◎つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク95 島原半島ジオパーク協議会(65-5540) ○旧大野木場小学校校庭のイチョウ  街路樹にも普通にみられるイチョウは、中国を原産とする高木です。イチョウは紅葉し、落葉するにもかかわらず、植物の分類上は針葉樹にあたります。また、葉の葉脈が網目状ではなく、互い交わることのない平行脈であるという特徴を有します。このような他の樹木にはあまり見られない特徴を有するのは、イチョウ科の植物が、今から約1億5千万年前の中生代白亜紀から残存する古代樹であるためです。  木材としての加工がしやすく、剪定にも強いイチョウは、火にも強いという特徴があります。これはイチョウの幹や葉にたくさんの水分が蓄えられているためです。ひとたび火事が発生すると、イチョウの樹や葉の中にある水蒸気が気化し、燃焼を防ぎます。難燃性の樹を敷地内に植えることで、建物を火事から守ってほしいという願いから、イチョウは寺社仏閣や学校の校庭に植えられることが多かったようです。  平成3年9月15日、大野木場小学校(深江町)は、火砕流とともに発生した熱風(火砕サージ)によって延焼しました。この時、校庭にあった大きなイチョウの樹も燃えてしまいましたが、翌年再び芽吹き、地域の人の心の支えとなりました。  多くの人を勇気づけ、復興の象徴にもなったこのイチョウの樹は、毎年12月初めになると黄色くきれいに色づき、ここがかつての学び舎だったことを私たちに教えてくれます。 ○第16回島原半島ユネスコ世界ジオパークセミナー 島原半島の歴史・文化・自然、そしてそれらを支えるジオの魅力を、毎月やさしく紹介します。 ▼と き 12月23日(土) 講話10時〜10時30分 散策10時30分〜12時 ▼ところ 雲仙お山の情報館別館(小浜町雲仙)※講話後、雲仙地獄周辺を散策 ▼参加料 無料 ▼講 師 西 久幸(にし ひさゆき) 氏(自然公園財団雲仙支部) ▼題 目 信仰のお山・雲仙を巡る ▼内 容 仏教とキリスト教の隆盛から弾圧の時代に思いをはせながら、数奇な運命 を辿る雲仙地獄周辺を散策します