◎島原ふるさとPR大使 かれんのひとりごと  本市出身の俳優、宮ア 香蓮(みやざき かれん)さんによるコーナー「かれんのひとりごと」。 香蓮さんが日常で感じたことを「ひとりごと」として、不定期で掲載するコーナーです。 (写真)桜を見上げ、写真を撮る香蓮さん (写真)ロケ中に撮影した桜と空 (写真)桜の下の香蓮さん 俳優 宮ア 香蓮(みやざき かれん)さん 1993年11月20日生まれ。オスカープロモーション所属 <出演歴> 2012年 CX「GTO」(野村朋子役) 2015年 NHK 大河ドラマ「花燃ゆ」(入江すみ役) 2017年〜EX「遺留捜査」(滝沢綾子役)第4シリーズよりレギュラー 他多数 半径300メートルの世界  子どもの頃、島原商業高校の前の、桜のトンネルみたいになる道が好きでした。今年もトンネルみたいになっ たのかなあ。  春ですね。あっという間に季節が変わってびっくりしています。ありきたりですが「春は出会いと別れの季節」ですね。よく聞きますね、これ。大人になりこの仕事をしていると、そうでもなくなり、実感することが少なくなってきました。    地元で過ごしていた学生の頃、春は確実に出会いと別れの季節でした。梅は散り桜がまだ咲きかけてもいない頃が卒業式。散りかけの頃が入学式。あんなに背負いたかったランドセルなのに、重たくて泣きそうになった小学校、人生初の制服にむずがゆさを感じた中学校、指定かばんが硬くて重くてげんなりした高校。    進学のときにはいっきに知らない顔が増え、そわそわしていたことを思い出します。新しい教室、新しい制服、新しい人間関係、どれもこれも緊張し、期待と不安が入り混じったあの教室の空気は、学生時代にしか感じられないもののひとつだなあと思います。    木々が緑に染まる頃には、新しい教室の雰囲気にも染まっていて。季節を繰り返すことに、今より意味があったような気がします。  私の母校は小中高どれも隣接していて、半径300メートルくらい。その範囲に思い出がギュッと詰まっています。    当時は学校が世界の全てで、そのなかで一喜一憂して いました。  学生生活を振り返るときに欠かせないのは「橋本文光堂」 の存在。通称「ぶんこー」にはたくさんお世話になりま した。    300円握りしめて遠足のお菓子を買いに行き、悩み に悩み、おばちゃんに計算してもらうのは恒例行事。おばちゃんは全部の駄菓子の値段が頭に入ってて、めちゃくちゃ計算も早いんだよなあ。ノートや名札はもちろん、 習字の授業があるのに半紙を買い忘れ、登校前に急いで買いに行ったりも。「チャリ通」になってからは、自転車を バチンと店の横に停めて中に入っていました。進級しても、進学しても、変わらずにそこにある「ぶんこー」は 今思うとかなり安心する場所だったんだなと思います。 行きたいなぁ「ぶんこー」!  出会いと別れの春は、緊張でかちこちになっちゃう時でもありますので、皆さんにも「ぶんこー」みたいな存在がありますように。