ふるさと再発見 鉄砲町編 ― 水神祠(すいじんし) ―  武家屋敷売店敷地の北側に、向唐破風造(むかいからはふづくり)の水神祠があります。松倉重政(まつくらしげまさ)が領内の三会村にあった水神祠を城下に移し、寛永元年(1624年)に完成したものといいます。祭神(さいじん)は水波能売大神(みずはのめのおおかみ)で、飲料水や醸造用水、灌漑用水(かんがいようすい)の守護神として信仰されてきました。  この水神祠で、目を引くのは、正面の唐破風(からはふ)です。破風(はふ)とは、屋根の妻側の三角形部分の造形のことです。そのうち、中央部が弓形で左右両端が反り返った曲線状の破風を唐破風と言います。  当初から向唐破風造の水神祠であったかというと、納まりが悪い部分もあるので、そうとは言えません。明治7年(1874年)の島原城廃城の際、その用材で改築され、現地に移されたということから、島原城内にあった唐門(からもん 屋根に唐破風をもつ門のこと)を使って、建立された可能性が考えられます。 ○参考文献: 島原市鉄砲町伝統的建造物群保存対策調査報告書 』(島原市 平成21年3月) クローズアップ 島原の子守唄を踊る  「島原の子守唄」といえば、島原市出身の故宮ア康平(みやざきこうへい)氏が作詞作曲し、全国的に有名な子守唄ですが、この唄に踊りがあることをご存知でしょうか。  この踊りは、片町に伝えられており、康平氏が近所の子どもを集めて踊りを教えたのがきっかけだと言われています。「島原の子守唄を踊る会」は、子守唄とともに地域に残るこの踊りを楽しみ、後世へと継承していこうと平成24年7月に結成されました。現在、主に市内の小学生を対象に会員を募集しています。  練習は毎月1回第4土曜日の10時から1時間程度、森岳公民館で行われています。踊りの練習は、当時の生活の様子や歌詞の意味などを話しながら行われ、子どもだけでなく親も交じって踊りを楽しむそうです。  この会は、11月に島原で行われた「全国子守唄フェスティバル」に出演し、大舞台も経験しています。全国子守唄フェスティバルでは、風車を手に着物姿で、歌にあわせて踊る姿が、なんとも言えないもの悲しい様子を表現し、子守唄の独特の世界観を映し出していました。  踊りを指導している池田銀子(いけだぎんこ)さんは「子どもは素直なのですぐに吸収して上手になります。この踊りに興味を持ってくれる人が一人でもいたら協力したいと思っていますので気軽に参加してほしいですね。この踊りを通して、唄の背景や踊りの基本、そして礼儀作法も学んでほしいと思っています」と話してくれました。  次回の練習日は、1月26日。情操豊かなわが子の成長を願って、また、地域に残る宝を後世に伝えて行くためにも参加してみませんか。  この会に関する問い合わせは、文化スポーツ振興グループ(68−5474)へ。