◎輝く島原人Vol.43 「新しい幸せのお手伝い」~一期一会~  広報しまばらでは、生き生きと活動し、楽しみながら社会に貢献する人生の達人たちを「輝く島原人」として紹介しています。  第43回目は、長年調停委員として人々の調和を大切にしてきた光永 涼子(みつなが りょうこ)さんを紹介します。 「人生の達人」光永 涼子(72) 昭和24年、三会中原町で生まれ、育つ。短大卒業後、3年間家庭科教諭として勤務した後、東京の専門学校で和装一般を深く学ぶ。帰郷後まもなく結婚。4人の子どもを育てながら、数十年に渡りPTA活動に従事。平成10年から22年間、調定委員を務めるなど市の調和を守るために尽力。藍綬褒章(R2年秋)。上の町在住。 (写真:地元、森岳地区のシンボル、島原城をバックに微笑む光永さん) ○幸せのために尽くす役目  今から22年前、7年前に島原調定協会長を退任した方の推薦を受け、厳しい書類審査や面接などを合格し、最高裁判所から調定委員としての辞令を受けました。  調停委員は申し立てた当事者の言い分を聞き、公平かつ迅速に対処し、必要があれば事実も調べます。法律的な評価を念頭に置きながら、条理に基づいて助言や説得などを行います。  「調停は、あくまで当事者の自己決定を援助し、当事者間の合意によって円満に解決できる手助けするのが役目です。困った時や悩んだ時に誰でも簡単に利用でき、法律的な制約にとらわれず、自由に自分の主張を言えるのが利点で、それが非公開で行えるのが調停制度の一番の魅力です。広く市民の皆さんに調停制度を知ってもらうため、毎年秋に無料相談会も開催しているので、気軽に利用して欲しいです」と、教えてくれました。  「調停を通して、たくさんの人々と出会い、自分にできる精一杯の努力をしてきました。いつも当事者の方が新しい幸せのスタートを切って欲しいという思いで、携わってきましたが、成立した多くの事案をとても嬉しく思う反面、不成立に終わった事案の時は本当に辛かったです」と、大変だった当時の思いを語ってくれました。 ○まだ見ぬ魅力を掘り起こす森岳人  もともと好奇心旺盛で多趣味な光永さん。茶道・華道・書道と謡曲(金剛流など)、日本独特の伝統芸能「三道」を始め、周囲の人に料理を振る舞ったり、最近では甘酒作りなどにも凝っています。  15年前、森岳商店街とまちづくりの会を応援する仲間と一緒に「漫椿会」を発足しました。昔は、良い行いをした際、「まんちん、まんちん」と言って褒められたそうです。気心知れた「まんちんメンバー」でさまざまな活動をし、互いの知識向上を高めています。その繋がりから、国内外で活躍中の平賀先生による瞑想心理学を学び、調停委員時代から精神的な安定を保つなど、日々の生活に実践してきました。「今後はこれまでの経験を糧に、これから先、どこかで役立つ機会があれば、少しでも貢献したいです」と、調停委員を終えた今の思いを教えてくれました。  今年度は島原駅から島原城の無電柱化工事が始まります。「今回の掘り起こしを契機に、森岳地区にまだ眠っている新たな地域活性化のためのお宝を掘り起こす役目を担う『森岳人』として、これからも地域のため、島原のために頑張りたいです」と、これからの目標を語ってくれました。 (写真)漫椿会(まんちんかい)のメンバーと一緒に瞑想心理学を学ぶ光永さん