つなごう!未来へ 島原半島世界ジオパーク36  今月は、島原大変による眉山(まゆやま)の山体崩壊とその後にできた白土湖(しらちこ)と音無川(おとなしがわ)を紹介します。  「島原大変」は、寛政4年(1792年)に発生した大きな地震により、眉山が崩壊したことによる一連の災害を指します。 眉山の崩壊と大津波  寛政4年(1792年)5月21日(旧暦4月1日)の午後8時ごろ、眉山南側の山体(天狗山(てんぐやま))が強い地震によって崩壊しました。崩壊で発生した大量の土砂(岩屑(がんせつ)なだれ)は、麓の町を埋め尽くしながら、一気に有明海に流れ込み、大きな津波を発生させました。この時発生した大津波は、島原城下で標高10メートル付近までかけ上ったほか、対岸の熊本、天草沿岸も襲いました。  この災害による死者は約1万5千人におよび、日本最大の火山災害となっています。島原半島には、被害の大きかった当時の7村に供養塔が建立されており、広範囲で被害が発生したことを伝えています。島原市沖に点在する九十九島は、この災害の時にできた島々です。  島原図書館の2階には肥前島原松平文庫所蔵の「島原大変大地図」など、この大変と大惨事を伝える多数の資料が残されています。  また、雲仙岳災害記念館(がまだすドーム)では、歌舞伎の手法を取り入れたシアター「島原大変劇場」で学習できます。  白土湖は、島原大変によって生じた湧き水が溜まってできた湖で、形成当初は、東西約180メートル、南北約900メートルと現在の約4倍の大きさがありました。音無川は、当時拡大を続けていた白土湖の湧水を水抜きするため旧海岸線に沿って掘り進められ造られた川で、水路を流れる水の音が無いことから「音無川」と名付けられました。  次回は、「平成噴火…平成新山(溶岩ドーム)」と「仁田峠」をお届けします。 (写真)音無川 島原藩が1万人を集め、水路を掘り進めました (写真)眉山 七面山(しちめんさん)、天狗山、南峰(なんぽう)の三峰を合わせた山の総称 目指せ!ジオ博士 島原半島ジオパーク検定(初級編・中級編)  今回は初級編に加えて新たに中級編も開催します。前回、初級編に合格した人は、ぜひチャレンジしてみましょう。 ・とき 2月24日(日)10時30分開場 ・ところ 南島原市深江公民館(2階ホール) ・試験問題 「島原半島ジオパークのことがわかる本(2012年度改訂版)」から70%以上出題(初級編…全問3択問題、中級編…問題の70%が3択問題、30%が筆記問題) ・検定料 高校生以上…1050円、中学生以下…525円 ・申込方法 「島原半島ジオパークのことがわかる本(2012年度改定版・500円)」に同封された検定申込用紙に必要事項を記入し、申し込んでください ・申込期限 1月15日(火)から2月7日(木)まで(必着) ・申込先 ジオパーク検定事務局(〒855-0879 島原市 平成町1-1がまだすドーム内 65-5540) ▼好評発売中 !「島原半島ジオパークのことがわかる本(2012年度改定版)」は、ジオパーク検定事務局で販売しています。(1冊500円) (写真)「島原半島ジオパークのことがわかる本(2012年度改定版)」 ▼問い合わせ先 島原半島ジオパーク推進連絡協議会(65-5540 FAX65-5542)