◎輝く島原人Vol.28 マイペースで 生み出す 地域力  広報しまばらでは、生き生きと活動し、楽しみながら社会に貢献する人生の達人たちを「輝く島原人」として紹介しています。 第28回目は、島原半島で納税に関する活動を続けている、松本 義成(まつもと よしなり)さんを紹介します。 「人生の達人」松本 義成 さん(63)  昭和31年、4人兄弟の末子として有明町湯江で生まれ、育つ。小学から高校まで地元の学校へ通い、その後は兄弟と共に家業を継ぎ、現在に至る。有明町の青年団長や商工会青年部長などの経験を経て、現在は主に県警少年補導員(平成16年~)や島原税務署管内納税貯蓄組合連合会長(平成18年~)を務める。財務大臣納税表彰受彰(令和元年)。有明町湯江在住。 (写真)口之津中学校で中学生の税に関する作文の表彰をする松本さん ○つながりと気付きを大切に  平成5年頃、有明町商工会青年部長をしていた松本さん。この年、納税貯蓄組合の存在を知り、いきなり青年部の副部長を受けたことから、必然的に今につながりが出来た気がするそうです。  入ってすぐ、県連の総会へ青年部長の代理で出席した際に関わってくれた、税務署職員の真面目な人間性に触れ、税務署に対する親近感が湧いたそうです。「様々な決まりや制約がある中で、税務署の皆さんと互いの立場を理解し、認め合い、協力し合う気持ちが活動に対するモチベーションになり、長続きするポイントになっています」と活動を続けられる理由を教えてくれました。  納税貯蓄組合の活動の一つに、「中学生の税に対する作文」があります。当初、作文の選考会は普段たくさんの文書を読む機会が少ない松本さんにとって、プレッシャーと重責で大変でした。しかし、一生懸命書いてくれる生徒のために、自分たちも頑張らなければいけないと、今では最も力を入れている取り組みの一つになっています。  「島原半島の学校はどこも協力的で、素直で元気の良い真面目な生徒が多い印象です。この作文を機会に納税貯蓄の意義について考え、期限内完納や納税するためには貯蓄が大切であることに気付いて欲しい。そして、身の回りのいたるところに税金が使われていることを知り、物を大切にする心を育んで欲しいです」と本取り組みに対する思いを話してくれました。 (写真)家業を継ぎながら、地域のための活動を続けている松本さん ○行動から見つかる課題  地元の高校を卒業後、家業を継いだ松本さん。昭和54年に青年団に入り、2年後には青年団長になりました。  人と関わることが好きで、自分の視野を広げたいと、昭和57年「九州青年の船」で中国へ行った時の仲間との出会いが、その後の活動に関わる大きな転機になりました。 仲間の誘いで「わたぼうしコンサート」や「ヤングサンタ」などに参加し、福祉施設を訪問しました。「この時に得た充実感や達成感、満足感は今でも忘れられません」と当時の思いを話してくれました。  有明町青年団の頃は野外音楽祭や盆踊り、敬老の日の演芸祭などを開催していました。その後は、ろうあ者で作る人形劇の公演や、中国から目の不自由な子どもたちを招き楽器演奏会を開催するなど、活動の幅を広げました。  これらの主な開催場所は有明体育館や町民センターでした。当時は車椅子への配慮や障害者用トイレなどが整っておらず、自分たちでスロープを設置したりポータブルトイレを持ち込むなどして対応しました。  「何もしなければ見えてこない施設の欠点が、このような活動を通して見つけられました。もっと障害を持つ人に寄り添い、少しでも町を改善・改良していく努力につなげたい」と、活動理念を語ってくれました。   (写真右)県少年補導員として年末の防犯活動を実施している松本さん (写真左)財務大臣納税表彰授彰時(左上)、島原税務署と協力して、税に関する活動する松本さん(右)