◎輝く島原人 THE SCENE Vol.23 島原に生きる 広報しまばらでは、生き生きと活動し、楽しみながら社会に貢献する人生の達人たちを「輝く島原人」として紹介しています。 第23回目は男子陸上短距離界で世界を舞台に活躍している島原高校3年生の池田 成諒(いけだ せいりょう)さんを紹介します。 池田 成諒さん(17) 平成14年、2人兄弟の長男として国見町で生まれた後、島原市内に生活の中心を移す。三会小学校時代にレスリング全国制覇、ソフトテニスを経験した後、有明中学校時代から本格的に陸上を始める。 現在も島原高校に通いながら、世界を目指し陸上を続けている。えひめ国体少年男子B100m優勝(平成29年)、ユースオリンピック男子100m銅(平成30年)、アジアユース陸上競技選手権男子100m銀(平成31年)。中原町(なかばらまち)在住。 駆け抜けろ 俺の進む走路(みち) (写真)島原高校陸上部の仲間と切磋琢磨しながら練習をする池田さん(中央) ▼運命は仲間との出会い  高校時代を中心に数々の成績を残してきた池田成諒さん。陸上を本格的に始めるきっかけとなったのは、小学6年生の時、三会小学校の同級生で出場した「リレー全国大会」でした。池田さんと同じくらい足の速い同級生が他に3人もいたそうです。運命の仲間4人で出場したリレー大会では全国13位の成績を残しました。  誰かに言われる訳でもなく、自分たちで出場を決め、仲間同士で練習を行い、結果を出して帰ってくる。現在の池田さんの陸上スタイルは、この頃から既に確立していたようです。  「中学へ進学する人生の大事な岐路で、陸上が楽しいと思わせてくれる、切磋琢磨できる大切な仲間と出会えたことが、今の自分にとってとても大切な時間だったと思います」と、当時を振り返って話してくれました。 (写真)リレー全国大会出場に向けた激励式のために来庁した池田さん親子(一番左と一番右)と3人のリレーメンバーと古川市長(平成25年8月) ▼「人」としての高みを目指す  陸上の道を極めるなら、陸上に特化した学校へ進学するという選択肢もあったはずです。このことについて「中学時代は最も良い成績が全国4位でした。まだまだ志半ばで、満足のいく結果も残せていなかったので、地元の学校に通い結果を出すことで、島原のために役に立ちたい」と進学の理由を明かしてくれました。  しかしながら、陸上と学業の両立は並大抵なことではありません。世界大会出場のため数週間、海外に行くこともよくあるそうです。帰国後すぐに試験があると、寝る間を惜しんで勉強し、試験をクリアしてきたそうです。「自分で選んだ道とはいえ、高校生活は陸上と学業の両立でとても大変です」と今まで経験してきた苦労を少しも見せることなく、明るく話してくれました。  ここ数年陸上短距離走界が盛り上がりを見せ、10秒を切る選手がぞくぞく現れています。「メディアから注目を浴びることは嬉しいです。記録を出しても、出さなくても評価されるのは自分自身なので、プレッシャーもありますが、同じくらいやりがいもあります」と、話す姿にメンタルの強さが垣間見えました。  海外遠征で驚くことは、「コーチの指導力の高さ」だそうです。走りを高める指導を受けるのと同時に、将来の自分の姿を重ね合わせ、セカンドキャリアを意識しながら「プロの指導力」も勉強しているそうです。  「先日出場を決めた8月に沖縄で行われるインターハイや来年行われる日本選手権での決勝進出。さらには2024年パリオリンピックの出場を視野に毎日限られた練習時間を大切にし、更なる高みを目指してこれからも頑張ります」と、17歳の爽やかな笑顔で今後の目標を話してくれました。 (写真)インターハイ出場をかけた準決勝のレースで予選1位でゴールする池田さん