◆P21 ●つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク ▼問合せ先 島原半島ジオパーク協議会(電話65-5540) ◎「浜の川湧水」と「かんざらし」   海にほど近く、時折潮の匂いを感じる港町の一角に、忽然と湧き出す真水「浜の川湧 水」。100メートル歩けば海辺になるこの場所に、なぜきれいな真水が湧き出るので しょうか。  眉山や普賢岳の山々に降った雨は、地下に浸み込み、長い時間をかけて地層の中を通 過し、ミネラルを豊富に含む湧水となって地表や海底に湧き出します。島原の市街地 は、たくさんの水をたたえた山々の麓に位置しているため、水が豊富に湧き出しています。  現在の「浜の川湧水」がある場所は、かつては海で、おそらく当時から海底に湧水が 湧き出していたことでしょう。しかし1792(寛政4)年5月21 日、眉山が強い地震によって大崩壊を起こし、大量の土砂が 海を埋め立てました。それまで海だった場所が陸地となり、 海底に湧き出していた水が地上に湧き出し、現在の姿になり ました。  海沿いに湧き出す真水は貴重だったことから、水を求めて 人が集まり、いつしか港町ができました。1915(大正4)年、 「浜の川湧水」に隣接するお店が、1年で最も寒い“大寒”の 時期にさらしたもち米の粉で作った白玉団子を、湧水で作っ た蜜に浸して食べる「かんざらし」を売り出しました。この お店が「銀水」です。「浜の川湧水」を使うからこそ生まれ る独特の食感と、甘くて奥深い蜜の味は、眉山の大崩壊がな ければ生まれることのなかった、島原の伝統的なジオスイー ツです。  また、かんざらしはお店によって蜜の味が違うため、様々 な味を楽しめます。おすすめの味を探してみてはいかがで しょうか。 (写真)銀水 (写真)かんざらし ◎第63回「ジオ空教室 第12回島原半島ユネスコ 世界ジオパーク高校生研 究発表大会 県内の高校生が自らのふ るさとの魅力を、高校生 ならではの視点で探求し た成果を発表します。 と き:10月7日(土) 9時30分〜14時 ※終了時間は多少前後する場合があります。 ところ :がまだすドーム セミナー室 参加料:無料  ●図書館へ行こう ◎今月の新刊 「カモナマイハウス」 重松 清/ 著(中央公論新社) 【内容紹介】  不動産会社で空き家メンテナンス 業に携わる孝夫。ある日、妻・美沙 の実家が、気鋭の空間リノベーター による「空き家再生策」の標的にな り…。空き家をめぐる、家族の絆の 物語。 【作者紹介】重松 清(しげまつ・きよし) 岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。「ビタミンF」で直 木賞、「十字架」で吉川英治文学賞、「ゼツメツ少年」で毎日 出版文化賞を受賞。 ○島原図書館(電話64-4115)(二次元コード) ▼開館時間 9時〜 18時  ※金曜20 時まで ▼休館日  4日(月)・11日(月)・  18日(月)・25日(月)  30日(土)は資料整理日 ◎有明図書館(電話68-5808)(二次元コード) ▼開館時間 9時〜18時 ▼休館日  5日(火)・12日(火)・  19日(火)・26日(火)  30日(土)は資料整理日 ●発掘をのぞいてみよう! 「昔の生活の営みを体感 遺構調査」 (写真)小原下遺跡 遺構検出状況  発掘調査は、基本は地面を平坦に掘っていきます。土 に含まれる粒子の違いや遺物の違いなどを確認しながら 掘るのです。土の内容物の差から異なる時期・状況に積 もった土であると判断します。人が地面を掘って住居な どを造り、使い終わった後には、長い年月の間に土砂な どが堆積します。その場所を遺構と呼びます。遺構の土 の状況と、まわりの人が地面を掘ったことがない土の状 況を比べると、土の色や土に含まれる粒子の違いが出て くるのです。遺構の内容を把握し記録するため、平面や 断面の写真撮影や実測を行います。遺構が確認される と、各時代の当時の人々が生活していた状況や生活の規 模の一部分などを知る手がかりとなり、昔の生活の営み を体感することにもつながるため、発掘調査の楽しい瞬 間です。貴重な遺構が発見されれば、現場説明会などが 開催されることがあります。 問合せ先 社会教育課