◎つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク  島原半島ジオパーク協議会(65-5540) 景色の中に見える奈良時代 〜土黒(ひじくろ)の条里跡(じょうりあと)〜  今から1300年ほど前の飛鳥時代から奈良時代にかけて、日本には律令制度が導入され、全国を統一する国家が誕生しました。  国を支えるうえで安定した税収は必要不可欠であったことから、人々は戸籍に登録されるとともに、6歳以上の男女に田畑が与えられ、そこから得られる稲の一部や地方の特産品、麻布を納めることが命ぜられました(「班田収授法(はんでんしゅうじゅのほう)」)。この時、人々に割り当てられた田畑が口分田(くぶんでん)です。  口分田は田畑を一町(109m)単位で格子状に分けたもので、縦方向は「一条、二条…」、横方向は「一里、二里…」と呼ばれました。このように、口分田を格子状に区分して管理する制度を条里制と呼び、その痕跡は「条里跡」と呼ばれます。  雲仙市国見町を流れる倉地川と土黒川の間に広がる、ほぼ同じ幅で規則正しく区分けされた田畑は、奈良時代の「条里跡」と考えられています。人々は、1300年以上も前から自らの生活を支えるために、雲仙火山がもたらした火山噴出物を母材とする土壌を利用し、農業を営んできているのです。  格子状の田畑は、太古の昔から火山の恵みを利用している人々の暮らしを今に伝える証です。 (写真:奈良時代の条里跡と考えられている国見中学校周辺にみられる格子状の田畑) ◎図書館へ行こう ○新刊図書紹介 ▼「母影(おもかげ)」 尾崎 世界観(おざき せかいかん) 著 新潮社  小学校でも友だちを作れず、居場所のない少女は、母親の勤めるマッサージ店の片隅で息を潜めている。お客さんを直しているお母さんは日に日に苦しそうになっていく…。第164回芥川賞候補作。 ▼「紅蓮(ぐれん)の雪」 遠田 潤子(とおだ じゅんこ) 著 集英社  双子の姉の死の真相を探るため、大衆演劇の世界に身を投じた伊吹。そこで知ったのは、一座に秘められた禁断の真実だった。血脈に刻まれた因果の物語。   ▼「書店員と二つの罪」碧野 圭(あおの けい) 著 PHP研究所  書店員の椎野 正和は、ある朝届いた積荷の中に、少年犯罪者の告白本があるのを知って驚く。女子中学生が惨殺されたその事件は、正和の同級生が起こしたものだった。その本を読んだ正和は、ある違和感を覚えるのだが…。 ○島原図書館(64-4115)(二次元バーコード) 開館時間…9時〜18時 ※金曜は20時まで 休館日……3月1日(月)・8日(月)・15日(月)・22日(月)・29日(月)・31日(水)資料整理日 ○有明図書館(68-5808)(二次元バーコード) 開館時間…9時〜18時 休館日……3月2日(火)・9日(火)・16日(火)・23日(火)・30日(火)・31日(水)資料整理日 ※各種イベントなどは上記の二次元バーコードから、各図書館ホームページを確認してください