◆P19 ●つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク ▼問合せ先 島原半島ジオパーク協議会(電話65-5540) ◎早崎(はやさき)瀬戸の渦潮(うずしお)  島原半島南部の早崎瀬戸では“渦潮”が見られることをご存じでしょうか。  渦潮は、速い潮流が遅い潮流を巻き込むことで潮の流れが回転して発生します。その潮流の速さには“地形”が関わっており、早崎瀬戸の海底は、約430万年前に早崎半島付近で起きた火山活動により、起伏に富んだ地形となっています。 潮の流れは、海底が深い場合は海水の量(体積)が多く、エネルギー量が増すため速く流れますが、浅瀬の場合は海水の量が少なくなるため遅く流れます。早崎瀬戸は、深い海域では約150m、浅い海域では約20mと複雑な海底地形が広がっているため、 その地形の違いが潮流の速度差を生みます。  また有明海は、南から北に向かって入り組んだ地形をしているため、海流が南から入って北から戻ってくる動きと、月の引力による潮の満ち引きの周期が合わさって増幅され、最大6mの干満差を作り出しています。満潮から干潮へ大きく潮が下がる際に、 潮が高い有明海から潮が低い天草灘へ流れ込み、潮の流れが狭まる早崎瀬戸では局所的に速い流れが生じます。  こうした早崎瀬戸や有明海の地形による潮流の変化が、渦潮ができるメカニズムであり、早崎半島の瀬詰崎灯台付近では潮流の変化や早い潮流によって生じる白波がよく見えます。また、早崎瀬戸の潮流に着目し、専門家と高校生による自然エネルギー(潮流) を利用した潮流発電の研究が進められています。渦潮を発生させ、潮流発電に着目された早崎瀬戸の潮流の見学に、足を運んでみてはいかがでしょうか。 (写真)早崎瀬戸で見られる渦潮、瀬詰崎灯台付近の白波 ◎第61回「ジオ空教室(子ども向け)」開催!  島原半島の歴史・文化・自然、そしてそれらを支えるジオの魅力を、その道のプロが毎回楽しく紹介します。ふるってご参加ください!  日 時:7月29日(土) 9時30分〜12時      (受付開始9時〜)  ※終了時間は、多少前後します。ご了承ください。  集合場所:口之津港ターミナルビル入口前       (南島原市口之津町丙4358-6)  参加費:大人(中学生以上)3,000円、      小学生以下無料      ※18歳未満の方は、保護者同伴  (保護者にも参加費がかかります)  定 員:25人  協 力:島原半島ユネスコ世界ジオパークガイドの会認定ジオガイド      南島原イルカウォッチング  題 目:夏休み海上ジオツアー〜ジオの見どころを海から見てみよう!〜  内 容:ジオパークの見どころを船上でジオパークガイドがご案内します。イルカも見ることができて内容盛りだくさんです。  持参品:タオル、飲み物、雨具 ※船に乗船しますので、酔いやすい方は、酔い止めを飲んでご参加ください。 ※熱中症予防対策をして、ご参加ください。  締切り:7月19日(水)  申込み:氏名、住所、性別、生年月日、電話番号      を記載したメール(E-mail:info@unzen-geopark.jp)または電話で申込み ●図書館へ行こう ◎今月の新刊  「能面検事の死闘」  中山 七里/ 著(光文社)   【内容紹介】  南海電鉄岸和田駅にて無差別殺人事件が発生。  容疑者・笹清は自らを“無敵の人”と称する。  大阪地検で郵便物が爆発し、被疑者は笹清の釈  放を求めた。大阪地検の不破検事は次の爆発に  巻き込まれ…。 【作者紹介】中山七里(なかやま・しちり)  岐阜県生まれ。「さよならドビュッシー」で「このミステリー  がすごい!」大賞を受賞しデビュー。ほかの著書に「御子柴礼司」  シリーズ、「殺戮の狂詩曲」など。 ○島原図書館  (電話64-4115) ▼開館時間 9時〜 18時  ※金曜20 時まで ○有明図書館  (電話68-5808) ▼開館時間 9時〜 18時 ▼休館日    3日(月)・ 10日(月)・  17日(月)・24日(月)・  31日(月)  8月1日(火)は資料整理日 (二次元コード) ◎有明図書館(電話68-5808) ▼開館時間 9時〜18時 ▼休館日  4日(火)・ 11日(火)・  18日(火)・25日(火)・  31日(月)は資料整理日 (二次元コード) ●発掘をのぞいてみよう!  「いざ!発掘?壁面が命 土層観察」 やり直しがきかない発掘調査は、地面を掘る際にも工夫が必要です。掘り進める時は掘削部分の床面を平坦にしていきます。土に含まれる粒子の違いや遺物の違いなどを平面的に確認するのです。 また掘り進めると調査区や調査坑に断面が生じます。この断面を壁面や壁とも呼びます。この壁をきれいに除草用の両刃鎌(通称:ガリ)などで整えます。作業員さんたちには、「壁をガリで切って ください」という風に言っています。壁をきれいに整えることで、その発掘現場の土層堆積状況を把握ができ、円滑な発掘調査につながるのです。  壁を整えると、土層の堆積状況がはっきりとわかります。写真は、令和4年度に調査した東空閑城跡の土層断面です。土層の一番上に表土があり、その下に斜めに堆積している灰、黄褐・褐色の土が戦国時代の土塁の一部です。 土塁の下の黒い土層は、戦国と縄文時代の遺物包含層をそれぞれ確認しました。地道な作業ですが、その遺跡の状況を確認する大切な工程の一つなのです。 ▼問合せ先 社会教育課