◎輝く島原人 THE SCENE Vol.21 島原に生きる 広報しまばらでは、生き生きと活動し、楽しみながら社会に貢献する人生の達人たちを「輝く島原人」として紹介しています。 第21回目はホタル保存会の会長を務め、地域の子どもたちに小さな命と環境保護の大切さを伝える活動を続けている吉田 孝信(よしだ たかのぶ)さんを紹介します。 「人生の達人」吉田 孝信さん(69)  昭和24年、5人兄弟の次男として有明町川こうち内で生まれ、育つ。地元の中学を卒業後、大阪で自動車関係の仕事に就き、結婚を機に地元に戻る。平成25年からホタル保存会会長を務め、小さな命と環境保護の大切さを伝える活動を続けている。  体育指導員(現スポーツ推進委員)を26年間、民生委員・児童委員を6年間務めるなど、本市の児童福祉や社会福祉活動に尽力。有明町大三東在住。 (写真)高野小学校で笑顔で「ホタル学習」の授業を行う吉田さん 高野のヒカリを守る 〜 孝(たか)ちゃん先生〜 ▼親として、地域の先生として  高野小学校から「孝ちゃん先生」という子どもたちの声が聞こえてきました。大勢の子どもたちに囲まれていたのは、高野地区で生まれ育った生粋のじげもん、吉田孝信さんです。  吉田さんは自身の子どもが高野小学校に入学して以来、PTA活動を始め地域の行事に積極的に関わっています。また、長年に渡り体育指導員を務め、スポーツの振興や指導に携わり、高野小ソフトボールチームの指導者として全国2位という実績を残しています。熱心な指導とそれに応える子どもたちとの信頼関係が今も昔も変わらないのは、「年齢に関係なく言いたいことを言いあえる人間関係を大切にしているからです」と話してくれました。 ▼背伸びしない郷土愛  飾らない性格で自然と人を引き寄せる魅力を持つ吉田さん。PTA会長として、高野まつりやタスキリレーなど多くの活動に携わりました。その活動の中に、高野地区に長年在り続ける「ほたるの里」を守るホタル保存会の活動があります。  平成2年に会を立ち上げた故黒田孝博(くろだ たかひろ)前会長の意思を引き継ぎ、6年前から会長を務めています。一緒になってホタルを飼育し、放流する活動を通して、ホタルが住める清流を守り大切にすることで子どもたちの健全育成を目指しているそうです。「数週間しか輝くことのできない、小さな命の大切さを自分たちの経験を通して学んで欲しいです」と話してくれました。  環境汚染が叫ばれる中、高野地区のホタルは増え続けているそうです。「一生懸命ホタルを育てる子どもたちの姿を見て、逆に大人が自然を大切する心を学んでいます」と教えてくれました。  もうすぐ70歳を迎える吉田さんは、「こういう活動は義務や強制ではなく、背伸びせず出来る範囲で頑張る気持ちが大切です。変わらない高野の自然環境を地域のみんなでこれからも守り続けます」と、孝ちゃん先生は明るい笑顔と元気な声で話してくれました。 (写真上・下)卒業生が作った看板や湯江川周辺など、「ほたるの里」を清掃活動する吉田さんと在校生の皆さん