●つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク79 島原半島ジオパーク協議会(65-5540) ○地形を生かした人工のため池―雲仙・諏訪の池―  毎月、島原半島内のジオサイトやその見どころを紹介するこのコーナー。  今回は地形を生かした人工のため池「雲仙・諏訪の池」について紹介します。 ▼諏訪の池  国道389号を口之津から雲仙温泉街に向かうと、左側に池が見えてきます。この池が「諏訪の池」です。池の周りに農耕地、林といった多様な環境があり、たくさんの野鳥や昆虫がすんでいます。野鳥は年間を通して観察することができ、春から夏にかけてホオジロやウグイスなどが繁殖し、冬にはシロハラやツグミをはじめとした冬鳥が越冬のために渡来します。  このような素晴らしい環境を持つ諏訪の池は、人の手によって作られた人工の池です。  1616(元和2)年、奈良から移封してきた松倉重政公が、村民から水田の干ばつ対策を陳情されたことをきっかけに、自然の地形をうまく利用して作りました。  島原半島は南北に広がるように動くため、いくつかの大地の亀裂(断層) ができています。諏訪の池周辺は諏訪の池断層の動きにより、橘湾側の大地がずれて階段状の地形になりました。この階段状の地形の中を流れる川の水をせき止めることで諏訪の池は作られたのです。作られてから約400年が経過した現在でも諏訪の池から供給される水は周辺の田畑を潤しています。 (写真)諏訪の池と諏訪の池断層(写真の左から奥に見える森が諏訪の池断層) ▼雲仙諏訪の池ビジターセンター  池のほとりに建つ「雲仙諏訪の池ビジターセンター」は、生物や自然に関する展示はもちろん、3階の天体観測室には九州でも最大級の口径を持つ天体望遠鏡が設置してあります。そして、星空観察会が8月21日まで開催されています。今年の夏は諏訪の池で自然とのふれあいや天体観測を楽しんでみませんか。  次回は「旧大野木場小学校被災校舎」を紹介します。 (写真)雲仙諏訪の池ビジターセンターの天体望遠鏡を女の子が覗いている様子 ●「島原半島ユネスコ世界ジオパークセミナー」  島原半島の歴史・文化・自然、そしてそれらを支えるジオの魅力を専門の先生が毎月やさしく紹介します。  第1回島原半島ユネスコ世界ジオパークセミナー  ▼と き 8月11 日(木) 10 時〜 12 時  ▼ところ がまだすドーム セミナー室  ▼参加料 無料  ▼講 師 寺井 邦久(てらい くにひさ) 氏(島原高校教諭)  ▼題 目 山の日記念「島原半島の地形を読もう!」  ▼問い合わせ先 島原半島ジオパーク協議会(65-5540)