◎輝く島原人 THE SCENE Vol.10 島原に生きる   広報しまばらでは、生き生きと活動し、楽しみながら社会に貢献する人生の達人たちを「輝く島原人」として紹介しています。 第10回目は、スポーツ少年団の指導・育成に取り組んでいる平井 節朗(ひらい せつろう)さん(64)を紹介します。 「人生の達人」平井 節朗さん(64)  昭和29年、7人兄弟の三男として有明町大三東で生まれ、育つ。大東文化大卒業後、小学校の教諭・教頭・校長として勤めながら、赴任先で剣道競技の普及・指導を行う。  平成9年から有明剣道振興会会長、平成27年から島原市剣道協会会長、そして、平成30年6月からは長崎県剣道連盟理事を務め、剣道競技の普及・振興に取り組んでいる。有明町大三東在住。  剣道をこよなく愛し、長年、剣道競技を通して、スポーツ少年団の指導・育成に取り組んでいるのは「有明剣道振興会」の会長 平井節朗さんです。 ▼剣道の魅力  父親に勧められて小学2年生から剣道を始めた平井さんは、今年で剣道に携わってから56年目を迎えました。  「社会体育として剣道が盛んだった幼少のころ、地域の剣道愛好家から熱心に指導を受け稽古に励んでいたことを昨日のことのように鮮明に覚えています。普段はチャンバラごっこをして遊んだり、掃除当番の時には左手だけでバケツを持って鍛えていました」と語る平井さんは、高校時代には足腰を鍛えるために片道7kmの道のりを自転車通学するなど、日ごろから剣道に役立つことを考えて行動していたそうです。  長年続けている剣道の魅力を伺うと「思いっきり声を出すと清々しい気持ちになります。また、道場で正座すると新鮮な気持ちにもなり、気が引き締まります」と話してくれました。 ▼将来を担う少年剣士  これまで数多くの子どもたちを輩出してきた平井さんは、常日頃から健全育成を念頭に『知・徳・体』に心がけて少年剣士を指導しているそうです。  「剣道では、一本を取ってもガッツポーズをしないなど、相手に対する気配りや思いやりを育むため、『残ざんしん心』という身構えや心構えの大切さも指導しています。また、剣道の基礎・基本を身に付けることで、ぶれない心身を育てることができます。これから巣立っていく子どもたちには、剣道を通して学んだ、礼儀作法をはじめ、忍耐力 やチームワーク、周囲への感謝の気持ちなど培った経験を何らかの形で生かし羽ばたいてほしいです。そして、できればこれから先も剣道に携わり、さまざまなことを次の世代に引き継いでいってくれることを願っています」と将来を担う少年剣士に向けた思いを語ってくれました。 ▼次世代への恩送り  剣道は、いつまでも若い気持ちでいられる「青春」そのものだと語る平井さんは、定年退職してから、あらためて剣道についての歴史や基礎、基本から深く勉強しているそう です。「幼少時代に育ててもらった地域指導者への感謝の気持ちは常に持っています。そのもらった恩を次の世代への恩送りとして、これまでの自分の経験を振り返ってみて、自己反省や研究をしながら心の面でさらに進化し、子どもたちに伝えていきたいです」と話してくれました。 ▼10回目の日本一  競技者として、これまで数々の功績を残している平井さんは、平成27年に開催されたねんりんピック長崎大会に長崎県代表の一員として参加し、見事優勝の栄冠を手にしました。これが自身10回目の日本一だったそうです。競技人生の中で特に印象に残っている試合を伺うと「大学時代に、日本武道館で行われた全日本学生選手権大会の優勝戦。多くの観客が見守る中、会場の中央でスポットを浴び、『ヤーッ、メーン』と思いっきりの面で学生チャンピンを決めた時が最高の気分でとてもうれしかったですね」と笑顔で話してくれました。 ▼「日本スポーツ少年団顕彰」に輝く  長年、教べんを執った平井さんは、昭和52年から赴任先で剣道競技の普及指導に尽力したほか、昭和61年からは島原市と島原半島地区剣道競技の普及。そして、有明剣道振興会スポーツ少年団の指導・育成にも携わり、昨年、日本スポーツ少年団顕彰を受賞しました。  「これまで継続できたのも、妻の支えや家族の理解、そして、剣道による青少年の育成を志とする歴代の一般愛好者などのOBの方、各小・中学校の先生や保護者のご支援、そして、現在一緒に指導してくれている指導者のご協力のおかげだと感謝しています。これからも剣道を通して、地域の皆さんと一緒になって精神面や生活面をサポートし、子どもたちが健やかに成長できるよう取り組んでいきたいです」と力強く話してくれました。 (写真1)少年剣士に指導する平井さん (写真2)「剣は心なり、心正しからざれば剣又、ただしからず、剣を学ばんとするものはまず心を学ぶべし」島田虎之助(しまだ とらのすけ)氏の言葉が書かれた置物 ※道場では、少年剣士と一緒に幕末の三剣士の1人である剣豪、島田虎之助氏の言葉を胸に黙想しています (写真3)自宅の棚に飾ってあるトロフィーの数々※自宅にはこれまで獲得した数々のトロフィーが所狭しと飾られています (写真4)平成24年に開催された「第67回国民体育大会(ぎふ清流国体)」では成年男子の大将として出場