◎つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク85 島原半島ジオパーク協議会(65-5540) ○毎月、島原半島内のジオサイトやその見どころなどを紹介するこのコーナー。  今回は、冬の雲仙を彩る氷の花「霧氷」について紹介します。 ▼「霧氷」  冬、雲仙の山々は、時に霧氷で白く光り輝きます。地元の人から「花ぼうろ」と呼ばれている霧氷は、ある気象条件の時にみられるのですが、この霧氷はどうやってできるのでしょうか。  通常、水は0度以下になると氷になります。ところが、雲をつくる雲粒はとても小さいため、0度以下になっても凍らず、水のままでいます。水分を含んだ0度以下の空気が小枝などにぶつかると水分が一気に氷になり、枝につきます。これが繰り返されると、風上側に向かって氷が薄い板のように伸びていきます。これが霧氷です。 ▼「花ぼうろ」  霧氷は、成長の仕方やその出来方の違いによって、3つに分けられます。  粗氷(そひょう)は、気温が0度から氷点下4度の範囲にあるときにみられる、透明な霧氷です。樹氷(じゅひょう)は気温が氷点下数度から氷点下約10度で、比較的風の強いときにみられる白っぽい霧氷です。樹氷は風上側に向かってどんどん成長し、雲仙では、大きなものは長さ20センチほどにもなります。樹霜(じゅそう)は氷点下7度以下で、風が弱いときに見られます。ほとんど風がない状況では、樹霜は木の枝を取り囲むように丸く成長します。これが「花ぼうろ」に相当します。それにしても、雲仙の山々ではなぜこのようにきれいな霧氷が見られるのでしょうか。  寒い冬になると、北から季節風が吹きつけます。この季節風は、海を通過してくる間に多くの水分を含むようになります。この湿った冷たい季節風が標高1500メー トル近い雲仙岳にぶつかることできれいな霧氷がつくり出されるのです。  季節風を伴う寒波が抜け、穏やかに晴れた日の朝は、きれいな霧氷が見られるチャンスです。この時期にしか味わえない幻想的な景色を眺めに、暖かい服装で冬の雲仙に出かけてみてはいかがでしょうか。  次回は「日本ジオパーク再審査の結果」をお知らせします。 (写真)「花ぼうろ」の写真 ○第9回島原半島ユネスコ世界ジオパークセミナー 島原半島の歴史・文化・自然、そしてそれらを支えるジオの魅力を毎月やさしく紹介します。 第9回島原半島ユネスコ世界ジオパークセミナー ▼とき 2月18日(土)10時〜12時 ▼ところ 雲仙諏訪の池ビジターセンター ▼参加料 無料 ▼講師 大向 あぐり 氏(雲仙諏訪の池ビジターセンター自然解説指導員) ▼題目 「みんなで探そう!色んな野鳥in 諏訪の池」 ▼申し込み・問い合わせ先 ジオパーク検定事務局(島原半島ジオパーク協議会事務局65-5540)