「男女共同参画社会」について考えてみよう vol.6 男性にとっての「男女共同参画」 ▼「男は仕事、女は家庭」って本当なの?  男女共同参画社会の実現に向けた大きな障がいの一つとなっていること、それは人々の意識の中に長い時間をかけて形づくられてきた「男は仕事、女は家庭」というような、性別に基づく「固定的性別役割分担意識」です。このような意識は、時代とともに変わりつつありますが、依然として根強く残っています。  共働き世代が増加する中、性別で役割を固定的に考えるのではなく、仕事や家事、育児など、今まで以上に広い分野で、男性と女性が協力しあうことが必要な時代になってきています。 ▼男性の家庭参画を阻害する要因  総務省「労働力調査」によると、週35時間以上働く人のうち週60時間以上働いている人の割合は、30代・40代が最も高く、2割以上の男性が週60時間以上働いているなど、子育て世代の男性は長時間労働の割合も高くなっています。  また、「仕事」、「家庭生活」、「地域・個人の生活」の優先度について希望と現実を聞いたところ、仕事を優先することを希望している人が13.3%であるのに対し、現実は37.8%が仕事を優先しているという結果にあり、「ワーク・ライフ・バランス」を実現しづらい状況が男性の家庭への参画を妨げていることが分かります。 ▼育児に参加したい男性は結構多い?  男性の育児休業の取得率(平成23年度実績)は、2.63%(女性の育児休業取得率は87.8%)と女性に比べてはるかに低い数字に留まっていますが、実は男性の3割が育児休業など育児との両立支援制度の利用を希望していると言われています。仕事ばかりでなく、家庭や地域活動などにもっと参画したいと考えている男性も多いのではないでしょうか。男性の育児参加が一般的とは言えなかった中、育児に不慣れな男性が足を踏み入れる最初の段階では、周囲や家族の理解が大事なのかもしれません。 ・育児との両立支援制度の利用意向調査 内閣府実施調査 全体 女性 男性 調査数 1,553 801 752 育児休業制度 50.9% 68.9% 31.8% 育児のための短時間勤務制度 48.9% 62.3% 34.6% 男性の約3割が育児休業制度を利用したいと思っています ▼男女ともに生きやすい社会に向けて  男性が育児参加するとなるときちんと子どものお弁当を作らなければならないなどと思う男性もいるかもしれません。しかし、そのように気負うことなく、無理なくやれる範囲で興味を持って育児や家事に取り組むことによって、子どもとのふれ合う時間が増え、子どもに向き合う姿勢が変わり、自然と男性が家庭の中に入っていくことができます。  男女共同参画というと、堅苦しいとか、女性のためのものと感じる人も多いかもしれません。 しかし、男性も女性も共に生きやすい社会、それが「男女共同参画社会」です。  男女共同参画社会へ向けて、男性も女性も共に家事や育児に参加すること・参加できるが当たり前の社会を皆さんでつくりましょう。 ▼問い合わせ先 政策企画グループ政策振興班(63-1111 内線146)