ふるさと再発見 時鐘楼  一年の締めくくりの師走となりました。  大晦日から元旦にかけて市内各地で除夜の鐘を聞くことができます。  城内一丁目、島原商業高校北側にある「時鐘楼」でも、森岳連合楽生会(らくせいかい)のお世話により除夜の鐘が突かれます。  この時鐘楼は、延宝(えんぽう)3年(1675年)松平忠房(まつだいらただふさ)公が当時の領地であった豊後国国東郡(ぶんごのくにくにさきぐん)の職人・藤原正次(ふじわらのまさつぐ)に鐘を作らせ、広く領民に時間を知らせていたものです。  昔は線香の燃えつき具合で時を計っていたようです。  係の者は不寝番(ふしんばん)で見守ったということでしたが、延享(えんきょう)2年(1745年)からは時計を基準にして鐘を突くこととしました。 この間、線香の燃え方にどうしても差異があって困った話や、不寝番の居眠り、鐘の突き忘れなどさまざまな話が伝えられています。  時の鐘として広く親しまれていたこの鐘も、昭和19年(1944年)太平洋戦争の影響で供出されあとには建物だけが残されましたが、昭和55年(1980年)、有志の浄財により現在のように復元、整備されました。  鐘の銘文文様は、日本彫塑界(ちょうそかい)の最高峰であった北村西望(きたむらせいぼう)氏の手によるものです。  長い年月を経て、今も残る時鐘楼。皆さんも大晦日の夜に除夜の鐘突きに行ってみてはいかがでしょうか。 クローズアップ  皆さんは、大正琴の素敵な音色を聴いたことがありますか。今月の紹介は「大正琴城内会(たいしょうごとじょうないかい)」の皆さんです。  大正琴とは、左手で鍵盤を押さえ、右手で弦を弾いて演奏する琴のことで、この会では、パートを3つに分けて合奏しています。  この会は、約7年前に発足し、講師の古賀寿美枝(こがすみえ)さんを中心に会員は10人。月に1・2回森岳公民館で活動を行っています。童謡や演歌、フォーク、季節に合った曲などさまざまな曲を演奏し、現在12月10日に森岳公民館で開催される森岳ふれあいまつりでの発表に向けて特訓中です。  楽器の演奏は難しいと思われがちですが、大正琴は譜面が読みやすく、演奏も比較的簡単で取り組みやすいそうです。  会の代表の鵜殿寿子(うどのとしこ)さんにお話を伺うと「指先を使うので老化防止に役立っています。全員で演奏を合せて一つの曲にするのが魅力ですね。私を癒してくれる最大の趣味です」と話してくれました。  また、最近入会した本多恵美子(ほんだえみこ)さんは「近所で聞こえる大正琴の音色が好きで、私もやってみようと思いました。割と簡単に演奏でき、今では大正琴が身近な存在です。会員の年齢も幅広く、おしゃべりや練習が楽しみです」と話してくれました。  初めての人でも大歓迎だそうですので、興味のある人は見学してみてはいかがでしょうか。  この会に関する問い合わせは、鵜殿寿子さん(630363)へ。