●つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク  ▼問い合わせ先 島原半島ジオパーク協議会(65-5540) (写真)木々が赤や黄色に色づいている山の写真 秋が深まってくると、山の木々が赤や黄色に色づきます。想像してみてください。 澄み切った秋の大空の下、木々を吹き抜ける心地よい風の中を歩くピクニックを。 自然の中で食べるお昼ごはんのおいしさは格別ですよね。 レジャーシートを広げるのにピッタリな場所が、雲仙にはたくさんあります。 10月下旬から11月上旬に雲仙の仁田峠に上ると、山々に広がる見事な紅葉を楽しむことができます。 さて、そのような美しい紅葉が、なぜ、「赤」と「黄色」があるのかご存じですか。 たとえばイチョウの葉。緑だったものが、次第に黄色になっていきます。 イチョウの葉の中にはもともと「クロロフィル」という緑色の色素と「カロテノイド」という黄色の色素が含まれています。 このクロロフィルは、秋になり気温が下がってくると分解されて量が減り、隠れていたカロテノイドの黄色が目立ってきます。 これが、イチョウが黄色くなるメカニズムです。 では、カエデなどが赤くなるのはどうしてでしょうか。 気温が下がってくると、樹木は葉から水分が蒸発しないように葉の付け根を締めて、木の幹と葉との養分の行き来を断ち切ろうとします。 すると、葉の中の糖分とアミノ酸がくっついて「アントシアニン」という赤い色素が合成されるのです。 緑色の色素が減り、赤色の色素が増える。それでカエデは赤くなるのです。 標高約1,000mの仁田峠周辺は、紅葉するカエデやヤマボウシなどの「落葉樹」だけでなく、一年中緑の葉をつけているモミやツガなどの「常緑樹」も生えています。 雲仙火山がつくりだした絶妙な自然環境が、私たちに赤、黄、緑に彩られた美しい景色を見せてくれているのです。  この記事を読んだあなた。雲仙に出かけてみませんか? ●図書館へ行こう 今月の新刊 「 ペッパーズ・ゴースト」 伊坂 幸太郎 著 朝日新聞出版 【内容紹介】  中学国語教師の檀は、ある条件下で他人の明日が少しだけ観える特殊能力を持つ。 彼は生徒から、奇妙なコンビが暴れ回る小説原稿を渡される。 小説内の2人組「ネコジコハンター」とは?エンターテインメント長編。 【著者紹介】 1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒。「オーデュボンの祈り」で新潮ミステリー倶楽部賞、「ゴールデンスランバー」で本屋大賞と山本周五郎賞、「逆ソクラテス」で柴田錬三郎賞を受賞。 ◎島原図書館(64-4115) ▼開館時間 9時~18時 ※金曜20時まで ▼休館日 11月1日(月)・8日(月)・15日(月)・22日(月)・29日(月)・30日㈫資料整理日 ◎有明図書館(68-5808) ▼開館時間 9時~18時 ▼休館日 11月2日(火)・9日(火)・16日(火)・24日(水)・30日(火)・12月1日(水)資料整理日 (二次元コード) ●ふるさと再発見 ―「中世の島原」― 古代末~鎌倉時代までの島原の様子は資料が少なく、不明な点も残され、今後も調査研究が必要な時代と言えます。 中世になると、鎌倉幕府や室町幕府といった幕府権力の元で、各地の武士が領地経営を行うようになっていきます。 一方、室町時代中頃の南北朝期(1337~1392)には、肥後国の菊池氏が島原半島に退去してくるなど、島原も全国的な戦乱と無関係ではなかったことがうかがえます。 室町時代後期になると、有馬氏が肥前国小城(現佐賀県小城市)周辺まで勢力を伸ばすようになり佐賀の有力者である龍造寺氏と緊張状態にありました。 天正12(1584)年当時、島原を統治していた島原氏が龍造寺側についたため、島原氏の居城「浜の城」(霊丘公民館付近)を巡る「沖田畷の戦い」(北門町周辺)が起こりました。 この戦いは龍造寺軍を有馬・島津軍が迎え撃ち、有力大名・龍造寺隆信を討ち取ったため、九州の勢力図を大きく変えました。 この戦いに際して隆信が逗留逗留したとされるのが寺中城(寺中町)です。 曲輪や堀切が良好に残存しており、島原市の中世城郭として貴重な城跡と言えます。 (写真)寺中城跡の写真