◎輝く島原人Vol.54 「地域を守り、未来を支える」〜健康・友愛・奉仕の理念〜  広報しまばらでは、生き生きと活動し、楽しみながら社会に貢献する人生の達人たちを「輝く島原人」として紹介しています。  第54回目は、子どもから大人まで幅広い世代を支え、地域や市の発展に尽力している加藤 勝彦(かとう かつひこ)さんを紹介します。 「人生の達人」加藤 勝彦さん(86)  昭和11年、島原市弁天町で生まれ、育つ。大学卒業後、教師として小・中学校の教壇に立つ。退職後は長年に渡り町内会や老人会などのリーダーとして仲間づくりや地域づくり、世代間交流に貢献するなど、本市の発展に尽力している。  弁天町町内会長(H10〜H30)、市制施行75周年記念表彰(H27)、島原市表彰(H30)、市老人クラブ連合会長(R1〜)、県民表彰(R3)。弁天町在住。 (写真中央)和やかな雰囲気で「もずの会」の音楽指導をする加藤さんと会の皆さん 「教育理念の伝承を目指す」  長崎大学卒業後、新任教師として第三小学校へ赴任。当時は、主に若手職員が学校に泊まる「宿直制」があり、教育論を語り合ったり、時には子どもたちと遊んだりと、忙しくも楽しかった日々を今でも思い出深く覚えています。  市内の小学校で18年間勤務した後、市教育委員会へ異動。社会教育主事として公民館主事への教育や、老人クラブや婦人会の皆さんへ歌や踊りを練習・指導したこともありました。昔から歌うことが大好きで、島原半島唯一の男声合唱団Yoi-Doure(ヨイドーレ)に現役で参加するなど、歌への情熱は昔から変わりません。  市に続き、県の教育委員会への異動を経験。社会同和教育担当として、多くの教師へ指導を行いました。  教師として現場復帰を果たした堂崎小では同和教育の研究、二中では頭髪の自由化を含めた校則の見直し、一小ではいじめ問題への対処など、自身の教育理念を伝承しながら、定年まで教師一筋の人生を送りました。 (写真左上)青森で行われた自身最後の全国校長会に参加した加藤さんと、一緒に参加した梅林元校長(三小・中央)と、長岡元校長(五小・右) (写真左下)新型コロナ終息後の発表会を目指し、太田先生の指導のもとコーラスの練習に励む加藤さんと、 Yoi-Doure(ヨイドーレ)メンバーの皆さん 「地域の人々を支える役目」  平成8年、第一小学校長を最後に定年退職した後も、家庭児童相談員を務め、子どもたちの福祉や人権に関わる相談業務に従事し、子育てに自信の無い親や進路に悩む子どもたちを支えました。  現在、市内7地区(67単位クラブ)の老人クラブ連合会からなる島原市老人クラブ連合会の会長として、会員の親睦と融和を深めるために、さまざまな活動に取り組んでいますが、「老人会への加入者が少ないのが悩みです。旅行に行ったり、歌ったり踊ったりと、楽しい思い出を作るために、積極的に加入して欲しいです」と、会長としての思いを話してくれました。  また、地元弁天町では20年間町内会長を務め、さらに霊丘地区の老人会では教師の経験を生かし、「もずの会」の皆さんへ音楽指導を長年続けています。「ここ数年、コロナ禍で発表の場は無くなりましたが、今年の敬老会に向けて新曲を歌えるように、全員で練習を頑張ります」と、今後の目標を語ってくれました。