ふるさと再発見 一石五輪塔(いっせきごりんとう)  寺中町の堤から山手に300mほど向かうと、左手に地元の人たちから堂山(どうやま)と呼ばれる森が見えてきます。その森の中に、中世の墓石と思われる「一石五輪塔」があります。  仏教では「地・水・火・風・空」の五輪を宇宙の構成要素と説いています。その思想に基づいて、五輪を表す五つの石を積み上げたものが五輪塔です。一石五輪塔は、一つの石にすべての五輪を刻んだ大変珍しいものです。  寺中町の一石五輪塔は地元の加工しやすい安山岩(あんざんがん)で作られており祠(ほこら)の傍ら(かたわら)にたたずむ姿には厳粛な雰囲気があります。平成4年に市の指定文化財に指定されています。造形としては、元の五輪塔からかなり崩れ、地・水・火輪(ち・すい・かりん)をすべて方形の加工で済ませていますが、何百年もの時を経ながら地域の人に大切に守られてきています。  また、有明歴史民俗資料館には、有明地区庄司屋敷(しょうじやしき)にあった一石五輪塔が展示されています。寺中町の一石五輪塔と同様に安山岩で作られており、市の指定文化財となっています。   市内には、ほかにも猛島神社や三会出張所近くで見ることができます。  長い年月をかけて受け継がれてきたこれらの石造物、これからも守り続けたいですね。 クローズアップ  12月18日、県介護予防推進フォーラム県民大会で、有明町三之沢(みつのさわ)地区の転倒予防サークル「すこやか会」が介護予防推進活動奨励賞を受賞しました。  転倒予防サークル「すこやか会」は、平成20年に転倒予防体操普及リーダーが中心となり、転倒予防体操「まだまだガマダス体操」を通じて地域住民が交流し、介護予防に取り組む地域づくりを目指して発足しました。  現在、会員は22人で毎月1回小原下公民館にて「まだまだガマダス体操」と郷土料理を囲んだ座談会を行っており、会員の絆が深まっています。また、県南地域リハビリテーション広域支援センターの協力を得て実施している体力測定は、自分の現在の体力を確認できて参加者の意欲の向上につながっています。  「すこやか会」の特徴は、リーダーが会員の相談役となり参加しやすい雰囲気をつくり、みんなで介護予防に取り組む輪ができていることです。リーダーの坂本梓(さかもとあずさ)さんは「自分自身も楽しく活動しており体操を通して気持ちも若返ります。1人でも多くの人が、寝たきりにならないように頑張りたいです」と話してくれました。「すこやか会」の活動を知り、他の9カ所の自治会でも転倒予防サークルが誕生しています。  このような介護予防の先駆的な取り組みが評価され、奨励賞が贈られました。  これからも楽しく体操を継続し、元気で頑張ってください。