◎令和2年度 施政方針(要旨) 月28日に開会された市議会3月定例会初日に、古川市長が令和2年度の市政運営に対する基本姿勢および今後取り組む重点施策を「令和2年度施政方針」として述べました。 ※全文など詳しくは市ホームページをご覧ください (写真)市議会3月定例会で、令和2年度の施政方針を述べる古川市長 令和2年度の島原市 令和2年度は、市制施行80周年、新庁舎の落成などの記念すべき事業と、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催に伴う事前キャンプなど、国内外からの交流人口の増加も期待できる年です。  本市は厳しい財政状況が続いておりますが、持続可能な財政運営を目指して全力で市政運営に取り組みます。 1. 総務部門 ○市勢振興計画  令和2年度は市政運営の基本方針で本市の今後10年間を見据えた大変重要な計画である「島原市市勢振興計画」の第7次計画と、第2期「島原市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の始まりの年度となります。第2期総合戦略では、重要テーマである「移住」、「定住」、「婚活」をさらに推進し、人口減少対策並びに地方創生に取り組みます。 ○人口減少対策  若者が島原で就職し、結婚し、子どもを産み育てていく、そのような将来を見据えた人口減少対策を総合的に推進します。また、移住者を増やすため「島原暮らし」の魅力を専用のホームページ、SNSで積極的に発信していきます。 ○行政改革  「島原市第5次行政改革大綱」に基づき、より簡素で効率的な行政システムを確立し、さらなる行政サービスの質の向上に取り組みます。 ○島原半島地域の振興  地域高規格道路「島原道路」の全線早期整備、「九州新幹線西九州ルート」の開業を見据えた公共交通の連携強化など半島地域の発展に努めます。 ○地域公共交通(写真:島原市コミュニティバス たしろ号出発式)  コミュニティバスが地域の生活に密着した利便性の高い移動手段となるよう地域の意見、生活環境の変化に柔軟に対応していきます。また、島原鉄道については、市民や観光客にもっと利用してもらうための仕掛けを展開します。 ○ふるさと納税  返礼品のみならず、寄附者が実際に本市を訪れて思い出に残る体験をしてもらい、島原の魅力を感じてもらえるような返礼品を造成するなど、さらなる「ふるさと島原」の魅力発信につなげ、寄附金の大幅増加を目指します。 ○兄弟都市提携50周年(写真:豊後高田市への友好親善訪問の旅(令和元年))  兄弟都市である大分県豊後高田市から約100人の訪問団が本市を訪れます。心のこもったおもてなしができるように努めます。 ○情報発信  「広報しまばら」のさらなる内容の充実を図り、市民の役に立つ広報紙づくりを目指します。市ホームページをはじめ、SNSの活用にも力を入れます。 ○窓口・施設などのキャッシュレス化  利便性・効率性を図るため、キャッシュレス決済サービスが利用できる仕組みを導入します。 ○公共施設の管理  市営住宅や体育施設などの公共施設の統廃合や 集約化、長寿命化などを定めた「個別施設計画」を推進し、公共施設の適正配置や財政負担の軽減、平準化を図ります。 ○分譲地の売却促進事業・定住促進事業  土地を購入した人、家を新築した人、定住した人に助成を行い、市内経済の活性化や定住促進を図ります。 2. 福祉保健部門 ○高齢者福祉対策  「高齢者がいきいきと輝くまちづくり」を目指し、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らしを続けていけるよう、地域包括ケアシステムの充実を図るとともに、健康づくり、生きがいづくりを推進します。 ○障害者福祉対策  全ての住民が安心して暮らせる地域共生社会の構築を推進します。その一環として、聴覚や言語に障害のある人へのコミュニケーション支援の一つとして、手話通訳ができる人材を配置するなど、手話の普及に取り組みます。 ○生活保護  生活習慣病予防などの健康管理支援や就労支援を行い自立を促進します。生活保護受給者以外の生活困窮者に対しても安心して自立した生活が営まれるように引き続き相談・支援を行います。 ○児童福祉対策(写真:元気に遊ぶ園児たち)  副食費の助成、年齢制限と所得制限を廃止し、第2子以降の保育料の完全無償化を実施します。  中学生までの医療費、乳幼児の育児用品代の助成を通じて、子育て家庭における経済的負担の軽減を図ります。  特定不妊治療費の1回あたりの助成額の引き上げ、出産直後の母親に対して心身のケアと育児のサポートなどを行う産後ケア事業、子どもの一時預かりや送迎など幅広い育児支援を行うファミリーサポートセンター事業の実施など、出産から子育て期における切れ目のない、子どもたちを安心して育てることができる環境づくりに引き続き取り組みます。 ○市民の健康づくり  健康増進計画および食育推進計画に基づき、市民との協働により健康づくりを推進します。  各種がん検診や人間ドックなどの健康増進事業、妊婦から乳幼児の健康診査や相談、指導などを行う母子保健事業、結核・肺がん検診は集団検診に加え、医療機関での個別検診を引き続き実施します。  定期予防接種として、風疹抗体検査および予防接種、本年10月からロタウイルスワクチン予防接種を定期接種化します。任意予防接種については小児インフルエンザ予防接種の費用助成を中学生まで拡大します。 ○国民健康保険事業  医療費の適正化や保険税の収納対策など、より一層効率的で適正な国保事業の運営に努めます。 3.環境部門 ○環境保全  市民や事業所と連携した地球温暖化対策を進めるとともに、節電対策を実施し、省エネを推進します。 ○ごみ収集  昨年度の有明地区の民間委託に続き、本年度は三会・安中地区を委託します。また効率的で安全なごみ収集を行うため、戸別収集のステーション化を推進します。 ○廃棄物処理  ごみを減らす・繰り返し使う・資源として再利用する「3R(スリーアール)」を基本に取り組みます。 ○ごみの減量化  「4万人のごみ減量プロジェクト」として目標値を設定し、生ごみの水切り、たい肥化、紙類の分別、資源化の徹底により、ごみの減量化に取り組みます。 4.農林水産部門  経営基盤の強化を重点施策として、農作業の省力化や経営規模の拡大、生産コストの縮減を進めるとともに、最新技術を活用したスマート農業や次世代施設園芸の促進などにより、若者にも魅力ある農業を推進し、産地の競争力強化に取り組みます。 ○担い手対策  担い手への農地集積、集約化をさらに進めます。また、規模拡大に必要な労働力を安定的に確保するため、労力支援システムの強化や移住促進との連携、外国人材受入れのための、新たな派遣サービス事業体も有効 に活用し、労働力の確保に努めます。 ○畜産業  畜産クラスター構築事業などを活用し、生産基盤の維持、拡大を進め、競争力強化と経営安定を図ります。 ○水産  漁場環境の保全に努めるとともに地域の特性にあった魚種の種苗放流を継続し、資源管理の取り組みを推進します。 ○陸上養殖(写真:養殖アワビ(ジオアワビ))  アワビ養殖における、ICT機器による養殖環境データの蓄積と、現場の技術を融合させたスマート漁業を確立します。 5.商工観光部門 ○企業立地促進・雇用創出  新たな設備投資と新規雇用に対する支援をさらに推進します。併せて、本市へのUIターンを考えている人、サテライトオフィスの設置を検討している企業などに対し、本市視察時の支援を行います。  産学官連携を積極的に行い、さらなる産業の振興と雇用の創出を図ります。 ○中心市街地商店街の活性化対策  空き店舗所有者と新規出店希望者のマッチング支援や開業サポートにより、街の元気と賑わいを創出します。また、中心市街地に位置するイオン島原店の再開発計画については地域と一体となって中心市街地の活性化に取り組みます。 ○物産流通・ブランドの確立(写真:阪急梅田駅「島原ショップ」)  市内事業者および生産者の営業力を強化し、国内外へ地元産品の販売促進を図ります。 ○販路拡大・新商品開発  国内外での新たな販路の開拓や既存販路を確固なものとします。また、市内の高等学校と地元企業との共同開発による商品化のプロジェクト活動を支援し、地元水産物(雑魚)を活用した商品開発に取り組みます。 ○観光(写真:島原城築城400年記念事業「島原みらいキャンパス」)  「島原城築城400年 繋げ未来へ!」をキャッチフレーズに、市民の機運醸成を図りながら、歴史や湧水・温泉などの自然の恵みを活用した観光の振興を図ります。また、映画やドラマなどのロケ地を観光の素材として地域の振興につなげていくロケツーリズムの推進を築城400年記念事業の一つとして取り組みます。  浜の川湧水観光交流館「銀水」はNHK長崎発地域ドラマ「かんざらしに恋して」で全国放送され、本市を代表する観光資源である「湧水」を活用した施設として鯉の泳ぐまち観光交流施設と併せて効率的なPRを図ります。 ○ジオパーク(写真:島原半島ユネスコ世界ジオパーク)  本年度は日本ジオパーク再認定の年であり、半島3市が一層連携を強化し、地域の特色を生かした持続的な発展に向け取り組みます。 ○九州オルレ「島原コース」  健康志向で楽しく歩き回ることができるジオパークとして本年2月にオープンした。九州観光推進機構や他のオルレコースと連携し、広域的な交流人口の増加を図ります。 ○温泉給湯事業  ヒートポンプによる温泉の供給から4年が経過し、これまでの実証事業の結果などをもとに、引き続き、安定かつ効率的な運営に取り組むとともに、島原温泉の認知度を高めるためのPRを展開し、観光の活性化につなげます。 6.建設部門 ○幹線道路の整備  地域高規格道路「島原道路」の出平町から有明町間の工事が進行しており、早期完成に向け国土交通省や県と連携を図りながら取り組みます。  市道整備として「堀町縦線」の測量、調査、改良工事を進めます。 ○船津地区の恒久的な高潮対策(写真:広馬場下埋立)  県営事業である高潮堤防の完成、令和3年度の排水ポンプ場の完成に向けて県と連携を図るとともに広馬場下埋立の完成に向け鋭意進めます。 ○都市計画道路  「霊南山ノ神線」の早期完成に向けて取り組むとともに「親和町湊広場線」と「安徳新山線」は都市計画の事業認可を取得し、用地交渉などに着手します。また、「新山本町線」は県と一体となり事業促進に努めます。 ○島原城築城400年に向けて  令和6年の島原城築城400年に向けてお堀周辺の魅力アップのため、無電柱化による電線の地中化や歩道の改修などを関係機関並びに住民皆さんと協働で進めます。 ○生活排水対策  従来の個別の合併処理浄化槽に加え、PFI方式による民間を活用した市町村設置型合併処理浄化槽の導入について本市の実情に合った計画の策定に取り組みます。 7.消防防災部門  互いに支えあう「災害に強い人づくり・まちづくり」を防災機関と市民が一体となり取り組みます。  雲仙普賢岳の溶岩ドーム対策と眉山治山対策はハード面での治山施設整備や貯砂容量の確保、ソフト面での避難対策を進めます。  新庁舎に各種防災情報を集約し、避難勧告などを行うシステムを導入し、防災減災を推進します。 ○自主防災組織 (写真:島原市防災避難訓練(有明地区))  安中地区をモデル地区として取り組み、他地区でも順次、組織の再編と強化を進めます。また、三会地区で実践に即した防災避難訓練を行います ○消防団員の体制  各種訓練を通して消防団員の資質と機動力の向上を努めるとともに、消防自動車や防火水槽の増設などを計画的に整備します。 8.教育部門 ○確かな学力  児童生徒に確かな学力を身に付けさせるために、習熟度別学習を積極的に取り入れた少人数授業など、きめ細かな指導を充実させます。また、市独自で学力調査を行い、学習指導の充実・改善を図ります。 ○いじめ・虐待・不登校問題  年3回以上のいじめアンケート調査の実施、全小中学校へのスクールカウンセラーの配置や全中学校への心の教室相談員の配置に加え、スクールソーシャルワーカーの有効活用を図ることで、早期発見、早期対応、未然防止に努めます。 ○国際化への対応  平成31年度から外国語指導助手を7人配置し、小学校での外国語活動や新教科の外国語科、中学校での外国語授業の充実を図ります。また、英会話の楽しさを実感させるため、「島原市ジオパークイングリッシュキャンプ」、国際的視野の拡大などを目的とした中学生を対象とした海外訪問交流事業を実施しています。 ○特別支援教育  小中学校への学習支援員を配置し、個に応じた支援体制のさらなる充実を図ります。 ○小中学校の施設整備  第五小学校および第二中学校校舎の外壁改修、防水工事および空調設備の更新に取り組みます。  学校プールの維持管理費などの削減や水泳指導の質の向上を目指して試行的に有明地区3小学校の水泳授業を市営有明プールで行い、費用対効果を検証します。 ○文化財(肥前島原松平文庫所蔵 小早川資料)  「肥前島原松平文庫」所蔵の未整理資料の調査と整理を行うとともに、島原城跡について、保存活用計画の策定に取り組みます。  ○大規模大会の受入体制 (写真:スペインレスリングチームトレーニングキャンプ)  国内外のスポーツキャンプや国際規模大会の誘致を図り、本市の「国際観光スポーツ交流都市」としての位置づけを確かなものにします。  また、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、オリンピックスペインレスリングチーム、パラリンピックドイツ陸上競技チームの事前キャンプが行われます。両チームが最高のコンディションで本大会に臨めるように全庁を挙げて受け入れ態勢の整備とサポートに努めます。 9.水道部門 ○水道事業(写真:上の原浄水場(完成予定図))  「安全でおいしい水をいつまでも」を基本理念に、100パーセント天然地下水による水道水の安定供給を目指し、上の原・安中配水池の耐震化事業など安全で持続可能な水道の構築に向けた事業を進めます。 ※施政方針の全文は市ホームページに掲載しています 「島原市 施政方針」検索