に湧水亭で、ゆったりとお月見をしながらかんざらしを頂く「お月見とかんざらし」イベントを行いました。  夜空にぷかりと浮かぶ月、実は月は私たちの暮らしとつながりがあることはご存じでしょうか。有明海の大きな潮の満ち引きは月の引力によるものですし、そして私たち生物も月のリズムに作用されると考えられます。例えば出産は満月時に多いと言われているように、私たちの体のリズムは月の満ち欠けと深い関係があるのです。月を意識することや月光浴をすることは、体と心のリズムを整えるきっかけになることを、かんざらしを頂きながらお話をさせていただきました。予想以上に月のお話に興味を持っていただいた事がとても嬉しかったです。  今後も島原名物を楽しみながらこのまちで健やかに生きることについて語り合える、そんな機会を作っていきたいと思います。さて今夜はどんなお月さんでしょうか。 ▼問い合わせ先 政策企画課 (写真)イベントで月の話をする綾部隊員