「発達障がい」を知っていますか? 〜 発達障がいの早期発見と支援の取り組み 〜  「発達障がい」は、脳機能の発達が関係する生まれつきの障がいで、コミュニケーションや対人関係をつくるのが苦手です。しかしながら、外見的に障がいがあることが分かりにくく、怠けているとか、わがままと思われて誤解を受けがちです。  また、周囲の人は「親の育て方が悪い」とか「愛情不足」、「心の病」、「大人になってから発症した」などといった誤った見方をしてしまうため、幼少期からの支援が必要とされています。症状や困難さは一人一人異なるため、まず周囲の人の理解が必要です。 ▼発達障がいに関する問い合わせ先 市保健センター(64-7713) ◎発達障がいとは(さまざまな症状)  発達障がいは、広汎(こうはん)性発達障がい(自閉症、アスペルガー症候群)、学習障がい、注意欠陥多動性障がいなどの脳機能障がいのことで、その症状が通常、低年齢において現れます。また、複数の障がいが重なって現れることもあります。 @広汎性発達障がい ・コミュニケーションの障がい ・対人関係、社会性の障がい ・こだわり、興味、関心が狭い 自閉症…幼児期、言葉の発達の遅れが目立つことがある アスペルガー症候群…言葉の遅れは目立たない、不器用。自閉症のように、幼児期に言葉の発達の遅れがないため、障がいがあることが分かりにくい A学習障がい(LD)  知的な遅れはありませんが、音と文字の繋がりや、文字の視覚認知の障がいがあったり、算数の概念の理解が困難。聞く、話す、読む、書く、計算するなどのどれかが、極端に苦手な状態です B 注意欠陥多動性症候群(ADHD)  年齢に不釣合いな注意力、衝動性、多動性を特徴とする行動の障がい。うっかり同じ間違いを繰り返してしまうことがある。じっと座っていられない。待つことが苦手で、思いついたらすぐ行動してしまうなど ◎気づき(早期発見と早期支援の必要性)  障がいの克服や症状の改善に向けた一番の決め手は、早く気づき、適切な支援を受けさせてあげることです。障がいがあっても本人が社会や集団の中で生活しやすくする習慣や技術を身につけ、二次的な障がい(不登校や引きこもりなど)の発生を防ぎ、自立や社会参加を可能にしていくことが期待できます。 ・早期発見のために 早期発見の場として、法定健診(1歳6か月健診・3歳児健診・就学児健診)、任意健診(5歳児健診・相談など)、保育園や幼稚園における発見、保護者の気づきなどがあります。 健診などの日程は、保護者に個別に通知しますので、必ず受診させてください。 ▼1歳6か月児 健康診査 @単語が出始める頃→3語以上の発語の確認をしています A非言語的なコミュニケーションの習得 B自閉症の早期発見が可能になる年齢→早期発見のための問診6項目の導入 ▼3歳児 健康診査 @家族以外の人との繋がりができる A1人遊びを好んだり、集団に入れないなどから発達障がいの発見ができる→親と離れて遊べるかどうかを確認しています B広汎性発達障がいなどの早期発見が可能になる年齢→早期発見のための問診8項目の導入 ▼5歳児 健康診査(任意健診) @5歳児の多くが就園しており、日ごろの集団生活の様子を客観的に評価することが可能→保育園・幼稚園の集団での気づきを参考にし、健診を実施しています A就学を控える時期に健康診査ができ、親の困り感の解消へつながる→5歳児健診と就学(教育)相談の連携 B多動や衝動型の障がい発見が可能となる年齢で、発達障がいの大半が発見可能→早期発見のための問診9項目の導入 ・島原市では全国に先がけ、平成19年度から5歳児健診時に「発達障がいスクリーニング」を導入しています。「発達障がいスクリーニング」は、子どもの行動などを医師などが専門的に観察し、早期に発達障がいを発見しようと行うものです。 ◎サポート(発達障がいを疑われたら)  発達障がいが疑われるときは、その症状が環境要因などによる一過性のものであるか、生まれつきの障がいによるものであるか区別が難しいことがあり、障がいの特徴が重なり合っていることも多く、診断がつきにくいとされています。大事なのは、その子にどんな特性があるのか、何が苦手なのかを把握してあげることです。そのうえで、親や周囲の人々がそれぞれの発達障がいの特性を理解し、サポートすることにより、改善できることがたくさんあります。 ▼支援方法 ・相談体制(要予約) 心理相談・言語相談・発達相談など各種相談を受け付けています ・発達支援教室 子どもが遊びを通して、感覚統合などを養うための教室、母親が子どもの特徴をより理解するための気づきや学習の場として開催しています ・療育(訓練) 子どもさんの特徴に合わせた療育のスタイルがあります。医師による指示が必要な場合もあります ▼発達障がいの疑い ・支援あり(フォロー、療育)→(子ども:症状の改善・スムーズな就学、親:対処方法が分かり・家庭でのケアも可能) ・支援なし→(子ども:自尊心の低下・二次障がい、親:子育ての自信の喪失・不適切なしつけ)