◆P12-13 ◇輝く島原人Vol.70島原に生きる 【何事も楽しく自然体で】 「人生の達人」松尾 豪彦(まつお たけひこ)さん(76) 昭和22年、島原市湊新地町で生まれ、育つ。地元小・中学校、島原高校を卒業。東京の大学へ進学し、旧島原市東京学生寮で学生生活を送る。大学卒業後、大阪の石油販売の会社に就職。船具や燃油販売を営む家業を継ぐため、25歳で帰郷し現在に至る。湊新地町内会長(H24〜)、白山地区町内会連絡協議会会長(H28〜)を務め、町内会を中心に地域老人クラブや女性会、青少年健全育成協議会などの各種団体と連携し、地域の活性化に取り組んでいる。 このほか、島原市町内会・自治会連合会副会長、精霊流し行事実施協議会会長、白山地区社会福祉協議会会長、島原市環境美化推進員、島原市明るい選挙推進員なども務める。町内会長永年勤続感謝状(R4)。湊新地町在住。 (写真) ○有明海と九十九島(つくもじま)を望む自宅前の広場で笑顔で話す松尾さん     ○グラウンドゴルフ大会で挨拶をする松尾さん(H30) ○湊新地町内会の精霊船(H30) 〇町内会長永年勤続表彰感謝状贈呈式(R4) 前段 ●地域を支える「人と人とのつながり」  「ここは昔の船着き場でね、九十九島に囲まれた波穏やかな内港は、島原の海運・物流の拠点として、トラック輸送が普及するまで、ここにいろいろな物資が集まり、馬車や鉄道を使って運ばれていたんですよ。」と、自宅前の海岸で往時の賑わいを語るのは湊新地町内会長の松尾豪彦さんです。  町内会からのお願いを受け、平成24年に湊新地町内会長に就任。平成28年からは白山地区町内会連絡協議会の会長も務めています。「白山地区町内会連絡協議会の会長になった翌年、町内対抗のソフトボール大会を毎年9月に実施していましたが、参加チームが年々減少していたので、誰でも気軽に参加できるように町内対抗グラウンドゴルフ大会として10月に開催することにしました。これが皆さんに好評で、100人を超える町内の皆さんにご参加いただきました。町内会役員の皆さん、大会運営を担ってもらう老人クラブの皆さんのご協力のおかげだと感謝しています。」その後、青少年健全育成協議会も大会に加わり、今では子どもから高齢者まで、約200人が参加する地域の交流行事として定着しているそうです。「地域活動を支えるいろいろな団体がありますが、その垣根を取り払ってみんなが楽しめることを一緒にやりましょう!というのが私の考えなんです。そして、それを実現できる協力体制があることは本当にありがたいことですし、これからも大切にしていきたいですね。」と、そこに生活する人と人とのつながり、地域への思いと感謝の気持ちを語ります。 後段 ●島原伝統の「精霊流し」を見つめて  島原市の精霊流し行事実施協議会の会長も務める松尾さん。「自宅の目の前が精霊船の流し場なんです。子どもの頃の記憶ですが、まだ爆竹がない時代で、当時は歌や踊りで大いに盛り上がっていました。隻数も多く、流し終えるまで朝まで賑わっていました。時代の流れもあり、年々隻数も減ってきましたが、この三百年続く島原の精霊流しが今後も引き継がれて、観光資源としてもさらに活用できていければと思っています。」と、語ります。 天気がいい日は、仲間とのテニスを楽しむ松尾さん。昨年末に開催されたサークル内の大会では優勝したそうです。これまでに大きな病気はしたことがないそうで、「体を動かして汗を流し、あまりくよくよしないこと。自分の信条を持って自然体で取り組むようにしています。健康な限りは与えられた役目を務めていきたいですね。」と、愛する故郷への思いを語っていただきました。