ふるさと再発見 鳥獣図鑑(松平文庫所蔵資料)  松平文庫の蔵書は、歴史・宗教・政治・経済・教育・風俗・自然科学・医学・産業・芸術・諸芸・武術・演劇歌舞・語学・文学など多岐にわたります。その中で医学(本草学:現在の博物学)の分野に分類される「鳥獣図鑑」は、草部(上・下)・木部・鳥獣部・虫部の5帖から成る写生図帖です。  「鳥獣図鑑」は、松平文庫の蔵書である「多識図譜(たしきずふ)」の写生図編として作成されたものです。  「多識図譜」は、安政四年(1857年)に病死した藩医賀来佐之(かく すけゆき)が生前に執筆していた原稿を、島原藩領国東郡(くにさきぐん)上野村(現・豊後高田市上野)の医学者豊田定高(とよだ さだたか)が、翌五年に補訂して完成させた5巻から成る本草学書です。内容は、草部・木部・鳥部・獣部・魚部・虫部の各部ごとに、動植物の漢名・和名を併記し、その生態を詳細に解説しています。  「鳥獣図鑑」の写生図は、そのほとんどを賀来佐之に本草学を学んだといわれる島原藩の岩堀勝政(いわほり かつまさ)が描いています。ごく一部、賀来佐之の四男、五郎が描いたものもあります。カメラが普及する以前は、写生図が唯一ものの姿を伝える手段であり、現在の図鑑と比べても遜色なく細部まで丁寧に描かれており、当時の本草学者の観察力と技術の高さを知ることができます。  複写本は松平文庫(島原図書館内)で見ることができます。 クローズアップ 三会詩吟同好会  皆さんは詩吟というものを知っていますか。  今回、紹介するのは「三会詩吟同好会」の皆さんです。  この会は昭和47年から活動し、現在14人が週2回の練習を行っているそうです。  詩吟は漢詩・和歌・俳句・新体詩などを独特な節を付けて吟ずるもので、一人で吟ずる独吟をはじめ、複数人で順に吟ずる連吟、複数で声を合わせる合吟などがあるそうです。  会長の本多喜代寿(ほんだきよとし)さんにお聞きすると「詩吟は姿勢を正し、お腹から声を出すので、健康増進にも繋がりますし、偉人の遺徳を学ぶことで人生観を充実させることができます。また、仲間同士楽しみながらできるのがいいですね」と話してくれました。  会員の方にお話をお聞きすると「詩吟は精神鍛錬だけでなく、大会など目標を持って楽しむこともできます。子どもから大人まで多くの人に参加してもらいたいたいですね」と話してくれました。  皆さんも、独特の節の中に含まれた名詩を吟じながら、健康増進にも繋がる詩吟を始めてみませんか。 問い合わせ先…本多喜代寿さん(625319)