横田市長被災地レポート 東日本大震災被災地支援  横田市長が、6月11日(土)から13日(月)の日程で、岩手県陸前高田市(りくぜんたかたし)と福島県いわき市を訪問し、派遣職員の激励と、被災地の皆さんを励ますため避難者に島原の特産品などを配布しました。その概要と現地で感じた思いをレポート形式でお知らせします。 6月12日 陸前高田市にて  一関市から陸前高田市に向かって車で移動、車窓から次々と映る被災地の惨状に思わず言葉を失った。今なお瓦礫の山は広範囲に及び、その撤去と本格的復興には時間を要するだろうと感じた。  戸羽太(とばふとし) 陸前高田市長と面談し、災害発生時の生々しい体験談をお聞きした。戸羽市長は3月11日、津波が押し寄せる中、庁舎の最上階に上り、難を逃れたが、津波で奥さんを亡くし、自宅も失くされた。陸前高田市は、人口2万4246人のうち1138人が死亡、行方不明者が625人と多くの市民が犠牲となった。被災家屋は3368戸で、市庁舎をはじめ中心部の多くの公共施設も全壊した。  島原市の災害記録集「平成島原大変」などを手渡し、島原の復興事業などを説明。戸羽市長は被災前後の地図を使って被害状況を説明し「壊滅的被害を受けた中心部をはじめ住めるところをどうするか。土地をどうするかが課題」と語り、安中地区のかさ上げ事業を例にして検討し「島原で培われた経験や知識を参考にして頑張りたい」と語られた。今後とも息の長い支援が必要だと強く感じた。 6月13日 いわき市にて  福島県いわき市を訪れ、被災地視察や避難所3カ所を訪れて島原の特産品を渡し、渡辺敬夫(わたなべたかお)市長を表敬訪問した。  いわき市は、人口約33万人、東京23区2つ分の広い面積。沿岸部が津波被害を受け、3月11日の津波などで、305人が犠牲となり、49人が行方不明、体育館など14カ所で375人が避難生活を送っている。市の中心部では普段の生活を取り戻しつつあるように感じるが、市の北部地域の一部が、東京電力福島第一原発から半径30キロメートル圏内に入っている。  避難所では、原発事故の影響で自宅が警戒区域になったため避難されている方から「仕事を失い、再就職も難しい。自宅がどうなっているのか分からない。帰りたくても帰れないもどかしさ、将来の生活が不安」といったお話をお聞きし、20年前噴火災害当時の住民の不安と重なるものを感じた。  いわき市では、長期復興計画の策定に向け、1回目の会議を開いたとのことで、渡辺市長は「地震に津波、原発事故の影響と風評被害の懸念が続く。放射性物質が含まれている可能性がある瓦礫の撤去も課題であり、国が早期に方針を示すべき。とにかく原発問題が収まらないことには…」と語り、原発問題の難しさをあらためて感じた。 被災地を訪問して  今回の訪問で、1日も早く生活の目途が立つことを改めて強く願いました。 被災地の本格的復興にはまだまだ時間を要するでしょう。全国市長会などを通じて、被災地から要請があっている職員の中・長期派遣も検討していきます。また被災地の子どもたちを招待し、地元の子どもたちとの交流事業も半島3市連携して取り組みます。現地を見て、20年前の島原市民の方々の不安をあらためて思い起こします。復興した島原の姿をお伝えし、災害対策に取り組んだ記録や経験をいくらかでも被災地のお役に立てていただければと思っています。今回の震災から学び、噴火災害の記憶を風化させることなく次の世代に伝えるとともに、常日頃から先人の教訓を重く受け止め、今後のまちづくりを考えて参ります。 【写真】 戸羽陸前高田市長へ資料を進呈 陸前高田市で避難者の話を聞く 被災地へ物資を届けた島原ライオンズクラブと合流