◆P19 ●つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク ▼問い合わせ先 島原半島ジオパーク協議会(電話65-5540) ◎生活の中に満ち溢れている火山が育んだ大地の恵み 「ヒトと火山との共生」をテーマにしている島原半島ユネスコ世界ジオパークは、貴重な地形や地質と大地からもたらされた自然の恵みを上手に採り入れてきた人々の暮らしを感じられるエリアです。  じゃがいもに代表される数々の農産物、手延べそうめん、かまぼこといった島原半島の特産品などはすべて大地の恵みを活かして生まれたものです。  島原半島は、ちょうど春と秋にじゃがいもが良く育つ気候条件が整います。  この気候条件と、じゃがいもの生育に適切な火山が育んだ土壌が広く分布していることが、他の地域では収穫できない時期においしい新じゃがを収穫できる秘訣です。  手延べそうめんは、小麦粉を練り、ねかせ、細長く引き伸ばし、乾燥させ、切りそろえる、という複雑な工程を経て作られますが、これらはそうめんの「ねかせ」や「乾燥」に適した温度や湿度、そしてきれいな水が必要不可欠です。  さらにかまぼこは、原料となる魚の育成に適した水温と塩分濃度を兼ね備えた海が近くにあることを利用した特産品です。  このように、地域の特産品は、島原半島の自然を上手く採り入れることによって、昔から作られてきました。これらはまさに島原半島ユネスコ世界ジオパークを代表する産物といえるでしょう。  島原半島には、大地の恵みをうまく利用した多くの特産品があります。  地元で採れた美味しいものを食べながら、特産品と地域の自然とのかかわりに想いを馳せてみてはいかがでしょうか。 (写真) 「雲仙市南串山町の棚畑」 (写真) 「南島原市の流しそうめん」 ●図書館へ行こう ◎今月の新刊 「汝、星のごとく」 凪良(なぎら)ゆう/著(講談社) 【内容紹介】   瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂 ( かい )。  ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していき…。 【作者紹介】   「流浪の月」で本屋大賞を受賞。ほかの著書に「神さまのビオトープ」「滅びの前のシャングリラ」など。 ◎島原図書館(電話64-4115) ▼開館時間  9時~ 18時 ※金曜は20時まで ▼9月休館日  5日㈪・12日㈪・19日㈪・26日㈪・30日㈮ ※30日は資料整理日 (二次元コード) ◎有明図書館(電話68-5808) ▼開館時間  9時~ 18 時 ▼9月休館日  6日㈫・13日㈫・20日㈫・27日㈫・30日㈮  ※30日は資料整理日 (二次元コード) ●ふるさと再発見「近代の島原」全編    慶応3(1867) 年、島原藩主松平忠和(ただかず)の兄である徳川慶喜(よしのぶ)が政権を朝廷に返上しました。  その後、明治4(1871) 年の廃藩置県(はいはんちけん)により、島原藩はなくなりました。  ちょうどこの頃、広馬場で築港工事が行われていました。  この工事で誕生したのが湊新地です。  広馬場と湊新地の間には橋( 新地橋) が架けられました。  湊新地は海運業に従事する人々が往来することで繁栄しました。  明治14(1881) 年には湊新地の人々が自らの力で上水道施設(西八幡町川竹山【かわたけやま】) を整備しました。  この民営上水道施設は、日本で近代的な水道が普及するよりも早くに敷設されたもので、当時の人々の先進性をうかがえる施設といえます。  このように島原の近代化を象徴する湊新地ですが、築港に用いられた土砂は島原大変でできた向島(むかいじま)という流れ山でした。  大惨事をもたらした島原大変の遺産が島原の近代化の礎となったとも言えます。  島原の人々が何度も災害を乗り越えながら歴史を刻んできた、島原ならではの歴史を感じます。        ▼問い合わせ先 社会教育課 (写真)地域のシンボルとして移設された新地橋