●新たな歴史の幕開け  約20年ぶりに復活した浜の川湧水の隣にある「銀水」。8月6日のオープンから約2カ月が経ち、これまで6000人を超えるお客さんが来店。特に夏休み期間中は帰省客や観光客をはじめ、カップルや親子連れなどで賑わいました。その銀水の看板を手掛けた大町美徳(おおまちみとく)さん(新山3丁目)にお話を聞きました。 (写真@)自身で制作した「銀水の看板」と一緒に笑顔で写る大町さん (写真A)息子のように可愛がってもらった田中ハツヨシさん(2代目)の写真を見て懐かしむ大町さん (写真B)棟梁と一緒に看板を制作した当時に思いをはせる大町さん (写真C〜E枚)8月6日のオープン以来、観光客など多くの人で賑わう銀水店内 (写真F)観光客など多くの人で賑わう浜の川湧水 ▼看板を手掛けたきっかけ   17歳のとき、棟梁だったおじのところに弟子入りし、棟梁の自宅に住み込みで働いていました。住まいが銀水の近くであったこともあり、弟子仲間数人と毎朝、目覚めると浜の川湧水に出かけ、顔を洗い、歯を磨いていたので、浜の川の隣にあった銀水は、いつも身近な存在でした。  昭和26年ごろ、銀水の修理に携わる機会があり、主に建物の壁や窓の補修工事を行いました。そのとき、屋号が「浜の川」から「銀水」に変わったことで、当時の経営者であった田中ハツヨシさんから看板の制作を依頼されました。 ▼看板の思い出  棟梁の発案で、児童館辺り(有馬船津町)の船着き場に壊れて放置されていた木造船の底板を利用することを思いつきました。船底に利用されていた底板は丈夫で大変値打ちがあるものです。看板の「銀水」の文字は田中ハツヨシさんのご主人が筆を書き下ろしたもので、その文字に沿って、力加減に気を付けながら、ノミと金槌を使って制作しました。 ▼復活した銀水の印象  外観は当時のまま再現され、自分が造った床の間や窓も残っていたことに感動しました。  復活した銀水の営業時間が少し短い気がします。若者や若い家族などに配慮し、夏の営業時間を延長したらどうでしょうか。 ▼かんざらしを食べた感想  甘さはちょうどよかったですが、もう少し固くしてもよかったかな。私の好みです。 ▼復活した銀水に期待すること  昭和の銀水は、何もなかった昭和時代に、かんざらしやところてん、ラムネなどを提供。子どもたちをはじめ多くの地元の人にも親しまれ、また、著名人や観光客なども来て大変賑わっていました。  今回、復活した銀水も、地域をはじめ観光客の皆さんに親しまれ、昭和当時と変わりなく、末永く愛され続ける名店になることを期待しています。  8月にオープンした「銀水」では、かんざらしやところてんなどの定番メニューのほか、現在、秋・冬のメニューを考案中です。銀水に初めて訪れる人、また、訪れたことがある人も、ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。