ふるさと再発見 ― スクイ(石干見) ―  潮が引いた長浜海岸(ながはまかいがん)に楕円形に積まれた石組みが目に入ってきます。これが「スクイ(スキともいう)」です。  スクイ漁は、スクイの中に入った魚を潮が引いた後に捕るという潮の干満差を利用した漁法で、干満の差が激しい有明海では多く見られていましたが全国的には珍しいものでした。  江戸時代に書かれた「島原大概様子書(しまばらだいがいようすしょ)」によると、領内には200ほどのスクイがあり、有明海沿岸に広がっていたとされています。ボラやアカメ、スズキ、カレイ、グチ、コノシロなどが捕れていたそうです。  スクイはもともと角型に作っていたそうですが、円形の方が台風や高波でも崩れにくいことから次第に円形のものが作られるようになりました。  スクイで大量のボラが獲れ、大金持ちになった人もいましたが、石組みの積み直しの手間や、昭和30年頃から海苔養殖が盛んになったことから次第に姿を消していきました。  今では長浜海岸に残る長さ約280mのこのスクイ1基のみとなりました。  長浜海岸のスクイは「みんなでスクイを造ろう会」が復元したもので、5月6日10時30分から同会の主催によるスクイまつりが行われます。皆さんも参加してみてはいかがでしょうか。 クローズアップ ジオパーク国際ユネスコ会議を前にこれが聞きたい! 島原半島世界ジオパークキャラクター「ジーオくん」:ぼくが答えます! Q そもそもジオパークって何? A ジオパークは自然公園のことだよ。景色や地層でその土地や地球の成り立ちを楽しく正しく知ることができる「大地の公園」なんだ。ジオパークは地域の自然を利用して育まれた文化や歴史、人々の暮らしも見どころなんだ。 Q ジオパークの目的は? A ジオパークの中にある景色や人々の歴史、文化を活かして地域を元気にすることだよ。すぐには効果が出ないかもしれないけど、今、地域のみんなで取り組んでいるところだよ。地域の自然や昔の災害を学んで防災に役立てることにも大きな意味があるんだ。 Q 特産品や民話、郷土料理、民話もジオパークに関係あるの? A 地元の農産物や海産物はもちろん、それをうまく加工して作られた食べ物も立派なジオパークの要素なんだ。なぜかというと、これらは自然が長い年月をかけて作り上げた土やその土地の気候、地形などが関わりあってできたものだからだよ。民話もその土地の気候や風土、自然を上手に活かした人々の生活を伝えるものなので、これもジオパークに深く関わってくるんだ。 Q ジオパークを楽しむコツを教えて A ジオパークは地形や地質も面白いけど、ほかにもたくさん楽しめるよ。ちょっと立ち止まってまわりを見回してみよう。例えば、きれいな景色、鳥のさえずりや風のそよぐ音、季節の花々や草木のにおい、手を使って知る土や石の感触、舌で味わう地元のおいしい料理などなど。五感や全身を使って地球の素晴らしさを感じてね。何気なく目にする景色や、口にする料理の中にジオのストーリーがたくさん隠れているんだから。