◆P02-05 ◎令和5年度 施政方針(要旨) 「暮らしに向き合い とことん子育て応援」 (画像)島原市長 古川隆三郎 子育て応援団長 (写真)市議会3月定例会初日「令和5年度施政方針」を述べる古川隆三郎市長  3月1 日に開会された市議会3月定例会初日に、古川市長が令和5年度の市政運営に対する基本姿勢および今後取り組む重点施策を「令和5 年度施政方針」として述べました。  今月号では、その主な内容についてお知らせします。 【総務部門】 ○人口減少対策  若年層の人口流出抑制のための支援や、結婚を希望する人への支援、子育て世代への支援など総合的な人口減少対策事業に取り組みます。  また、移住の推進につきましては、SNSなどにより「しまばら暮らし」の良さを効果的に発信するとともに、「空き家バンク」や「お試し住宅」などを活用し、きめ細かいサポート体制に努めます。 ○ロケツーリズムの推進 ※写真1  昨年は、映画「今はちょっと、ついてないだけ」の全国公開や、島原鉄道「大三東駅」をロケ地としたテレビCMが全国放映されるなど、多くの作品に島原が登場し、広く島原の魅力を発信することができました。今後も多くの方々にロケ地「島原」を訪れていただけるよう、引き続きロケツーリズムを推進します。 ○行政改革  厳しい財政状況の中、一人ひとり危機意識をより強く持ち、限りある財源を効果的に活用し、持続可能な財政運営の維持に努めます。子育て支援、移住・定住対策および新たな地域コミュニティづくりなど、特に重要な施策については、各部間の垣根を越えて、市全体で取り組みます。 ○地域公共交通  大変好評をいただいているコミュニティバス「予約・あいのり・たしろ号」について、今後も市内交通事業者などと連携しながら、さらに効率的で持続可能な運行に努めます。  島原鉄道に対し、当該バス路線の維持費を助成するほか、鉄道事業の運営に係る支援も行います。 ○デジタル化  情報格差の解消に取り組むとともに、行財政サービスや市の業務を抜本的に見直す自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進に積極的に取り組みます。 ○マイナンバーカードの普及  取得しやすい環境整備を進めるとともに、窓口業務についてはスリム化を図り、「しまばらん窓口 とるっと」での各種証明書発行業務に加え、マイナンバーカードの申請受付や交付など、さらに利便性の向上を図ります。 ○兄弟・姉妹都市との交流  令和5年度に福知山市との姉妹都市提携40 周年を迎えるに当たり、両市の良好な関係をより一層促進するため、姉妹都市友好親善訪問事業を実施します。 ○職員研修  国への実務研修を実施するほか、派遣研修をはじめ幅広い知識を習得するための研修を充実することで、時代の変化に対応できる職員の育成を進めます。 ○地域コミュニティづくり ※写真2  地域住民が主体となり、顔の見える関係の構築を軸として、それぞれの地域にあった島原らしい強い絆による地域づくりを推進します。  新たに国の制度である集落支援員制度を活用した安中まちづくり協議会の活性化や、地域おこし協力隊制度を活用した新たな地区への普及・促進を図ります。 【福祉保健部門】 ○新型コロナウイルス感染症  5月8日に現在の2類相当から季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられる方針が示されていますが、引き続き感染症対策の充実に取り組みます。 ○高齢者福祉対策  高齢者が安心して暮らし続けられるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援のサービスを提供する地域包括ケアシステムの充実に努めます。 ○障害者福祉対策  障害のある人もない人も地域で安心して暮らせる「共生社会」の実現のため、関係機関と協力、連携して支援していきます。 ○生活保護  生活保護制度を適正に運用し、保護世帯の自立を促進するとともに、生活保護受給者以外の生活困窮者に対しても、安心して自立した生活が営まれるよう相談や支援に取り組みます。 ○児童福祉対策  少子化、経済的不安など厳しい子育て環境の中でも全ての家庭が安心とゆとりをもって子どもを生み、子育てを楽しむことができ、子どもが健やかに成長できる環境の整備に努め、「とことん子育てにやさしいまち島原」を目指すため、次世代を担う児童の健全育成や子育て支援の充実を図るとともに、ひとり親家庭に対する生活の安定や自立支援に努めます。 ○市民の健康づくり  健康増進計画および食育推進計画に基づき、市民との協働により取り組むとともに、各種がん検診や人間ドックなどの健康増進事業にも取り組みます。 ○子育て支援の推進  さらなる子育て支援の推進のため、福祉医療について、県の支援を受けながら高校生世代を助成対象に拡充します。  妊娠期から伴走型相談支援の充実と経済的支援を一体的に実施することで、子育てにやさしいまちづくりを推進します。 ○国民健康保険事業  都道府県単位化に伴う事務事業を円滑に遂行するとともに、ジェネリック医薬品の普及や特定健康診査の受診率向上に努めます。また、糖尿病性腎臓病重症化予防事業を実施し、医療費の適正化に取り組みます。 【環境部門】 ○廃棄物処理  ごみ処理経費を削減するため、可燃ごみの排出量1人1日850 グラムを目標に「4万人のごみ減量プロジェクト」を引き続き推進します。  資源・不燃ごみについては、リサイクルできるものは資源化に努めているところであり、今後も市民皆さんへの周知を徹底し、再資源化の向上を図ります。 ○環境衛生  国において脱炭素社会の実現を目指すことが示され、本市においても「ゼロカーボンシティ宣言」を行い、水素を活用した電気自動車の普及促進の検討など、具体的な脱炭素計画作成に必要な調査研究に取り組みます。  飲用井戸水の水質検査および地下水の湧水量調査を実施するほか野犬捕獲や不法投棄防止の周知などを通じて生活環境の向上を図ります。 【農林水産部門】 ○担い手対策  次世代を担う若手農業者の育成を図るとともに、女性農業者のグループなどが取り組む、女性ならではの視点での販路拡大や働きやすい環境づくりなどを支援し、若者や女性にも魅力ある農業を推進します。 ○畜産関係  優良な家畜の導入などにより、生産基盤の維持・拡大を進め、競争力の強化と経営の安定を図ります。 ○耕地関係  県営事業により実施している三会原第3地区においては完成間近であり、三会原第4地区においても順調に進捗しています。今後、他地区においても地元や関係機関と一体となって基盤整備の推進に努めます。 ○水産業関係  干潟耕耘(こううん)やアマモの保護育成などを継続して実施し、漁場環境の保全に努めるとともに、地域の特性に合った魚種の種苗放流を継続することで水産資源の確保と漁獲の安定を図ります。  漁港浮桟橋(うきさんばし)の老朽化対策として、FRP製浮桟橋(うきさんばし)についても年次的な整備に向けて準備を進めます。 【商工観光部門】 ○中小企業者の経営安定  商工団体への補助金を通じた経営指導などに対する支援をはじめ、島原市中小企業振興資金や中小企業振興利子補給制度などの施策に取り組みます。 ○中心市街地の活性化 ※写真3  しまばら出店応援ナビによる支援や、空き店舗への出店に係る改修費などを支援する商店街活性化事業を実施するとともに、商店街が主体的に取り組む持続可能な商店街づくりを推進します。また、「島原城大手門市」を開催することにより、中心市街地のにぎわい創出と活性化を図ります。 ○雇用創出・拡大  地場産業の雇用増を伴う事業拡充を支援する地場産業事業拡充促進事業や市内事業所に就職する新卒者およびUIターン者を支援する雇用拡大支援事業を実施し、新規雇用の創出と拡大に努めます。 ○創業支援  経営基盤が不安定な創業者に対し融資に対する支援を行うとともに、相談窓口「しまばら創業サポートセンター」を通じて、様々なサポートを行うことにより、創業による地域産業の活性化を図ります。 ○企業立地・企業誘致の推進  企業立地促進・雇用創出事業奨励金や地場産業事業拡充促進事業補助金を活用し、産業の振興と雇用の創出を図るとともに、サテライトオフィス等開設支援事業や旧堀部邸を活用した新たなワーケーション活用事業に取り組むことで、誘致企業と地元企業との交流による産業の活性化、移住・定住および関係人口の拡大を図ります。 ○ふるさと納税  寄附金活用事業の周知を含む広報活動の充実を図るとともに、より多くの方に寄附していただけるよう、更なるお礼の品の造成に努めます。 ○島原半島ユネスコ世界ジオパーク ※写真4  令和4年12月に島原半島ユネスコ世界ジオパークの3回目となる再認定が決定し、ジオパークの資源でもある島原城や武家屋敷などの歴史的財産をはじめ関連施設を最大限に活用し、周遊・体験型観光を推進するとともに、ジオパークをテーマとした九州オルレ島原コースの魅力アップに努めます。 ○スポーツキャンプ誘致  全国高等学校選抜フェンシング大会が3年連続で本市開催が決定するなど、本市におけるキャンプ開催は様々な競技において高い評価を受けているところであり、新たな競技の誘致にも積極的に取り組みます。 ○島原城築城400 年  令和5年8月には島原青年会議所主管による「全国城下町シンポジウム」の開催が予定されており、城下町島原の魅力を発信する絶好の機会ととらえ、関連イベントの開催をはじめ築城400年となる令和6年に向けたPRと機運の醸成を図ります。 【建設部門】 ○自転車歩行者専用道路の整備   島原鉄道廃線跡地を活用した自転車歩行者専用道路の整備について、南島原市と連携を図りながら、交流人口の増加を見据えてナショナルサイクルルートの認定に向けた取り組みを進めます。 ○高規格道路「島原道路」 ※写真5  出平町から有明町間について、令和6年度の完成を目指して着々と工事が進捗しており、有明町から雲仙市瑞穂町間についても、用地取得に向けた交渉が進められていますので、引き続き早期完成に向け国や県に要望していきます。 ○島原城築城400 年  無電柱化事業による電線の地中化を引き続き実施するとともに、お堀側に歩道を設置し、歩行者が安心して歩ける歩道整備を行います。 ○生活排水処理対策  単独処理浄化槽やくみ取り便槽から合併処理浄化槽への転換を促進し、有明海や河川の水質保全に努めます。 ○空き家問題  空き家対策のための条例を制定するとともに、第2次島原市空家等対策計画を策定し、様々な空き家対策を総合的かつ計画的に推進します。 【消防防災部門】 ○防災対策  ※写真6  地域での自主防災会の役割は年々大きくなってきていることから、組織再編をさらに進めるとともに、先進地視察や各種訓練、防災教育コーディネーターによる講演会などを実施します。また、引き続き「顔の見える関係」の構築を軸に、災害時に住民同士が共に支え助けあう地域を目指し、日本一の自主防災会の実現に努めます。 ○溶岩ドーム対策  引き続き長崎河川国道事務所など国直轄の機関の存続のもと、九州大学地震火山研究センターの整備促進を含め防災関係機関と連携を図ることで、安全対策に取り組みます。 ○消防団の体制  常備消防との連携を図りながら訓練などを通じ、消防団員の資質と機動力の向上に努めます。消防団員の確保を改善するための分団区域や消防自動車更新の見直しなど、時代に即した組織体制づくりに努めます。 【教育部門】 ○児童生徒の学力向上  学力の実態を把握し、学習指導の充実、改善を図ります。さらに、GIGAスクール構想の実現のため整備された1人1台端末と高速通信ネットワークの活用の充実を図り、児童生徒一人ひとりに応じた指導の充実に努めます。 ○いじめ・虐待・不登校問題  関係機関と連携し、相談業務の充実を図りながら、早期発見、早期対応、未然防止に努めます。 ○国際化への対応  全ての小学校の外国語科、外国語活動および中学校の外国語科の授業の充実を図り、英語によるコミュニケーション能力を養います。併せて、島原市ジオパークイングリッシュキャンプを引き続き実施します。 ○小中学校の施設整備  三会小学校、第三中学校の老朽化した空調設備の更新に取り組むとともに、高野小学校、第一中学校の外壁改修および防水工事を行います。また、令和5年度から年次計画で照明設備のLED 化に取り組むこととしており、高野小学校、湯江小学校および有明中学校の更新工事を行います。 ○保護者への負担軽減  学校給食について、令和5年度において高騰する食材の増額分を市で負担することによって、保護者の負担を軽減します。 ○社会教育について  市民一人ひとりがその生涯にわたって自分に適した手段や方法で学び続けるとともに、学びの成果を適切に生かすことができる社会の実現に努めます。 ○文化の振興  自主文化事業、美術展、音楽祭、市民文化講座などを開催し、令和7年度に長崎県において開催される国民文化祭については、本市においても実行委員会設立などの準備を進めます。 ○スポーツの振興   国内外のトップレベルのスポーツ大会や各種スポーツ競技の合宿などの誘致に取り組み、「スポーツ国際交流都市」としての位置づけを確かなものにし、交流人口の拡大と地域の活性化に努めます。  令和6年度全国高等学校総合体育大会「弓道競技」開催に向け、令和5年11 月に九州高等学校弓道新人選手権大会をリハーサル大会として開催します。 【水道部門】 ○水道事業  島原市水道事業ビジョンの基本理念である「安全でおいしい水をいつまでも」の実現に向け、現在実施中の安中配水池耐震化事業・中木場簡易水道統合事業により第7期拡張事業の完成を目指し、引き続き水道水の安定供給を行います。 (写真) 写真1 ロケ地として有名となった「大三東駅」 写真2 市民が主役。地域未来づくりプロジェクト!(有明地区) 写真3 大手門市(大屋根広場前) 写真4 島原半島ユネスコ世界ジオパーク再認定決定 写真5 高規格道路「島原道路」 写真6 自主防災避難訓練(安中地区) ※施政方針の全文は市ホームページに掲載しています (二次元コード)市ホームページ 検索エンジン「島原市 施政方針」