「新しい光を放つ島原」を目指して 島原市の取り組みと今後の課題  皆さんは、市が取り組んでいる事業や今後の課題についてどのくらい知っていますか。市の事業と今後の課題を皆さんに知っていただくことで、市民と行政が一体となった協働のまちづくりが更に推し進められ、活力あるまちづくりにつながります。  ここからは「市長を囲む地域懇談会」時に説明した「島原市の取り組みと今後の課題」を当日参加できなかった皆さんのために、あらためて紹介します。 1 ジオパーク国際ユネスコ会議の開催 @第5回ジオパーク国際ユネスコ会議  平成24年5月12日から5月15日、市民皆さんをはじめ多くの関係機関の協力を得て、日本で初めて島原半島で開催されました。期間中は市民フォーラムなど、当初の目標を上回る約5300人の参加がありました。 (写真)会議参加者を出迎える園児 A秋篠宮ご夫妻ご来島  秋篠宮ご夫妻がご来島され、「子どもフォーラム」にご臨席されたほか、雲仙・普賢岳噴火災害で犠牲になられた方へのご供花や雲仙岳災害記念館をご視察になられました。 (写真)ご供花される秋篠宮ご夫妻 B多くの成果を残し、盛会のうちに閉幕  ジオパークを観光や防災に活かすことを目的に、市民フォーラムでは多くの参加者が議論しました。また、市民ボランティアやおもてなし事業など多くの市民の支えによりたくさんの交流が生まれました。 (写真)市民フォーラムの様子 Cジオパーク国際会議をきっかけに 1 第5回ジオパ−ク国際ユネスコ会議 過去最多となる31の国と地域から593人、市民フォーラムなどを含めると約5300人の参加 2 市民皆さんと一体となって「おもてなしの心」で国際会議参加者をお出迎えすることができました この機運を持続し、ジオパークを利用した地域振興を推進していきます 2 これまでの島原市の主な取り組み  市では平成22年に策定した「第6次市勢振興計画」における5つの都市づくりビジョンに基づき、さまざまな施策に取り組んでいます。 島原市第6次市勢振興計画 5つの都市づくりビジョン @島原半島の中心都市づくり A交通・情報ネットワークづくり B安全・安心な暮らしづくり C特色ある産業づくり Dひとづくり 都市づくりを支える3つの行動指針 @徹底した行財政改革 A地域力を結集した市政運営 B島原半島の活性化と島原市の発展 島原市の将来像「有明海にひらく湧水あふれる火山と歴史の田園都市」 (写真)島原城・四明荘 5つの都市づくりビジョンに基づき、市ではさまざまな施策に取り組んでいます。次ページ以降で主な取り組みを紹介します。 @島原半島の中心都市づくり 安心安全な水道水を安定して供給するため、「有明地区簡易水道事業」に取り組んでいます。 ・事業期間 平成21〜25年度 ・総事業費 約29億円 (写真)二ツ石浄水場 A交通・情報ネットワークづくり 島原中央道路 交通渋滞の解消や交流の活性化に向け、「島原中央道路」をはじめとした道路網の整備に努めています。 ・事業期間 平成13〜24年度 本年10月完成 ・延長 4.5km(眉山トンネル905m) ・総事業費 約251億円 (写真)島原中央道路 B安全・安心な暮らしづくり ごみ収集体制の充実 リサイクルの推進および利便性の向上を図るため、収集回数や分別品目を増やしました。 ・燃やせないごみ、資源ごみの収集回数 月1回 → 月2回(平成22年度から) ・資源ごみなどの分別 4種類 → 6種類(平成23年度から) (写真)ごみ収集の様子 C特色ある産業づくり ほ場整備の推進 農産物の生産性を高めるため、ほ場整備を進めています。 ・三会原(みえばる)第2地区(平成20〜25年度:総事業費 約9億円) ・下辻(しもつじ)地区(平成21〜25年度:総事業費 約2億円) ・宇土山(うとやま)地区(平成22〜27年度:総事業費 約6億円) (写真)整備された農地 C特色ある産業づくり 地域ブランドの確立 島原ブランドの知名度をアップするため、物産展へ積極的に出店しています。 ・物産流通対策本部長を民間から登用(平成24年度) ・商談・販売額 約1000万円(平成21年)→ 約4000万円(平成23年) (写真)物産展の様子 C特色ある産業づくり 雇用の創出など 働く場づくりや産業を活性化して雇用を生み出すための支援を行っています。 ・緊急雇用創出事業 延べ576人を雇用(平成21〜23年度) ・地元企業・島原市進出企業の設備投資への支援制度を新設(平成23年度) (写真)緊急雇用創出事業で雇用された人(人力車を引く様子) D「ひとづくり」重視の都市づくり 子育て・保健・医療の充実 安心して子育てができるようにするほか、医療体制の充実を図っています。 ・保育料の減免、無料化 2人以上が同時在園など4年間で約1100人を支援 ・ワクチンの無料接種 子宮頸がん、肺炎球菌など (写真)鯉のぼりを手に持つ園児たち D「ひとづくり」重視の都市づくり 特定健康診査(特定健診)の推進など 早期発見・早期治療を目的に特定健診の受診を推進しています。 ・H25年度の受診率65%を目指した取り組み ・受診率の向上 24.3%(平成20年) → 42.8%(平成23年)(伸び率は県内トップ) ・島原市医師会看護学校に就学資金の基金設置(1学年5人分) (イラスト)特定健診の様子 D「ひとづくり」重視の都市づくり 教育環境の充実 安心して勉強できる環境づくりに努めています。 ・学校施設の耐震化(第一・第三小学校建て替えほか)本年12月までにすべての小中学校の耐震化を完了 ・小中学校すべてに学校司書を配置(平成22年度に完了) (写真)第一小学校校舎 D「ひとづくり」重視の都市づくり 長崎がんばらんば国体に向けた対応 平成26年に開催される「長崎がんばらんば国体」に向け、施設整備などを行っています。 ・人工芝グラウンドの完成(平成23年度) ・市体育館、弓道場の整備(平成22〜24年度) (イラスト)がんばくん (写真)平成町人工芝グラウンド ▼徹底した行財政改革と情報公開 行財政改革と窓口サービスの向上 厳しい財政状況の中、行財政改革に努めています。 ・県内初となる土日開庁の実施(平成21年度〜) ・特別職の給与カット(市長20%、副市長10%、教育長5%をカット) ・浦田保育園の民間移譲 ・職員数の見直し 432人(平成18年)→ 396人(平成24年) (写真)窓口対応する職員 ▼住民主体のまちづくり しまばら芝桜公園の整備 市民と行政が一体となり、しまばら芝桜公園の整備を行い、官民協働でまちづくりを推進しています。 ・21万株を植栽し完成(平成24年) ・市民主体となった今後の管理運営 (写真)しまばら芝桜公園 島原市の財政状況(平成22年度)  このように各種施策に取り組む中で、平成22年度一般会計決算においては、歳入が約215億円で、うち市税の占める割合は約48億円(約22%)にとどまっています。歳出は総額約206億円のうち、福祉・保健などの民生費が約36%と多くを占めています。 歳入 決算額214億5789万円 地方交付税 68億8177万円(32.1%) 市税 47億5307万円(22.2%) 国庫支出金 32億1628万円(15.0%) 市債 21億5254万円(10.0%) 県支出金 16億6374万円(7.8%) 地方消費税交付金 4億6576万円(2.2%) 繰越金 6億1102万円(2.8%) 地方譲与税 1億9102万円(0.9%) 繰入金 1960万円(0.1%) その他 15億309万円(6.9%) 歳出 決算額205億9643万円 民生費 74億7422万円(36.3%) 総務費 29億1814万円(14.2%) 公債費 26億6491万円(12.9%) 公債費 26億6491万円(12.9%) 教育費 16億4988万円(8.0%) 衛生費 15億9990万円(7.8%) 消防費 8億3136万円(4.0%) 農林水産業費 6億1765万円(3.0%) 商工費 5億2714万円(2.6%) その他 2億4798万円(1.2%) ・税収 約48億円(平成20年度)→ 約47億円(平成22年度) ・公共事業費 約18億円(平成20年度)→ 約26億円(平成22年度) ・経常収支比率 94.2%(平成20年度)→ 88.7%(平成22年度) ・実質公債費比率 8.7%(平成20年度)→ 9.2%(平成22年度) ・地方債残高 約189億円(平成20年度)→ 約185億円(平成22年度) ・積立金残高 約60億円(平成20年度)→ 約71億円(平成22年度) ・職員数 432人(平成18年度)→ 396人(平成24年度) ・行政改革の効果 4億2000万円(平成19年度比)  税収が伸びない中、厳しい財政運営は続きますが、公共事業費も一定量を確保し、財政の健全性を示す数値も一定のレベルを保ち、借金にあたる地方債は県内の市で最も少なく、一方で貯金にあたる積立金は増加しています。 3 今後、重点的に取り組むべき分野 ◎10月に迫った「全国和牛能力共進会」や、平成26年の「長崎がんばらんば国体」など大型イベントの開催をステップとし、島原市のさらなる飛躍につなげていきます。 ◎少子高齢化が進む中、独居老人への声かけなど地域の見守り活動や、子育てのしやすい環境づくりに取り組みます。また、人口減少に歯止めをかけるべく、各種施策により産業の活性化や雇用の創出を図っていきます。 ◎安全・安心なまちづくりについて、出平町から有明町間をはじめ、島原道路の早期整備に全力で取り組みます。そのほか、防災行政無線などの防災対策、船津地区などの浸水対策、し尿処理場の建て替えなど、安心して住めるまちづくりの実現に努めます。 ◎将来を担う子どもたちのため、外国語教育の充実や、国内外さまざまな地域との交流や各種体験学習などを推進します。また、防災教育の充実、新たな特産品や観光プランなど魅力ある商品づくりに努め、ジオパークの持続的発展につなげます。 ◎市民皆さんと一体となった市政運営を目指し、中心商店街の活性化、ごみの再資源化の推進、市庁舎建設などに取り組みます。また、厳しい財政状況の折、行財政改革に引き続き取り組みます。  市勢振興計画に掲げる「5つの都市づくりビジョン」に基づき、これらの重点課題に取り組み、「新しい光を放つ島原市」を目指します。市民皆さんのご理解ご協力をお願いいたします。 今後の重点分野@ ジオパークの持続的発展 ジオパークの防災教育への活用のほか国内外との交流を図り、世界ジオパークの地位を確立します。 ・観光振興、防災教育の充実 ・新たな魅力、観光プラン開発 ・海外を含むジオパーク地域との交流 大型イベントへの対応 ・全国和牛能力共進会(10月) ・長崎がんばらんば国体(平成26年) (イラスト)ジーオくん、かさべこくん、がんばくん 今後の重点分野A 高齢者や子育てにやさしいまちづくり 少子高齢化が進む中、地域活力の維持と充実したサービスに努めます。 ・地域の見守り活動 ・特別養護老人ホームの整備 ・小児医療体制の充実 ・島原病院などの医師確保 (写真)診察を受ける子ども 今後の重点分野B 働く場の確保 地場産業の支援や企業誘致を積極的に行い、産業の振興を図ります。 ・企業誘致の推進 ・農業、漁業の振興(後継者対策など) ・ブランド、販売戦略の強化 ・新エネルギーの推進 (写真)大根を収穫する様子 今後の重点分野C 安全・安心なまちづくり 島原道路の整備とともに溶岩ドームの崩落対策や眉山の治山対策など防災対策を推進します。 ・島原道路の整備促進(出平〜有明) ・下水道の整備 ・防災および浸水対策 ・溶岩ドームの崩落対策 ・眉山の治山対策 ・し尿処理場の建て替え (写真)平成新山 今後の重点分野D 将来を担う子どもたちの育成 国際化を見据えた取り組みなどを進めます。 ・外国語教育の充実、体験学習の推進 ・姉妹・兄弟都市やジオパーク地域などとの交流 魅力ある観光都市づくり スポーツ大会や学会などの誘致 により経済効果をもたらします ・修学旅行やコンベンション誘致 ・新幹線などとの交通アクセス向上 (写真)ジオパーク国際ユネスコ会議 今後の重点分野E 市民一体となったまちづくり ・中心商店街の活性化 ・ごみの再資源化 ・市庁舎の建設 ・花いっぱい運動 ・地域の見守り活動 行財政改革の更なる推進 (写真)市庁舎