●つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク  島原半島ジオパーク協議会(65-5540) ○絵師が筆を洗う名水が湧く場所  与茂作川(よもさくがわ) 1637年に勃発した「島原・天草一揆」は、原城に立てこもった一揆軍が80日間以上も幕府軍と戦い続けたのち、内通者一人を除く全員が命を落とす、という結末を迎えました。この一揆をきっかけに、徳川幕府は海外諸国との外交関係を統制し、国内の統治制度を強化しました。  このように、日本の近代政治に大きな影響を与えた一揆の中で、唯一生き残った内通者が、山田右衛門作(やまだえもさく)と呼ばれる絵師でした。有馬家の家臣だった右衛門作は、「島原・天草一揆」の際に「天草四郎陣中旗」を描き、一揆軍の連携強化と気運の醸成に貢献しました。内通の発覚後、一揆軍に軟禁されていたところを幕府軍に救出された右衛門作は、その後江戸に上り、放火犯ポスターを描いたり、キリシタンの目明しをしていた、とされていますが、その生涯はよく分かっていません。  この右衛門作が、近所の子どもたちに拾わせたクルミからとった油を用いて南蛮画を描く際に、自らの筆を洗ったとされる場所が、南島原市口之津町を流れる小さな川です。右衛門作のエピソードにちなんで「与茂作川」と名付けられたこの川は、かつてはホタルが舞う清流でした。その後、河川改修等によって自然環境が変化し、往時の姿は失われつつありますが、約400年前に右衛門作が筆を洗った清流は、約200万年前にここを流れていた川の中や、その河口にたまった地層の間から、今も変わることなく静かに湧き続けています。 (写真)与茂作川は口加高校グローカルコース環境班の生徒達が、この地域の自然環境とその復元をテーマに研究を続けています(口加高校 提供) ○第34回「ジオ空教室」 島原半島の歴史・文化・自然、そしてそれらをつくりだしたジオの魅力を、その道のプロが毎回たのしく紹介します。ふるってご参加ください! ▼と き 9月28日(土) 9時〜11時30分(受付:8時30分) ▼集合場所 株式会社長有研(ちょうゆうけん)(南島原市口之津町丙2862-1) ※駐車場あり ▼講 師 森 輝隆(もり てるたか) 氏(口之津歴史民俗資料館 館長) ▼題 目 「あの山登れるの!? 愛宕山(あたごやま)制覇」 ▼内 容 地元の人でさえも登れることを知らない人が多い愛宕山。      その愛宕山の歴史について登山を通してお話しします ▼参加料 無料  ▼定 員 20人 ▼申込期限 9月25日(水) ▼申込方法 氏名、住所、性別、生年月日を記入のうえメール(info@unzen-geopark.jp)で申し込んでください(電話での申し込みもできます)