◎輝く島原人 THE SCENE Vol.29 島原に生きる 永遠(とわ)に一瞬(とき)を残す魔術師  広報しまばらでは、生き生きと活動し、楽しみながら社会に貢献する人生の達人たちを「輝く島原人」として紹介しています。 第29回目は、島原半島の魅力ある風景や人物を写真を通して伝える、写真家 巽 信吾(たつみ しんご)さんを紹介します。 「人生の達人」巽 信吾 さん(78)  昭和16年、3人兄弟の長男として島原市中堀町で生まれ、育つ。地元の高校卒業後、家業の写真業を継ぐため、東京写真短期大学(現東京工芸大学)へ進む。卒業後は父親を手伝いながら写真の勉強を続け、29歳から本格的に家業に従事。子どもたちへ世代交代した今も、精力的に写真を撮り続ける。  日本写真館賞大賞経済産業大臣賞(平成27年)、全国展下岡蓮杖賞(平成25年)、島原半島文化賞(平成30年)など多数受賞。島原市のPRを考える会代表。中堀町在住。 (写真)空からの写真撮影に愛用しているドローンを操作する巽さん ○幸せな写真人生に感謝  物心がつくころには、既にたくさんのカメラに囲まれて育った巽さん。小学3年生のころ、カメラを3台持って大手広場で開かれていた島原初市を楽しむ様子に周囲の大人は驚いていたそうです。  報道カメラマンを目指したころもありましたが、長男としての責任感と両親の期待に応えるため、地元島原で家業の写真館を継ぐ道を選択しました。  当時は現在自宅のある中堀町商店街にスタジオを構え、周囲の人々や親戚、友人たちに支えられながら写真に関わる仕事に邁進しました。「辛かったこともあったかもしれませんが、今は全て忘れてしまいました。今まで支えてくださった皆さん、苦楽を共にしてくれた妻や後を継いでくれた子どもたちに感謝する毎日を送っています。楽天的な性格なので、マイペースに趣味として写真に没頭する生活を楽しめて、本当に運が良いです。」と、その道を極めた職人気質を一切見せることなく、笑顔で今までの人生を語ってくれました。 (写真右)カメラを手に島原半島の素晴らしさを写真に残し続ける巽さん (写真左)巽さんのお気に入りの作品で、日本写真館賞大賞経済産業大臣賞に輝いた「幸せのかけっこ」 ○燃え続ける郷土愛  幼いころから映画や音楽が身近にある環境で育った巽さん。故黒澤明監督の映画やイタリア・フランス映画などに写真撮影に関する影響をたくさん受けました。  仕事としての写真人生がひと段落した今、今後の活動として、島原半島の魅力を写真や動画を通して広く発信したいと考えているそうです。なかでも今、精力的に活動しているのが、平成30年に有志で結成し代表を務める「島原市のPRを考える会」でのPR動画の制作です。「月に2回程度定例会を開き、会のメンバーで議論や研究をしている時間がとても楽しいです」と、目を輝かせながら話してくれました。  今後は、今まで撮りためた作品をまとめた写真集を作るという目標を心に秘めながら、島原市の発展に寄与できるような写真や動画を、昼夜問わず納得がいくまで何度も撮影し続ける姿は、カメラを持って遊び回っていた子どものころのままのようです。  これからの島原を支える若者たちへ「自分が熱中できる趣味や仕事を持つと幸せな人生が送れると思います。今の自分の数十年先を考え、勉強したり行動したりして欲しいです」と、熱い思いを話してくれました。 (写真上)志が同じ仲間と島原のPR動画制作について、打ち合わせをする巽さん (写真下)完成したPR動画を発表、市へ贈呈した際に取材を受ける巽さんと会の皆さん (QRコード)巽さんと会の皆さんで作った島原市PR動画はこちらからご覧になれます。