◎輝く島原人Vol.55 「子ども見守る 優しい眼差し」   「人生の達人」永門 重明(ながと しげあき)さん(84)  昭和13年、南島原市有家町で生まれ、育つ。地元の印刷会社に就職したのち24歳で島原市へ。在職中から島原市少年センター補導委員や民生委員児童委員、島原市スポーツ推進委員などの活動を始める。  定年退職後も、町内会長や白山地区青少年健全育成協議会会長などを歴任。安全安心なまちづくりや地域福祉の向上、青少年の健全育成などに尽力。  島原市表彰(平成7年以降7回)、長崎県民表彰(平成16年)、厚生労働大臣表彰(平成29年)など。新山二丁目在住。 (写真中央)登校中の子どもの見守り活動を行う永門重明さん 「地域の安全安心を守る」  勤務する印刷会社の関係で、24歳の頃に南島原市有家町から島原市へ。当時の印刷は活版印刷で、技術と経験が求められる現場の責任者として仕事に子育てと、忙しい日々を過ごしました。  数々の地域活動やボランティアなど、長年にわたり取り組んできた永門さん。活動の始まりは、地域の先輩から勧められ、38歳(昭和51年)から始めた「島原市少年センター補導委員」でした。 その後35年間、島原市少年センター補導委員協議会会長として退任するまで、街頭補導をはじめ、青少年の非行防止に熱心に取り組みました。 「中学生を中心に、ときには保護者も一緒に相談に乗ることもありました。真剣に根気強く向き合い、荒れていた子どもが少しづつ変化していってくれたときは、本当にうれしかった」と、当時を振り返りました。  また、「民生委員児童委員」の活動は54歳(平成4年)から始めました。高齢者や社会的に弱い立場の人々に寄り添い、「よろず相談会」や「高齢者見守り隊」活動にも取り組みました。 平成22年、島原市民生委員児童委員協議会連合会の会長に就いてからは、行政の福祉施策を検討する会議などへの出席や、難しい判断を求められるような場面も増え、重い責任を感じながら約7年間、会長の職責を果たしました。 (写真)「白山っ子ひろば」のメンバーで作った公民館の門松(平成17年) 「子どもたちのために」  平成14年、学校週5日制の導入に伴い、子どもたちの「居場所づくり」として始まった、白山公民館土曜開館事業「白山っ子ひろば」では、地元有志の一員として実行委員会の立ち上げから参加。 10年間続いたこの活動は地域に定着し、多くの子どもが参加しました。時期を同じくして白山地区青少年健全育成協議会の会長も務め、子どもたちは体験活動を通じて楽しく過ごし、運営する地域の大人たちも一緒になって楽しんでやっていたそうです。 この頃に参加していた子どもたちは、既に成人していますが、近所などで声を掛けられることがあるそうで「あの頃の子どもたちが覚えていてくれて、こんなにうれしいことはない」と笑顔で話しました。  現在は、交通安全協会や老人クラブの活動をしながら、毎朝、通学路に立ち、登校時の見守り活動を続けています。「歳はとったが、のんびりし過ぎるのは好きじゃない。少しでもお役に立てることを続けていきたい」と語ってくれました。