●つなごう!未来へ 島原半島ユネスコ世界ジオパーク  島原半島ジオパーク協議会(65-5540) ○地域を繋ぐ(つなぐ)溶岩 ー北有馬町の石橋群ー  九州は全国的に見ても石橋が多い地域で、特に美しい弧を描くアーチ式の石橋はその9割が九州に存在する、とも言われています。島原半島にも多くの石橋がありますが、中でも南島原市北有馬町は、美しい石橋が複数見られる地域です。  北有馬町内には少なくとも10の石橋があります。中でも、有馬川の支流に架かる荒田下橋(あれたしもばし)、田中橋、元平橋(もとびらばし)、坂下橋(さかしたはし)、面無橋(おもなしばし)の5つの石橋群は、地方の近代化を象徴する価値を持つとされ、平成31年2月14日に「有馬の石橋群5橋」として、長崎県の有形文化財に指定されています。  これら5つの橋のうち、江戸時代後期に架けられたとされる面無橋には安山岩が、明治〜大正時代に架けられた残りの4橋には玄武岩が用いられています。つまり、石橋をつくるのに適した石材としての溶岩が容易に手に入ったことが、この地域に石橋が発達した理由の一つです。  しかし、この地域に石橋があるのは別の理由もあります。それは、橋を架けなければ渡ることができない川の存在です。  北有馬町付近には、約50万〜30万年前にもたされた雲仙火山の噴出物や、海などにたまってできた、さらに古い時代の地層が分布しています。これらの地層は、島原市有明町から南島原市深江町に分布する15万年前よりも新しい時代につくられた地層に比べて水を通しにくいため、降った雨の多くは地面にしみこまずに地表を流れます。地表を流れる水はやがて集まり、川となって大地を削ります。北有馬町付近は長年にわたって大地が削られ続けたため、谷が発達しました。そこで人々は道を確保するために、洪水が起きれば流されてしまう木の橋ではなく、あえて手間のかかる石橋を架け、互いの交流を維持したのでしょう。  島原半島をつくった溶岩は、地域を繋ぐ架け橋として、今も地域の交流を支えています。 (写真)元平橋(南島原市北有馬町) 大正10年に架けられたこの石橋は、玄武岩を組んでつくられています。 ※広報しまばら11月号のP28で掲載した写真について、「雲仙・八万地獄」と紹介をしていましたが、正しくは「雲仙・お糸地獄」 です。お詫びして訂正します(島原半島ジオパーク協議会) ○第37回「ジオ空教室」 島原半島の歴史・文化・自然、そしてそれらをつくりだしたジオの魅力を、その道のプロが毎回たのしく紹介します。ふるってご参加ください! ▼と き 12月19日(木) 13時30分〜15時30分(受付開始:13時〜) ▼集合場所 舞岳山荘 駐車場(有明町大三東戊5580-2) ▼講 師 大森 清美(おおもり きよみ) 氏(島原百草の郷代表) ▼題 目 「シマバライチゴ摘み体験!」 ▼内 容 舞岳山荘のハーブ園での長崎県天然記念物のシマバライチゴの採取体験や試飲・試食を通してシマバライチゴを楽しみます  ▼参加料 無料  ▼定 員 20人  ▼服装等 動きやすい服装、園芸用ゴム手袋 ※シマバライチゴにはトゲがあるため、服装などには注意してください ▼申込方法 氏名、住所、性別、生年月日を記入のうえ、メール(info@unzen-geopark.jp)または電話で申し込んでください  ▼申込期限 12月16日(月)