世界に羽ばたく島原半島ジオパーク17 テーマ:市民誰もがジオガイド 「早崎半島(はやさきはんとう)」  今月は、南島原市口之津町の早崎半島を紹介します。  島原半島の最南端に位置する早崎半島は、私たちが住む島原半島が誕生した場所です。430万年前に、早崎半島付近の海底で火山噴火が始まり、高温のマグマと海水が直接触れることにより、大爆発を何度も起こし、大量の火山灰が海中に堆積しました。その後、火山体が成長し、火口からマグマのしぶきが噴き上がり、あふれ出た溶岩流が、地表を覆いました。この時あふれ出た溶岩は、玄武岩質溶岩で、粘り気の小さい赤い溶岩が川のように流れ下ったことでしょう。その様子は、現在のハワイ島などで観察される溶岩流と同じものと考えられています。  また、早崎半島の付け根にある口之津港は、深い入江と水深を有し、大型船が入港できる天然の良港であったため、16世紀には南蛮貿易やキリシタン布教の拠点として、また明治から大正にかけては三池石炭の積出し港として栄えました。  実は、この地形は、口之津断層によって落ち込んだ凹地に、海が入り込んでできたものなのです。もし、この断層がなければ、その後の歴史は大きく変わっていたかもしれませんね。 【写真】早崎半島の海岸では、黒い石畳のような溶岩流(早崎玄武岩)が露出しています。 【写真】火山灰と溶岩の境目の層は、熱によって中の鉄分がさびつき、赤く焼けています。 【写真】口之津港周辺の航空写真 口之津歴史民俗資料館  口之津港内には、洋風建築の口之津歴史民俗資料館があり、明治32年(1899年)に建築された長崎税関口之津支署庁舎を、現在では資料館として、貴重な生活用品、生産用具など数多くの歴史的遺産(資料)を展示しています。 ●問い合わせ先 電話 050-3381-5089 開館時間 9時〜17時 休館日 月曜日 料金 一般 1人:200円/高校生 1人:150円/小中学生 1人:100円 【写真】館長の原田建夫(はらだたつお)さんの楽しい解説は、必聴の価値有りです。