◎つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク 島原半島ジオパーク協議会(65-5540) ○地層群が伝える平成噴火 垂木森林公園(たるきしんりんこうえん)  平成2年11月17日からおよそ5年間継続した平成噴火は、溶岩ドームの形成とその崩落によって生じる火砕流、および土石流の発生に特徴づけられます。平成噴火は、火山噴火がどのようにして始まり、どのように終わっていくのかが把握された事例としての価値を持っていますが、噴火の推移は一定ではなく、火砕流が頻発した時期もあれば、火砕流がほとんど起こらなかった時期もありました。この時の噴火は、山の周囲にどのような地層をもたらしたのでしょうか。  雲仙天草国立公園内に位置する南千本木の県立垂木森林公園では、平成噴火の際に生じた火砕流、火山灰、そして火砕流に伴う熱風がもたらした砂の層といった、複数の地層が見られます。これらの地層の特長は、どのような噴火現象でつくられたのかが分かっている点です。  具体的には、地面を流れた火砕流は、大きな石と火山灰が混ざった地層をつくりました。火砕流が発生するたびに空から降下した火山灰は、薄い層が重なるしま模様の地層をつくりました。そして、火砕流に伴う熱風は、粗い砂粒の地層をつくりました。 このように、その出来方が目撃されている地層群は、世界的に見ても貴重です。  垂木森林公園内にみられる地層群は「古い地層ほど下にあり、新しい地層ほど上にある」という地層のでき方を学ぶ上でも最適です。未来の研究者や子どもたちがこれらの地層群を活用できるよう、この貴重な地質遺産の保全にご協力ください。 島原半島の歴史・文化・自然、そしてそれらを支えるジオの魅力を、毎月やさしく紹介します。 (写真)垂木森林公園内にみられる「平成噴火」の地層群 ○第21回「ジオ空ぞら教室」 ▼と き 6月24日(日) 10時〜12時※小雨決行 ▼集合場所 霊丘公園(受付開始9時45分) ▼参加料 500円(ジオスイーツのお土産付き) ▼定 員 20人(先着順) ▼申込期限 6月20日(水) ▼申込方法 メール(info@unzen-geopark.jp)または電話で申し込んでください ▼講 師 大野 希一(おおの まれかず)(島原半島ジオパーク協議会事務局次長) ▼題 目 D r.オーノとさるく「江戸時代の海岸線をたどろう」 ▼内 容 普段は車で通りすぎてしまうマチのナカに潜むジオの見どころを、火山博士とめぐります(霊丘公園〜アーケード〜供養塔〜音無川〜霊丘公園) ※「ジオセミナー」から「ジオ空教室」に名称が変わりました