つなごう!未来へ 島原半島世界ジオパーク40 島原半島ジオパーク推進連絡協議会(65−5540) ▼ジオパークであり続けるための取り組み  先月は、ジオパークに認定された地域が行わなければならない3つの取組みを紹介しました。 ・3つの取り組み @「大地の遺産」の保全 A「大地の遺産」を用いた教育活動 B「大地の遺産」を活用した観光振興  これらの取り組みを続け、「大地の遺産」を守りながら地域を活性化させることがジオパークの目的です。  この目的を達成する上で、「大地の遺産」の保全は必要不可欠なものです。  なぜなら、大地の遺産が保全できなければ、その価値が失われ、未来にわたってそれらを活用することができなくなるからです。  今月と来月は、島原半島ジオパークで行われている大地の遺産の保全の具体例を紹介します。 ▼大地の遺産の保全@「法律による保全」  雲仙が国内初の国立公園に指定されたことは、皆さんご存知かと思います。  国立公園は、「日本を代表する優れた自然の風景地を保護するために開発を制限し、かつ風景の観賞など、人々が自然と親しみ、利用がしやすいように、必要な情報の提供や利用施設を整備している」自然公園の制度のこと(※環境省ホームページの文章を一部修正)で、現在国内に30地域あります。  国立公園制度は、「自然公園法」という法律に基づき、認定地域の自然環境が保護されています。国立公園内では、対象物の希少性に応じて保護区分がなされ、もっとも規制の厳しい「特別保護地区」では、すべての動植物(落ち葉や枯葉を含む)の捕獲や採取および植物の植栽や種まきといった自然環境を変える行為が厳しく制限されています。  自然公園法だけでなく、自然環境を守る法律として「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」、「自然環境保全法」、「自然再生推進法」などがあり、日本の美しい自然環境を守り、維持する努力が続けられています。  平成24年5月、平成新山を間近に望むことができる登山道が開通しました。  この開通により、20年間ほぼ手つかずだった雲仙の素晴らしい自然が楽しむことができる一方、希少生物や平成噴火でもたらされた岩石の盗掘、さらには立ち入り禁止地域に立ち入ったと思われる人の足跡が認められるなどの被害があっています。  登山道は、希少な生物や岩石を採取するために開通させたものではありません。この美しい自然環境を次の世代に伝えていくためには、私たち自身がモラルある行動をとることが必要不可欠です。  来月は、住民の手による大地の遺産の保全の事例を紹介します。 (写真)昨年5月に開通した登山道にある風穴。真夏でも冷気が噴き出ています。 (写真)立岩の峰展望所付近から見た平成新山。迫力満点です。 ▼登山者のマナー 花木・植物・岩石の採取、動物・昆虫の捕獲はしないでください