◎つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク  島原半島ジオパーク協議会(65-5540) かつての面影を残す唯一の景観 奥雲仙・田代原(たしろばる)  雲仙温泉から国道389号を北に移動すると、吾妻岳と九千部岳に挟まれた場所に、東西にまっすぐに伸びる平坦な場所があります。奥雲仙・田代原は、山の中であるにもかかわらず、平坦面が広がっていることから、古くから馬や牛が放牧されていました。  特に江戸時代には、当時の島原藩主の方針によって、体質健全な“島原馬”の生産が推奨されたこともあり、夏の涼しい時期には馬の放牧が盛んに行われていました。馬や牛が草を食べるため、山間には森林ではなく草原が広がり、その草原には九州の火山地域にしか自生しないミヤマキリシマが美しい群落をつくっていました。ミヤマキリシマだけが残ったのは、日当たりがよいことに加え、ミヤマキリシマは葉に毒があるため、牛馬が食べるのを避けたためです。このような、奥深い山の中の平坦面は、どのようにしてできたのでしょうか。  この平坦面は、島原半島を東西に走る最大の断層・千々石断層を境に、南側の地面が沈み続けているために生じたものです。田代原キャンプ場や田代原トレイルセンターの北に見える高い崖は、数十万年間にも及ぶ大地の活動がつくった景観で、今も少しずつ高くなっています。  牛馬の放牧は、昭和の初期ごろから徐々に減少し、今はほとんど行われなくなりました。九州のような湿潤・温暖な地域は、放っておけば森林になってしまいます。草原の中にミヤマキリシマの群落がある、という、雲仙の山間部の面影を唯一残す場所ともいえる田代原の景観は、自然環境を守る地域の住民が中心となって、今も守り続けられています。 (写真)草原の向こうに見えるのは、千々石断層がつくる崖 島原半島の未来をみんなで考えよう! 日本ジオパーク認定10 周年記念シンポジウム ▼と き 11月10日(土)〜11日(日)※11日はジオツアーのみ ▼ところ 島原復興アリーナ サブアリーナ ▼内 容 ○11月10日(土) 11時〜17時10分(受付:10時30分〜)  日本ジオパーク委員会 中田 節也(なかだ せつや)委員長(東京大学名誉教授)を招いた基調講演や、みんなで島原半島の未来を語り合う分科会、高校生ならではの視点で島原半島の魅力を伝える高校生研究発表会など、盛りだくさんの内容です。(参加無料) ○11月11日(日) 9時〜12時(受付:8時30分〜)  認定ジオガイドの案内により、島原半島ユネスコ世界ジオパークを楽しむツアーを実施します。(参加費1000円) ※がまだすドーム前広場にて「島原半島ジオ・マルシェ」を同日開催 ▼申込方法 電話、または次のQRコードから申し込んでください