◎つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク  島原半島ジオパーク協議会(65-5540) 平成噴火によって失われた風景と生み出された風景 普賢岳登山道A  1990(平成2)年からおよそ5年間継続した平成噴火では、粘り気の強いマグマが噴出し、普賢岳山頂の東側に新しい溶岩ドームをつくりました。この溶岩ドームは平成時代にできた新しい山という意味で、1996(平成8)年5月20日、「平成新山」と名付けられました。雲仙火山の山頂付近には立岩の峰(たていわのみね)、島ノ峰、普賢岳(中の峰)といった複数の溶岩ドームがありますが、平成新山はその中でも最も新しい溶岩ドームです。複数の溶岩ドームの存在は、平成噴火と同じような噴火が過去にも雲仙火山で繰り返し起きていたことの証拠です。  平成噴火は、山の麓はもちろん、山頂付近の様相も大きく変えました。噴火に伴う火山灰や噴石は、植物に直接的なダメージを与えました。かつて山頂にあった普賢池は平成新山の下に埋もれてしまい、普賢神社も移転を強いられました。真夏でも天然氷が残っていた“鳩穴(はとあな)”は、平成噴火の噴出物で埋没してしまい、今は見ることができなくなってしまいました。  しかし、立岩の峰周辺から見るどっしりとした平成新山の姿は、人間がつくり出すことのできない、素晴らしい地球活動を私たちに教えてくれます。噴火の終息から20年以上が経過した今、雲仙火山の山頂付近の植物は徐々に回復しつつあります。平成新山の頂上付近や周辺からは、未だに少量の火山ガスが噴き出ていますが、火山ガスの影響が及ばないところでは、ミヤマキリシマなどの背の低い樹も生え始めています。これから数十年経てば、登山道の周辺に新たな見どころができているかもしれません。移りゆく美しい自然の営みを、次の世代に引き継いでいきましょう。 (写真)普賢岳周辺から見た平成新山 平成新山にも植物が復活し始めています ○第23回「ジオ空(ぞら)教室」  島原半島の歴史・文化・自然、そしてそれらをつくりだしたジオの魅力を、その道のプロが毎回たのしく紹介します。ふるってご参加ください! ▼と き 8月25日(土)14:00〜15:30 ▼ところ 満明寺(雲仙市小浜町) ▼講 師 福田 宥晃(ゆうこう)氏(満明寺住職) ▼題 目 「健康」・「信仰」・「観光」のお山雲仙  〜健康、信仰、観光のそれぞれの視点からお山雲仙を巡る〜 ▼定 員 50人 ▼参加料 無料 ▼問い合わせ先 島原半島ジオパーク協議会事務局 65-5540/info@unzen-geopark.jp ※当日は「雲仙やまびこ会館」の駐車場をご利用ください (写真)満明寺と住職の福田 宥晃(ゆうこう)氏