◇輝く島原人Vol.56  「水と生活を結ぶ、架け橋に。」   「人生の達人」松尾 夏子(まつお なつこ)さん(75)  昭和21年、南島原市西有家町で生まれ、育つ。大阪の紡績工場へ就職したのち帰郷。昭和43年、結婚を機に生活の場を島原へ移す。 市内小学校での事務補助などの仕事を経て、昭和61年に島原市水道事業の検針業務の補助員として就職。現在は、島原市給水工事指定店組合に勤務し、 約36年間、検針業務の調整や指導等を行い、市の水道事業の運営を陰で支えている。また30代から始めた奨学生バレーボールクラブ(スポーツ少年団)の指導者として 熱心に取り組み、その人柄から多くの子どもたちに慕われた。九州管工業組合連合会表彰(H20)、島原市教育委員会表彰体育保険の部(H23)など。寺中町在住。 (写真)右上から ・取材を受ける松尾 夏子さん ・検針業務の様子 ・三会小学校バレーボールクラブの子どもたちと(H23) ・ひ孫の陽紬(ひなつ)ちゃんと 「私たちの「飲み水」を陰で支える」  昭和43年、22歳の頃、結婚を機に島原での生活が始まった松尾さん。現在、島原市の水道検針業務を行う島原市給水工事指定店組合に勤務し、検針員の調整や指導などを行っています。「水道検針が民間委託になった昭和61年から勤めていますから、私が一番の古株ですね」と笑って話す松尾さん。  私たちの生活に欠かすことのできない大切な水道。6月1日からは水道週間が始まります。 「正確な検針は当然ですが、前回の検針と比べて使用水量が大きく違う場合にはお声かけやお知らせカードを入れさせていただいています。蛇口の緩みや給水設備の異常、漏水の可能性もありますからね。特に、単身高齢者のお宅などは使用水量の変化には気を配るようにしています。お知らせカードを見てお礼の電話がかかってきたり、訪問の際に声掛けをいただいたり。そういうコミュニケーションはうれしいですし、やりがいを感じます」 また、「メーターボックスの近くに犬がつながれていたり、ふたの上に車や物が置いてあったり、土や草などで埋もれていたりすることもありますね」過去には、ふたを開けたらボックスの中にヘビが潜んでいたことも。現場での苦労話も語ってくれました。 現在は、ひ孫さんが生まれ、孫娘さんたちと一緒に過ごす時間が何よりも楽しみ。「私の人生は本当に人とのご縁に恵まれてきました。感謝の気持ちを持ってこれからも過ごしていきたいですね」と語ってくれました。 「バレーボールの指導者として」 娘さんの部活動(水泳)に熱心に取り組んだ松尾さん。30歳の頃、職場だった第三小学校の先生から勧められてバレーボールの指導者に。「全くの素人でしたが、研修会など2年間かけて指導者の資格を取りました」その後、約10年間、第三小学校の女子バレーボール部の指導を行いました。 自身も家庭婦人バレーボールの活動で仲間が広がり、協会の役員や審判員として活躍しました。 三小での指導を退任後、時を置いて60歳の頃から三会小学校で再びバレーボールの指導者に。平成20年には地区予選を勝ち抜いて初めて県大会への出場を果たしました。「その年の子どもたちが私を県大会に連れていくぞ!と頑張ってくれて。本当にうれしかったし、忘れられない思い出です」と、当時を振り返りました。